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『ACT―市民の政治―』135号(2000年12月11日)

Line Up

  ◆辛口レビュー
     在日外国人に参政権を 李英和さん(在日党代表)
  ◆CATCH UP   ◆いずみ(編集長コラム)
  ◆〈辛口レビュー関連〉諸外国の在日外国人の選挙権・被選挙権の付与状況
  ◆告知―12月8日〜12日 女性国際法廷開幕
  ◆原発立地地域特措法成立に抗議!
  ◆第12回多田謡子人権賞発表 「日の出の森・トラスト運動」ほかが受賞
  ◆ニュースの焦点  世紀末国会総括
  ◆在日慰安婦裁判高裁判決
  ◆介護保険がやってきた(7)
  ◆《不定期連載》OLのつぶやき
  ◆末端私論
      134号・藤沢純一氏の抗議へ
  ◆広域化で奪われる民主主義〜ごみ処理をめぐる国の思惑〜(2)                               山本節子(ジャーナリスト)
  ◆かわたなつみの英国Eco留学日誌 番外Bハーグ環境アクション
  ◆衆院憲法調査会 阿部知子議員vs石原慎太郎都知事
  ◆尼崎・YOUNG+PEACE=ピースストリート
  ◆市民派議員リレートーク(19) 秋田敦子さん(仙台市議候補)
  ◆ECOひいき @広島 カントリーグレイン  A香川 セカンドハンド
  ◆経済ウォッチング(10) 問われる「ものづくり」観
  ◆欧州短信 フランス緑の党―ツールーズ大会
  ◆BOOK Review 『“奪われ紙未来”を取り戻せ』
               化学物質問題市民研究会 編(リム出版社/1800円+税)
  ◆広告(3面)  『創』1・2月号ほか……創出版
            『軍縮』1月号……宇都宮軍縮研究所
            『たたかう女性学へ』ほか……インパクト出版会
            『環境社会主義と労働時間短縮』……労働者の力 


辛口レビュー

在日外国人に参政権を
 李 英和さん
(在日党代表)

労組も部落解放同盟も
市民も国会に大行進を

金持ち国より人権先進国であれ


李英和さんプロフィール
リ ヨンファ 1954年在日朝鮮人三世として、大阪府堺市に生まれる。府立堺工業高校卒。溶接工として働きながら、関西大学夜間部に入学。在学中は反スターリン主義のノンセクトラディカルズとして活動するも、民青との激突で、所属していた朝総連系の留学同を除名される。関大卒業後、就職浪人で院生。運良く関大経済学部の助手に採用され、現在助教授。91年朝鮮民主主義人民共和国に留学。「北」の実状をつぶさに見て、93年6月、RENK(Rescue The North Korean People!Urgent Action Network―救え!北朝鮮の民衆!緊急行動ネットワーク)を結成。92年に、「在日」の参政権を勝ちとるべく在日党結成。著書に『北朝鮮秘密集会の夜』(文春文庫)、『朝鮮総連と収容所共和国』(小学館文庫)、訳書に『北朝鮮不良日記』ほか。 [構成/小寺山康雄]


 ―韓国に行かれたそうですが、李さんが行けるようになったのも時代の流れですね。

 そうですが、ビザがおりないときもあります。私は「北」にとって「不穏分子」ですから(笑)。「北」と友好関係をつくっていこうとする金大中政権が遠慮して、ビザをおろさないこともあるのです。

  ―なるほど。国際政治の複雑な絡み合いが、一市民の旅行・往来の自由も制限するのですね。それも含めて李さんはRENK(プロフィール参照)の活動もアピールしたいと思いますが、今日はそれについては禁欲していただいて(笑)、「在日」の参政権に絞ってお話を聞きたい。その前に韓国に行かれて、どんな感慨を覚えられましたか?

 韓国については、わたしのやることはないな、と思いました。これからも紆余曲折はあるでしょうが、あれだけたくましくしたたかに生きている民衆、そして在野の運動を見れば、わたしの出る幕などありません。なんといっても、人びとはちゃんと食っています。「北」との決定的な違いがそこにあります。
 わたしは「北」と「在日」の運動に全力を注げばいいのだ、と確信しました。

 ―在日外国人の参政権問題は、来年の通常国会以降に持ち越されました。今世紀中に解決しなかったのは誠に残念です。

 まったくその通りです。すべては自民党に代表される日本の保守勢力のアナクロニズムに責がある。
 “加藤の乱”を総括した山崎拓は、こう言っています。「参政権問題で自民党は分裂すると読んで、それに賭けた」と。山崎も加藤も参政権付与に反対です。彼らは、政争の具に使おうとしたのです。“乱”が成功していても、それによって何かが変わったとは思えない。
 国会議員は時代の趨勢、世界の大勢から大きくとり残されているのです。もし今、国民投票やれば、絶対勝ちます。

 ―ええ? 国民投票で勝てますか?

 勝ちます。わたしは92年に在日党をつくって運動してきましたが、これまで五つの選挙区で参政権をアピールしてきました。大阪を手初めに、東京・北海道・高知・沖縄で「立候補」し、外国人にも参政権をと訴えてきた。いずれも反応が良く、確かな手応えを感じました。
 北海道は「在日」より熊の方が弱いといわれているのに(笑)、びっくりするくらい反応が良かった。それに比べ、沖縄の反応は期待していたより鈍かった。基地問題など参政権より切実な問題を抱えているからだろうと、自分自身を得心させました。同じことはアイヌの反応にも言えます。エスニックマイノリティという同じ境遇におかれているのにと、悲しかった。

 ―反応の鈍さはマイノリティのなかの序列意識からきているのですか?。

 そうは思いません。わたしの説得力が及ばなかったのです。反応が良いのは若い世代と女性です。女性には、あなた方も戦前は参政権を奪われていた。私たちの気持ちが分かるでしょうと訴えた。
 まるであかんのは70代以上の男です(笑)。この世代の男は、骨の髄から朝鮮人嫌いです。人参の嫌いな子どもに人参の効用を説いても絶対食べないでしょう(笑)。それと同じで、論理でなく生理です(笑)。

 ―理解を示す最大の理由は何ですか?

 外国人も税金払っていることを知っているからです。
演説中におっちゃんが「お前ら税金払っていないのに生意気だ」と、からんできた。「払うとんで」と言うと、わかってくれた。政府もマスコミも、なぜかこのことを積極的に知らせようとしない。
 もちろん石原慎太郎や桜井よし子に代表されるウルトラナショナリストもいます。でも、この人らの居丈高な発言は消えかかったローソクの火が、最期に一瞬燃え盛るようなものです。

 ―石原慎太郎ら国家主義者は、参政権欲しければ国籍とれと言っています。「初めに国家ありき」なんですよね。

 桜井よし子は、外国人に参政権与えれば、国が亡ぶと言っています。参政権与えなくても国が亡ぶときは亡ぶ。国籍条項楯にするが、永住権さえ容易にとらせず、帰化条件も厳しいのに、タメにする議論です。
 21世紀には、否が応でも外国人労働者に頼らねば日本経済は成り立たない。3K労働は、誰が担うのですか。アジアからの出稼ぎ労働者ですよ。彼らは帰化しないが、日本に定住して税金も払う。多民族国家になるのは時代の趨勢です。多民族国家・共生社会にとって参政権は不可欠です。

 ―参政権も植民地問題も今世紀中に解決しておくべきだったのに、来世紀に持ち越した。でも、李さんが冒頭に言われたように、これらの問題解決は時間の問題でしょう。

 在日党を立ち上げたとき、この問題の解決は50年かかるだろうと思った。それが運動を始めて反応の良さに25年で解決できるかもしれないと思った。それが今や時間の問題になった。他のことではいざ知らず、この問題については日本人を見直したい(笑)。参政権を勝ちとれば、在日党は公約通り解散します。たとえ最初は特別永住者に限定されても、いずれ定住外国人全体に及ぶでしょう。

 ―この問題は、日本の民主主義と人権の根本に関わる問題です。すぐれて日本人の問題です。

 その通りです。わたしは差別されいじめられてきたから、「北」の民衆や世界中のいじめられている人びとのことに思いを馳せることができます。いじめの総元締というべき国家に対しては、いかなる国家にも抜きがたい反発・反感の念を抱いています。
 資本と権力、国家に差別され、いじめられてきた日本の労働組合や部落解放同盟はもう少し積極的にこの問題に取り組んで欲しい。1月国会に向けて、10万人規模の大行進が実現できないでしょうか。60年代アメリカの黒人とそれに連帯する白人の公民権大行進のように。
 権利は闘いとるべきものです。


いずみ

 李英和さんとは今回初めてお会いした。気さくな人で、ぼくの悪い癖である(と、かねがね妻にたしなめられている)「近いうちに飲みましょう」が、思わず口をついて出てしまったお人柄である。
 そろそろ北朝鮮の食糧難が日本のマスコミでも報道されだした頃、労働党の招待で訪朝した人が得々と語るのを聞いて唖然としたことがある。「食糧に困っているどころか輸出するくらい余っている」と、この人は言うのだ。
 たぶん連日連夜のご馳走攻めで、この人の脳みそには血が回らなかったのだろう。外貨を稼ぐ工業製品の競争力が低いから、食う物を減らしてまで農産物を輸出していることに想像力が及ばないのだ。それだけなら鈍感だけが罪になるが、この種の人たちは現存社会主義にまったく無批判であるから、正真正銘の反共主義者に容易に論理矛盾を衝かれ、降参してしまう。ひいきのひき倒しである。
 そうかと思うと、昨日までわたしのような確信犯も白けさせてしまうほど現存社会主義に思い入れの激しかった人が、今日は親の仇に対してもかくやと思うほど社会主義に憎悪をたぎらせるのである。昨日までの社会主義天国論と今日の社会主義地獄論との間には猫の一跨ぎの差もない。
 一見、対照的に見える両者であるが、共通しているのは社会主義について理論的、思想的にいいかげんであることだ。いいかげんだから現存社会主義についての情報が容易に入手可能になっても、それを咀嚼し、理論的に再構築できない。感情的につっぱるか坊主ざんげしてしまう。
 朝鮮民主主義人民共和国の人民は餓死寸前の危機的状況におかれている。また、民主主義と人権がなきに等しく、全土が「収容所国家」化している。なぜ、そうなったかについては、北朝鮮にとどまらず現存社会主義がなべて採ってきた原始的資本蓄積過程とそれに付随する専制的支配の有様をときどきの国際情勢をふまえながら検証すべきだ。併せて北朝鮮特有の歴史的、構造的検証も必要だろう。
 李英和さんと次にお会いするときには、こうした論議もしてみたい。 

                                          小寺山康雄


ECOひいき

カントリー・グレイン (広島)
 *国産小麦の天然酵母パン*

 国産小麦、天然酵母でパンを焼きはじめて11年。当初、広島市内でオープンしましたが、水道水ではせっかくの良い材料が生かされないと感じ、水の郷、広島県の中央に位置する福富町に工房を移転した。
 「おいしくて安全な食の提案」ということで、田舎に移住したわけだが、周りを見れば休耕田が目について仕方がない。そこで、麦を植えてみようと考え、とりあえずどの品種がこの地に合うか、パンになるかと、遊び心で各地から取り寄せた種子を植えてみた。そして5年。南部小麦とハルユタカ、鴻の巣25号などに落ちついている。
 石臼で全粒を粉にしてつくれることで差別化を図ることができた。そして何よりうれしいのは、荒れ始めていた土が、回復してくれたこと。
 山里にあるパン屋を、最初は皆変人のようにみていたらしいが、あれから10年、都市からのお客様は増えている。
 パンの販売の一方で、一年かけて麦植えからパンづくりまでを体験できる「麦麦クラブ」を主催。パン教室や国産小麦・天然酵母で焼くパン屋さんを養成する塾なども開催している。
 また、パン工房に併設した穀果菜の全体レストラン「把雲里」は、民家のたたずまいの中で、ゆったりと心も体もリラックスして召し上がっていただけるスペース。地元の新鮮な安全野菜と自然農法産の玄米をお出ししている。

【連絡先】広島県賀茂郡福富町下竹仁225-2
       TEL 0824-35-2326 FAX 0824-35-2480
【行き方】広島国際空港からレンタカーで40分。
      JR山陽本線西条駅からバスで40分。

 

セカンドハンド (香川)
 *チャリティーショップ*

 一般の皆さまから無料提供されたものを販売し、その収益金をすべて援助に充てるというシステムのお店です。店舗や倉庫は無料で借り、小学生から大正生まれまで幅広いボランティアスタッフで運営しています。現在高松市に倉庫2カ所と2店舗、福岡市に1店舗あるほか、岡山市、川口市、大阪府、釧路市などで支部活動を行っています。
 94年から活動をはじめ、これまでにカンボジアに小学校を6校8棟建設支援しました。96・97年には香川県内で集めた足踏みミシン101台を、地雷による障害者や女性の自立を支援する団体に寄贈し、そこでつくられたクラフト品を自立支援のために定期的に購入・販売しています。クメールシルクと呼ばれるカンボジアの絹を使ったバッグやポーチ、テディベアは人気商品です。そのほか、竹や椰子を使った素敵な商品がたくさんあります。ご希望の方は発送も承りますので、お問い合せ下さい。
 また、支援先のカンボジアには、毎年スタディーツアーを実施し、事業の視察、ホームステイなどによる交流を行っています。
 商品を提供することも買うことも働くこともボランティアになるので、誰もが気軽に国際協力に参加できます。「物余り」社会を見直すだけでなく、「リサイクルで国際協力」ができるユニークな活動に、あなたも是非参加してみませんか? 全国どこからでも参加できます。
 一人一人の力は小さくても、集まれば大きな力になります。あなたの「第二の手」での支援をお待ちしています。
 まずはお気軽にお問い合せ下さい。

【連絡先】香川県高松市瓦町2-6-13
      TEL 087-861-9928(FAX兼)
      Eメール 2nd-hand@eskimo.com
      URL http://www.eskimo.com/~2nd-hand/


店・モノ・活動を‘ECOひいき’!!

 ACTの名物コーナー「ECOひいき」に登場してくださるみなさんを募集しています。「ECO」なお店、会社、グッズ、運動、などを是非、ACTで紹介させてください。自薦・他薦は問いません。紹介文は、本紙だけでなく、ACTのウェブサイドにも掲載させていただきます。
 @お店・グループ名 Aお店の紹介や商品説明、活動案内(500字以内) B連絡先(お店などの場合、「行き方」も) C執筆者氏名 D掲載紙送付先・原稿に関する問い合わせ先 ―を明記し、EメールかFAX、もしくは郵便でACT編集部[act@jca.apc.org]までお送りください。地図・写真などを添付していただければ、それも一緒に掲載いたします。(編集部)


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