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『ACT―市民の政治―』159号(2001年12月10日)

Line Up

  ◆現地ルポ・横須賀  自衛隊は参戦するな!
  ◆いずみ(編集長コラム)  ◆CATCH UP
  ◆NTTの「退職・再雇用」
      高橋喜一さん(電通労組全国協議会事務局長)に聞く
  ◆東京大気汚染裁判・自動車公害をなくすために   国府田諭(青空の会)
  ◆末端私論 「石原都知事の性差別発言」「賀状あいさつやめます」
  ◆集会告知「加害の歴史を忘れぬために」
  ◆米国のアフガニスタン侵攻と石油資源獲得という真の意図
      宮嶋信夫(ノーニュークス・アジアフォーラム・ジャパン)
  ◆Make Green More 緑の政策研究会・結―YUI―レポート
      第2回勉強会報告「フランス緑の党と雇用政策」 講師:真下俊樹(ヨーロッパ緑の党研究者) 
  ◆Hot Issue in the World 「中国労働者の実状」
  ◆グリーン・ムーブメント総括  渡部智暁(実行委員会)
  ◆小田急高架事業認可取消訴訟・崩された公共事業の壁(下)
  ◆市民派議員リレートーク(38) 盛泰子(佐賀県伊万里市議)
  ◆〈ご案内〉グローバルグリーンズ世界大会報告&シンポジウム
  ◆ひとときの光(11) 風のささやき
  ◆意識のオルタナティブ(7) 選挙権を若者に
  ◆BOOK Review  モフセン・マフマルバフ
                 『アフガニスタンの仏像は破壊されたのではない 恥辱のあまり崩れ落ちたのだ』
               山家悠紀夫 『「構造改革」という幻想』
  ◆テレビ丼
  ◆2002年新年号 メッセージ広告賛同のお願い
  ◆広告(3面) 『軍縮』1月号
            『創』1・2月号/『「脱社会化」と少年犯罪』……創出版
            『記録』12月号/『帰国子女自らを語る』……潟Aトラス
            さつき印刷

現地ルポ・横須賀 

自衛隊は参戦するな!

“時代のベクトル”を逆行させないために


 11月25日、戦後56年目にして初めて、アフガニスタン戦時下の米英両軍を支援するため、海上自衛隊の艦船三隻がインド洋にむけて国内3軍港から出航した(神奈川県横須賀港〜掃海母艦「うらが」、広島県呉港〜補給艦「とわだ」、長崎県佐世保港〜護衛艦「さわぎり」)。

11・25 横須賀・呉・佐世保

 この日、海上自衛隊横須賀基地の対岸では、朝七時から集まりだした約100人の市民による抗議行動がおこなわれた。
「自衛隊は戦場に行くな」
「戦争に加担するな」
「九条を殺すな」
 怒りと悲しみのシュプレヒコールをかき消すように、周囲を厳重にとり囲んだ神奈川県警機動隊による警告が断続的に発せられる。
「無届け集会をおこなっている諸君は即座に解散せよ」
 一目で公安刑事だとわかる連中が、集会の輪の中に入ってきて、聞き耳を立て、ペンを走らせ、わざとらしく体をすり寄せてくる。
 海上では平和船団のボートとヨットの2隻が横断幕を掲げながら、できるだけ掃海母艦「うらが」に近づいて艦上の隊員たちに「戦場に行くな」と訴えている。
 午前8時28分、基準排水量5650トンの巨大な軍艦が静かに動き出す。56年の沈黙を破り、自国民と世界に対する誓いを破り、日本が戦後初めて戦争に参加した瞬間だ。「うらが」出航後も、港では非核市民宣言運動ヨコスカの新倉裕史さんを中心に、懸命のシュプレヒコールがつづいた。
「横須賀から出るな!」
「今すぐ戻ってこい!」
「日本の参戦は許さない!」

三割の共感を得る運動を

 今回の自衛艦派遣は10月29日に成立した「米軍戦争支援特別措置法」に基づく派遣命令によるものであるが、政府・内閣法制局がいかに誤魔化そうとも、この戦時派遣が憲法九条の禁止する「集団的自衛権の行使」であることは誰の目にも明らかである。
 また本来、シビリアンコントロールの主体であるべき立法府自体が、自衛隊の作戦行動開始後に策定された「基本計画」を唯々諾々と承認するというあまりにも嘆かわしい事態は、日本の政治と社会が戦後半世紀かけて築きあげた「非戦平和国家」への希望を根底から打ち砕く「憲法九条の危機」であるとともに、この国の「民主主義の危機」でもあると考える。
 憲法論議を封殺するような卑屈なスマイルで「そこは常識的に考えてくださいよ」という首相、小泉純一郎。これが、グローバライゼーションの猛威のなか、天皇制ナショナリズムだけを唯一にして最後の砦としながら対米従属路線を突っ走るポピュリズム政治家の正体なのである。そして今、小泉らによる静かなクーデターが進行しているように思えてならない。
 90年代、ここに至る流れを懸命にくい止めようとしてきたのが、湾岸戦争を契機としたPKO派遣阻止闘争、違憲訴訟等を含めた九条護憲運動、沖縄及び「本土」の反軍・反基地闘争、従軍慰安婦問題など戦争被害者を支援する運動、つくる会教科書を教育現場に持ち込ませない運動など、様々なかたちで連帯した民衆の闘いであった。重要な闘いであり、粘り強く闘い続けてきたからこそ、いまだ訴える力を持ちつづけている。それでも今、ヤツらに好き勝手やられているのだ。
 10年後、20年後、30年後に、ふり返って今日をみたとき、「あの時点ならまだ引き返すことができたのに…」ということにならないためにも、いま私たちになにが必要なのか。小紙151・152合併号でインタビューした辛淑玉さんの言葉をかみしめたい。
「3割の人間がいかに共同行動をとれるか。いち早く3割を組織化できるかが勝負で、その後はアッという間に全体が変わるんです」
 あきらかに後戻りしはじめた時代のベクトルを軌道修正させるための、これまでに数倍する闘いを、それぞれの地域、職場で展開していこう。
 そして私たち、ベ平連、全共闘はもちろん、学生運動も知らない世代は、これまでの運動の経験と知恵をどんなかたちで受けつぎ、同世代の3割の共感を得られるような運動を創っていけるのか。そのうえで、世代間を貫く大きな流れを創っていけるのか。
 「うらが」出航を眼前に、自問自答した。

                                                  大島 正裕(編集委員)


いずみ

 12月1日以降、日本列島は皇太子妃の出産一色に染まっている。昭和天皇の死去でその存在を知った「記帳」なるものに、人びとが殺到している。
 1日のテレビなどはゴールデンタイムというのに、いやそれだからだろう、全局「皇室アワー」にジャックされた。ACT編集委員会から帰ったばかりで疲れきっていたので頭を使わなくてもすむテレビを点けると、このしまつだ。頭は使わなくてもすむが、リラックスするどころかストレスがたまる一方だ。
 苛立ってチャンネルを変え続けると、あったではないか。ジャックされていない局が。関東ではテレビ東京、関西ではテレビ大阪と呼ぶ局だ。この局は安あがりにいけるからだろう、いつも売れないタレントを使って食い物巡りをさせているが、この日も「お鍋特集」をやっていた。
 いつも同じ感嘆符しか言えないタレントのアホ面みても何の面白味もないが、いつも同じスマイルしかしない雲上人の、たかが出産をバカ騒ぎし、これでもかとばかりに見せつけられるよりは精神衛生上いいにきまっている。
 記帳に殺到し、マスコミのインタビューに「良かったですね。暗い御時世に明るいニュースはうれしい」と一様に応える。商店街は提灯で飾り「御出産セール」で浮き立っている。この国の善男善女は例外なく天皇家の繁栄を慶び天皇制に自己同一化している姿が、巧まずして演出されているのだ。
 この国の支配階級たちは、男子出産を願っていたにちがいないが、いち早く皇室典範改定にとりかかり、「男女共同参画時代」の目玉商品にしようとしている。新世紀にふさわしい天皇制は、女帝づくりからというわけだ。
 失業者が巷にあふれ、リストラは明日の我が身と人びとは怯えている。戦争と飢餓で毎日数万人が殺されている。酸鼻で醜悪、明日をも知れぬのが世界の現実であり、権力政治の実態である。小泉首相は「優美で上品、おおらかな天皇家」と讃美することで、天皇制で現実を覆い隠そうとしている。構造改革すべきはこれだ。

                                                         小寺山康雄 


店・モノ・活動を‘ECOひいき’!!

 ACTの名物コーナー「ECOひいき」に登場してくださるみなさんを募集しています。「ECO」なお店、会社、グッズ、運動、などを是非、ACTで紹介させてください。自薦・他薦は問いません。紹介文は、本紙だけでなく、ACTのウェブサイドにも掲載させていただきます。
 @お店・グループ名 Aお店の紹介や商品説明、活動案内(500字以内) B連絡先(お店などの場合、「行き方」も) C執筆者氏名 D掲載紙送付先・原稿に関する問い合わせ先 ―を明記し、EメールかFAX、もしくは郵便でACT編集部[act@jca.apc.org]までお送りください。地図・写真などを添付していただければ、それも一緒に掲載いたします。(編集部)


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