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『ACT―市民の政治―』171号(2002年6月10日)

Line Up

  ◆辛口レビュー 動員される労働と有事三法
              伊藤彰信さん(全日本港湾労働組合[全港湾]書記長)
  ◆いずみ(編集長コラム)  ◆CATCH UP
  ◆有事法制は成立させない――各地で集会
        鹿児島
        岩手・北上
        名古屋
  ◆北朝鮮・平壌でアジア地域シンポ
  ◆浜岡原発で水漏れ事故
  ◆末端私論
      神戸市長選の顛末
  ◆CD情報 SO-SO『強き者の祈り』緊急発売
  ◆〈集中連載〉貧乏記者のアフガン現地ルポ@ 無用の長物となったNGOの井戸
  ◆経介☆政子の永田町たちばなし(4)
  ◆OLのつぶやき(14) 透明人間なOLたち
  ◆アイヌ民族「共有財産」訴訟―3・7札幌地裁で不当判決
  ◆第3回ヨーロッパ緑の党連盟総会報告@
  ◆市民派議員リレートーク(47) 岡本嗣郎(大阪府高槻市議)
  ◆ACTの中野区長選報道における誤謬を正す――高野真三候補ただ1人が「有事法制反対」を表明
  ◆ECOひいき 山形・新庄水田トラスト
  ◆BOOK Review 西里扶甬子 『生物戦部隊731 ―アメリカが免罪した日本軍の戦争犯罪―』
              坂下栄 編 『どうなってるの? 子どもたちのからだ』
  ◆かわたなつみの英国ECO留学日誌(最終回) 本当の「発展」を探求し続け…
  ◆広告(3面)   『軍縮』7月号……宇都宮軍縮研究所
             『オバハンからの緊急レポート』・『言論の覚悟』……創出版
             『虹と緑』11号……虹と緑・地方自治政策情報センター           

辛口レビュー

動員される労働と有事三法
 伊藤 彰信さん
(全日本港湾労働組合[全港湾]書記長)

会社も労働者も無理矢理戦争協力を強いられる!

「拒否せよ」だけでは軍事協力なくならない

伊藤 彰信
いとう あきのぶ
 1948年2月、東京都生まれ。70年3月、慶応義塾大学商学部卒業。民間企業、地方公務員を経て、75年11月、全日本港湾労働組合中央本部書記局員。84年12月、総務部長、94年9月、書記次長を経て、98年9月、書記長に就任し、現在に至る。全港湾では、安全衛生、港湾労働政策、国際関係、調査・教育宣伝、国民運動などを担当。「小さな労働組合だから何でもやらなくては」と本人は言う。市民運動と労働組合の組織である石綿対策全国連絡会議事務局長の経歴を持ち、現在では、労働者供給事業関連労働組合協議会(労供労組協)議長として、派遣労働者、介護労働者の問題、労働者の仕事起こしにも取り組んでいる。また、インターネットによる労働運動の情報ネットワークであるレイバーネット日本の代表も務める。全港湾のウェブサイト http://www.zenkowan.org
【5月31日/インタビュー:朝日健太郎/写真・構成:大島正裕】
 

 ――まず、全港湾のこれまでの闘いについてご紹介を。

  全港湾は、1946年7月に結成された、港湾荷役労働者を主な組織構成員とする労働組合です。現在の組織人員は約15000人。港湾労働者が約6割。2割がトラック関係の労働者で、残り2割が建設・土木関係と一般の労働者です。戦後すぐ「港を軍港にするな」というスローガンを掲げて反戦・平和の運動に取り組みました。戦時中、港は国によって管理され、侵略戦争の前線基地となった反省から、二度と港を軍港にしないという決意をしたわけです。
 日本国内に強制連行されて亡くなった中国人や朝鮮人の方々の遺骨を本国にお返しする運動に取り組み、また朝鮮戦争、ベトナム戦争時には軍事物資の荷役を拒否する闘いもおこないました。90年代以降も反PKO闘争など、一貫して反戦・平和の闘いに取り組んできた労働組合です。

 ――5月24日の東京・明治公園での有事立法阻止集会には、4万人の市民、労働者が参加しました。実行委員会ではどのような議論が積み重ねられてきたのですか。

  職業的にも戦争協力に駆り出される可能性が高く、強い危機感を抱いた陸海空港湾労組20団体が連携し、99年5月21日に明治公園で5万人集会が開かれました。周辺事態法の成立以降、この法律を発動させない、協力もしない、ことを20団体のスローガンとして確認しました。
 全港湾としては、港湾管理者である各地方自治体と、雇用主である各事業者に対し、周辺事態法に基づく国からの協力要請を断るよう要請しました。多くの自治体の回答は、そういう事態になってみなければ判断できないというものでした。事業者からは、組合が拒否するなら会社も拒否する、あるいは、組合と相談して対応する、という回答が数社ありました。
 労働協約を結んで戦争協力を拒否する権利を確立していこう、という議論もありました。これについては、湾岸戦争時に「良心的兵役拒否権」を盛り込んだ労働協約を、海員組合は結んでいましたし、また連合も、労働協約で拒否権の確立をめざすと、当時の笹森事務局長が国会で発言するという経緯がありました。
 しかし、この「拒否権」には二つの難しさがあります。ひとつは、そもそも日本ではそういった権利が市民的権利として確立していないこと。欧米諸国に良心的兵役拒否の権利があるのは、国家として戦争ができるという前提があるからです。憲法第9条を持つ日本では、戦争することを前提とした権利関係など議論もされてこなかったのです。
 もうひとつは、労働者の中で、積極的か否かは別に、私は戦争に協力するという人が出てきたときにどうするか。組合としての組織的な団結が破壊されていくということはまちがいありません。ですから、そういう事態になる前に戦争協力しないですむような措置を講じなければなりません。軍艦が入港しなければ、あるいは業者が業務命令を出さなければ、私たちは荷役しないですむわけですから。

  [以下本紙をご参照下さい]


いずみ

 小泉内閣の閣僚たちは、首相を筆頭に正直者が多い。
 倒産が相次ぎ、街に失業者があふれても、小泉は「構造改革が順調に進行している証拠だ」と、言い放った。そう、構造改革は「痛みを伴う」ものだったのだ。痛みは平等に襲うのでなく、これまでそうであったように、弱者を集中的に襲うものだということをあらためて思い知らされた。小泉は、弱肉強食は国是であることを、これまでの内閣より卒直に言ったにすぎない。
 福田官房長官は、「非核三原則」は少なくとも「持ちこまず」については、とっくに空洞化している。場合によっては核をつくり、持つことも法理論的には可能であると言った。憲法と同様に、既成事実を積み重ね、ご都合主義的に解釈すれば、「原則」などいくらでも空洞化できるという、この国の政治の常識を飄々と語ったにすぎない。
 中谷防衛庁長官は、情報公開請求者の身元調査は「個人的な判断でやったかどうか、そうではないかもしれない」と、防衛庁の組織ぐるみの行為であることを、いち早く認めた。にもかかわらず、最高責任者として責任をとろうとする素振りも見せない。
 今でこそ事件と騒がれているが、個人情報保護法案が成立すると、官は「相当の理由」があれば、こうしたことを日常不断にやれる。8月からの国民総背番号制の実施によって、もっと精密な個人情報を霞ヶ関のネットワークで把握し、超管理国家が完成する。中谷は、そう嘯いているのだ。
 知らしむべからず、寄らしむべしの民が、官、とりわけ軍の情報など知ろうとすること自体が反国家的なのだ。こんな危険思想の輩の身元は徹底的に調べあげ、常時監視の対象にしなければならない。よしんばそれが違法行為として今回のように暴かれても、罰則規定はないから大丈夫。むしろ暴かれることで情報公開を請求する不逞の輩がびびると、もっけの幸いだ。せっせと非国民リストの作成をせよと、防衛庁は号令している。
 一朝有事には、非国民にリストアップした輩を一網打尽する。小泉は「備えあれば憂いなし」と正直に言っているのである。

                                                     小寺山康雄 


ECOひいき

新庄水田トラスト (山形・千葉)
 *ストップ! 遺伝子組み換えイネ*

 「すでに世界は軍事力でも経済力による支配でもない。/この手で掬って飲める水の豊かさこそが、新しい文明をつくりあげる力になる時代にきていることを。/誰もが本能的に気づいているのではないだろうか」(映画『アレクセイと泉』パンフより)
 この1年、私たち生活者も深く自省を問われました。しかし、そうではない人びともいます。愛知県農業試験場の研究者、愛知県知事、モンサント社の社員たちです。彼らは、強烈な除草剤グリホサート(日本では商業栽培使用は許されていない)に耐性を持つコメ「祭り晴」をつくり、酒に、加工用にと日本社会への導入を計画しています。
 このことはアジアと日本という地球でもっとも肥大な地帯であるこの地域の水田を、取り返しのつかない道に導き、世界規模で抗議が起こっているWTO体制を拡大することを意味します。
 身の回りに「遺伝子組み替えではない」表示が増加し、大豆食品などへの関心は広がりました。しかし遺伝子組み換えイネへの関心は低く、特に農村地帯での関心の薄さが懸念されます。
 昨年はトウモロコシの種子汚染が大問題となり、日本で作付けされたトウモロコシが汚染しました。稲も同様に風媒体の作物です。近隣の田への花粉飛散は避けられず、持続可能な有機コメづくりへの打撃ははかり知れません。一部に汚染が広がってしまえば、地域全体の風評被害はとめようがないのです。私たちはそのことを狂牛病問題で体験したばかりです。厚生労働省が食品として認可してからでは遅いのです。
 「殺虫毒素Bt遺伝子が組み込まれたジャガイモ。葉を食べたコロラド羽虫は、5分後に苦しみをはじめ、25分後に葉から落ち、2日後に死んだ」(日本子持基金『不安な遺伝子操作食品』より)。農薬のターゲットは虫であり雑草。虫の代謝メカニズムを乱すようにつくられた物質が、同じ代謝メカニズムで暮らしている私たちの細胞にとっていいはずがありません。さらに本来の働きをしている遺伝子に、組み替え遺伝子ともにベクター微生物やマーカー抗生物質などが無理やり押しつけられて、休眠していた遺伝子が目覚め、予期せぬ物質をつくり出すことを専門家たちは懸念としています。
 私たち「新庄水田トラスト」は、山形県新庄の環境問題に取り組む有機水田農家とともに、「遺伝子組み換えイネNO!」を合い言葉に2年前に結成。2回の収穫を終え、3年目の募集に入っています。現在、お百姓さんたちは田植えの真っ最中、猫の手も借りたい忙しさにあります。
 水田トラストを契機とした都市と農村との交流のなかから気づいたことは、日本だけでなく、アジア、そしてアメリカの家族農業がWTO体制下の経済システムによって、ますます営農が困難になっていること、互いに競争させられ振り回されていること、そして、私たち都市の生活者もそうなのだ、ということです。
 トラスト運動は、そうした今日の都市と農村のあり方を超え、人びとが自由意志にもとづき、直接に財と力とを結合しながら、共通の目的を実現するための相互信託運動であり、食の自決権を確立する一つのあり方と考えます。
 そして、「この手ですくって飲める水の豊かさこそが新しい文明をつくりあげる力になる」という直感を具体化するひとつの方法ではないのか――自分たちにとって不利になるのを覚悟の上で真室川取水口や水田、井戸100ヵ所の定期的な水質検査をおこない、発表し、地域住民への働きかけをおこない、また、土壌、水質の浄化のため“もみがら遠赤炭”を製造し、自ら水質の浄化につとめ、地域通過やコンピューター操作にも果敢に挑戦するお百姓さんたちとつきあって、そうした思いを深くしています。
 オルタナティブ対抗運動としての新庄水田トラストへ是非ご参加を。

★「水田トラスト」は年会費三万円(三十坪)です。
★「ストップ! 遺伝子組み換えイネの署名運動」(六月三十日締切)も展開中です。

 阿部 文子(事務局)

■ストップ! 遺伝子組み換えイネ 全国集会
    7月6日(土)午後1時〜
    名古屋市中区ホール
       ※詳細は新庄水田トラストまで

【連絡先】
   〒299-0117 千葉県市原市青葉台1-9-1ファミール青葉台2-106
                        山形・新庄水田トラスト
   TEL 0436-61-3077(FAX兼)
   http://www5.ocn.ne.jp/~suiden


店・モノ・活動を‘ECOひいき’!!

 ACTの名物コーナー「ECOひいき」に登場してくださるみなさんを募集しています。「ECO」なお店、会社、グッズ、運動、などを是非、ACTで紹介させてください。自薦・他薦は問いません。紹介文は、本紙だけでなく、ACTのウェブサイドにも掲載させていただきます。
 @お店・グループ名 Aお店の紹介や商品説明、活動案内(500字以内) B連絡先(お店などの場合、「行き方」も) C執筆者氏名 D掲載紙送付先・原稿に関する問い合わせ先 ―を明記し、EメールかFAX、もしくは郵便でACT編集部[act@jca.apc.org]までお送りください。地図・写真などを添付していただければ、それも一緒に掲載いたします。(編集部)


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