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『ACT―市民の政治―』138号(2001年1月22日)

Line Up

  ◆辛口レビュー 美術とジェンダー 金谷範子さん(美術家) 
  ◆CATCH UP   ◆いずみ(編集長コラム)
  ◆〈辛口レビュー関連〉
    金谷流アート論「“芸術は永遠です”っていうのは嘘です」 
  ◆12・25 ジュゴンをまもれ 報告・交流会
  ◆徳島市長選―本田耕一郎市議が立候補
  ◆東京スタジアム問題 税金370億円で買い取りへ
  ◆「花岡事件」和解成立の意味
  ◆末端私論
     135号のF・Y氏へ−自治労運動の末路見る思い
  ◆阪神大震災から6年、検証本が話題に
  ◆かわたなつみの英国Eco留学日誌 @緑のキャンパス
  ◆ウィメンズアート「越境する女たち21」展
  ◆徳島県木頭村 3セクを警察が不当捜査
  ◆知っていますか? なぜ女性野宿者は少ないか
  ◆「市民が選ぶ市長候補」プロジェクト    井坂信彦(神戸市議)
  ◆「虹と緑」第4回政策研究会in佐賀
  ◆市民派議員リレートーク  漢人明子(東京都小金井市議)
  ◆ECOひいき
     @広島・ほっとルーム楽々房 A東京・ぐらする〜つ池袋店
  ◆経済ウォッチング(11) ヘッジファンドの出番
  ◆韓国あれやコリア(最終回) アカスリとキムチと
  ◆BOOK Review 『ニューポリティクスの政治学』
               賀来健輔・丸山仁 編(ミネルヴァ書房/2800円+税)
  ◆広告(3面)  『創』1・2月号ほか……創出版
            『軍縮』2月号……宇都宮軍縮研究所
            『QUEST』NO11……オルタフォーラムQ
            『環境社会主義と労働時間短縮』……労働者の力社


辛口レビュー

美術とジェンダー
 金谷 範子さん
(美術家)

美にも男性中心の眼差しが支配

自分らしい生き方求めて
表現通し固定概念を打破


金谷範子さんプロフィール
かなや のりこ 1949年富山県生まれ。現在、新潟県上越市に在住し、画塾を開いている。新潟大学教育学部美術科卒業。上越教育大学大学院美術コース終了。75年からほぼ毎年上越市・大島画廊や新潟市・アトリエ我廊で個展開催。この10年ほど、マグニチュード展、新潟現代美術点展、感動創造美術展、富山国際交流展、「新潟の美術」展など各種グループ展にも出品。上越市男女共同参画を推進する会副代表、上越市男女共同参画基本計画策定委員、新潟県文化策定プラン策定委員等、男女共同参画社会めざして奔走。「パブリックスペースにおける視線の支配」等論文も発表する一方、情報公開や水道水源保護の市民運動にも参加。
                                                             [構成/前山忠]


 新年合併号1面の写真コラージュを制作いただいた前山忠さんから「ACTは芸術の匂いがしない」とのご指摘を受け、その前山さんの企画で、今号辛口には、新潟を拠点に活動をされている美術家の金谷範子さんにご登場いただきました。現代美術を通して見えてくる「ジェンダー」や「日本社会」などについて伺ってみました。(編集部)

―金谷さんが現代美術を始められたきっかけは、何だったんですか?

 25歳頃まで、描くということに自分のアイデンティティーというか、自分を表現することの喜びみたいなものを感じていました。いわゆる近代美術的な普通の静物画みたいなものをずっとやってたんです。でも、ある程度までやった時点で、思うようなものを全然表現しきれてないな、という渇望感みたいなものに変化していったわけね。
 それで、いったん今までの思考を停止して、違う価値観でもう一度自分の立て直し…というか裸の自分にならなくちゃいけないと思ったの。そのとき出会ったのが自由な抽象表現―いわゆる現代美術。それが大きく自分を転換させましたね。

―女性として美術をやることに、抵抗とか壁とかを感じることはありませんか?

 大学までは、一般教養レベルの美術だったと思うのね。だから社会的な容認はあるわけ。「◯○さんは絵を描くんだって」「いいわね」みたいな感じで、親も地域社会も教育の一環みたいなものとして奨励するんですよ。
 ところが、結婚して社会の体制の中に入ったときに、結婚している女性、そして妻や母親である女性が美術をやってることは、社会のなかでは叩かれるんです(笑)。
 この辺の人ってびっくりするようなこと言うの。「あなたそんなことやってて、お子さん育ってらっしゃるの」とか「宿題見なくていいの?」「家庭生活は大丈夫?」とか。夕方会うと「家に帰ってご飯つくる時間じゃないの?」だって(笑)。女性作家というのは社会から歓迎されない存在なんだなと思いました。

  ―ああ、奇異の目で見られちゃうわけですね?

 そうそう。それは嫁姑の関係もそう。姑にとって私はあくまで息子の生活の世話をする「嫁」なわけ。私は次男と結婚したから別居してるけど、子どもたちが祖母のところへ行って騒いだりすると、「あなたがそんなことやってるから、しつけが良くできていないんだ」って、一極集中私が非難されるのね。
 ところが、かつての農村社会のように出かかった杭は叩くんだけれども、杭が本当に出ちゃうと今度はカリスマ的に見られて、「あなたって偉いのね」って。「家庭もやり、お子さんも育てながら一生懸命続けていらっしゃるあなたは偉いわ」みたいな感じ。手のひら返したように(笑)。

―あなたを周りが認めてきたというのは、社会や時代の変化もあるだろうし、やっぱりめげずに美術を続けちゃったということですかね。

 継続しかないと腹をくくった時点があってね。もちろんやっていくだけの覚悟と根性は必要ね。
 自分が30から35歳位のとき、悩んだ時期がありました。自分自身も社会も自閉してるし、画塾に来る生徒さんも自閉してる。これらの背景には日本の特殊な美術構造があって、さらに突き詰めると美術が持つ制度みたいなものに突き当たるのね。私たちは制度の中で生きたり仕事したりしているわけだけれど、それがすべて幸福を与えるかというとそうではなく、人びとをも私自身をも呪縛しているところがある。それで、それを現代美術という表現方法を通して多少なりとも闘うという覚悟に至ったのね。
 それからは市民活動にも関わって、市民課に押しかけ情報公開条例つくらせたり、ゴルフ場に反対して水道水源保護条例制定まで闘ったりしました。最近は、男女共同参画の社会めざしていろいろ会を立ち上げたりしています。

 ―自分の生き方というか格闘が、即、男女平等への一つの実践でもあるわけですね。

 女性アーティトといっても一市民なんですよ。作家以前に、自分が市民として何ができるだろうかというのが、私自身の基本的なコンセプト。必要なことがあれば、それはやらなくちゃいけない。「作家だから絵だけ描いていればいい」ということではないのね。より広く活動することで自分を試し、その中で自分が表現をしている人間だという位置付けをしてるんですよ。

 ―最近、美術やアートが、今の閉塞状況といわれている文明社会を突破していく重要な一つの力たり得るんじゃないかという考えが出てきていますが、表現活動をしている立場から、アートの可能性についてどう思いますか。

 自分もこの稼業をやってるから、可能性としては明るい将来を期待しています。でも、一方で、アートってすごく無力なんじゃないかなっていう気持ちもありますね。アートの機能、私も作家も美術館もギャラリーも、現実の社会問題に対してどれほど解決能力を持っているんだろうか。最近つくづく思うのは、私って美術には能力無いんじゃないかしらって(笑)。もちろん希望は捨ててないわよ。

 ―自分とアート、アートと社会について、どう考えていらっしゃいますか?

 これから自分がどう生きていくか、つまりどう制作をしていくか、作家としてどうシフトしていくかですね。
 自分が今まで造ってきたこと考えてきたことなどは、自分の今後を決定していくための基礎的な思考回路、重大な決定要因なんですが、どんなに苦労して新しい価値観を生み出したり作品を制作しても、いったん創り出したものはすぐ制度化されちゃうんですね。そうすると次にそれを少し解体し、ずらしながら、新しい組織が再生するように自分の中で自分自身を上手く展開させていかなくちゃいけないの。それは多少痛みも伴うのですが、それは誰も同じ。だけど、じゃあこれをやめるかといったらやめられない。 常に壊しつつ自己再生していくしか仕様がないんです。


いずみ

 劣化ウラン弾がいまごろになって問題になっている。1月10日開かれたNATO対し理事会で、イタリアが使用凍結を求めたのに対して米英が反対し、会議は紛糾した。
 劣化ウランとは、核兵器や原発燃料のウラン235を抽出した残り滓で、低レベルの放射能を含んだウラン238のことである。比重が鉛の1、7倍、鉄の2、5倍もあって重いため、砲弾や弾丸の芯に使うと、戦車や建物の厚い鉄板やコンクリートを貫通する高い性能を持っている。
 米軍は70年代から製造してきたが、91年の湾岸戦争で初めてイラク軍に、次いでボスニアヘルツェゴビナでは、セルビア軍に対して使用してきた。いわば、「ならず者国家」と、その国の兵士、市民に対して新兵器の殺傷破壊能力をはばかることなく実験してきたのである。
 湾岸戦争では、帰還米兵に大量の白血病が発生し、使者もかなりの数にのぼった。旧ユーゴでの戦争では、それが欧州人兵士に広がった。これまでにイタリア6人、ベルギー5人、フランス4人、ポルトガル3人が白血病視している。
 コソボでは3万1千発、イラクにはその数倍が使われた。この数値からすると、白血病の死傷者数はとるに足りない数に思えるかもしれない。米英が「因果関係はない」と強弁するゆえんである。
 視点を変えると、米英のサギ的論理がすけて見える。安全防具をつけ、安全地帯にいる攻撃側でこの数である。無防備で直接被弾したイラク、ボスニアヘルツェゴビナ、セルビア、コソボの、とりわけ市民の被害は計り知れない。イラクでは数万人が白血病死しているとの説もある。
 使用凍結を拒否した米英は、因果関係の調査すら拒否した。調査によって、「人道のための戦争」が、いかに非人道的結果をもたらしているかが暴かれるからである。
 欧州で劣化ウラン弾と白血病の因果関係を調査し、使用禁止を政府に働きかけたのはイタリアの市民団体である。コソボの空爆を支持した欧州緑は、真摯に反省し、真相究明すべきである。

                                          小寺山康雄


ECOひいき

ほっとルーム楽々房 (広島)
 *くつろぎの空間*

 「みんなで楽しくお料理して食べる」というコンセプトで「フードアトリエ楽々房」を始めて4年半。自然の恵みに感謝して、心を込めてつくった食事を通し、心も体もリフレッシュ。命の根っこでつながった仲間もたくさんできました。
 食≠大切にした生活をしていると、心のメッセージ、体の声が聞こえてきます。体に不調を感じたとき、食の工夫とともに、人に頼らず、薬に頼らず、ものに頼らず、自分自身と対話しながら体を整えていく術を知ること学ぶこと、実戦することはとても大切なことです。
 快医学(操体法・温熱療法・LETなど)、整体、気功、ボディトーク、ケイシー療法など少しずつ学びながら自分の体に落とし込んでいくと、疲れを癒し、快方へと体調を整えることが簡単にできるようになりました。ときにそれは、「自分ひとりで」ではなく、家族や友人、回りの人と一緒にし合うことでより深く心身を健やかにすることができます。そんなことを伝える快の輪≠ひろげていきたい、ほっとくつろげる空間でホットな気持らになれる時間を、より多くの人共有し合えればと願い、新たに『ほっとルーム楽々房』を開設することになりました。
 体ほぐしのレッスンほか、ヘナ、カラーコーディネート、ヘルシークッキング、アロマテラピー、ヨガなどの教室も開いております。お問合せ・ご予約は角田まで!

                                             角田真理子

【連絡先】広島県呉市中央2−2−12−502
        TEL 090-8606-7612/FAX 0823-21-1026

 

ぐらする〜つ池袋店 (東京)
 *お吸い物でボランティア*

 “お買い物をするだけで国際協力”―ぐらする〜つはそんなお店として1995年にNGOと有志によってつくられました。
 「ボランティアってどうやってはじめたらいいんだろう?」「国際協力??」そんな方が多いのではないでしょうか? 外国に井戸掘りに行かなくてもできる国際協力があるんです。
 ぐらする〜つの商品はすべてフェアトレードによって取引されています。フェアトレードは公正な貿易、生産者の自立支援を目的とした取引です。店内には約30ヵ国からきた、有機栽培の紅茶、コーヒーを始めとした食品、楽器、衣類、アクセサリーなどめずらしいものが盛りだくさんです。
 なかでもピープルツリーのチョコレートは大人気でボリビアの小規模農家でつくられたカカオとフィリピンの黒糖を使ってスイスの家庭工場で生成されています。味は六種類。200円から。バレンタインデー用に、ご自分用に、こんなボランティアチョコはいかがですか?

                                             鈴木真奈美

【連絡先】東京都豊島区東池袋3-1-3サンシャインシティワールドインポートマート5階
        *03-3987-8482(FAX兼)


店・モノ・活動を‘ECOひいき’!!

 ACTの名物コーナー「ECOひいき」に登場してくださるみなさんを募集しています。「ECO」なお店、会社、グッズ、運動、などを是非、ACTで紹介させてください。自薦・他薦は問いません。紹介文は、本紙だけでなく、ACTのウェブサイドにも掲載させていただきます。
 @お店・グループ名 Aお店の紹介や商品説明、活動案内(500字以内) B連絡先(お店などの場合、「行き方」も) C執筆者氏名 D掲載紙送付先・原稿に関する問い合わせ先 ―を明記し、EメールかFAX、もしくは郵便でACT編集部[act@jca.apc.org]までお送りください。地図・写真などを添付していただければ、それも一緒に掲載いたします。(編集部)


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