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『ACT―市民の政治―』132号(2000年10月23日)

Line Up

  ◆10・11日の出トラスト 東京都が行政代執行
                  暴力的に奪われた共有地
  ◆CATCH UP/いずみ(編集長コラム)
  ◆再検証JCO臨界事故(下) 山崎久隆(たんぽぽ舎)
  ◆臨界事故から一年・東海村現地集会  松丸健二(東海の会)
  ◆9・25シンポジウムin一橋大
          国立第二小事件から考える「日の丸君が代」
  ◆国労闘争Q&A(3) 国労本部はなぜ変節してしまったの?
  ◆末端私論 「国労問題Q&Aはひどすぎる」
  ◆ゲバ太の怒り!(9) 日本って何だ?
  ◆特集・大阪箕面市長・市議選―市民選挙ルポ
       藤沢純一市長候補・1000票差で惜敗
       藤沢さんへのエール
       牧野直子市議・増田京子市議の闘い
       箕面選挙激辛批評
  ◆市民派議員リレートーク(16) 山口たか(北海道札幌市議)
  ◆ECOひいき @東京・どぅたっち A島根・島根原発反対運動
  ◆旅 2000年の田舎(9) 秋の幸
  ◆韓国 あれやコリア(5) オリンピック今昔
  ◆BOOK Review 
    『イタリア・小さな町の底力』陣内秀信 著
                  (新潮社/1700円+税)
    『スローフードな人生!』島村菜津 著(講談社/1600円+税)
  ◆広告(3面) 『創』11月号ほか……創出版
           『軍縮』11月号……宇都宮軍縮研究所
           『青い空の記憶』『リアル国家論』ほか
                   ……教育史料出版会
           『水道水フッ素化批判・資料集』ほか
                   ……フッ素を考える新潟連絡会


10・11 日の出トラスト
東京都が行政代執行

共有地は暴力的に奪われた
この悔しさを忘れない

 10月11日午後4時、私たち「日の出の森・トラスト運動」権利者とその支援者30人はトラスト共有地をあとにした。夕闇が迫る中で「故郷」の歌声が森の木立に溶け込んでいく。この人がと思うような人が幼子のように泣きじゃくる。この悔しさをバネに、いつかまたこの森に帰ってくる。決意は皆の共通の思いだった。92年に発覚した谷戸沢処分場のゴムシート破損と汚水漏れ疑惑に端を発した日の出ごみ処分場問題は八年の長きを数える。この間のACT読者各位のご支援に深く感謝するとともに、石原東京都知事が廃棄物処分場に関して全国初の土地強制収用の行政代執行をおこなった、ここ数日間の出来事について報告する。 橋本 真一(日の出の森・トラスト運動運営委員/本紙編集委員
 

 トラスト運動は94年末に始まった。以来6年間、日の出の運動の一つの柱として、共有地を中心として様々な取り組みがなされてきた。とくに事業認定とその後の手続き、収用委員会の公開審理と裁決、処分組合の補償金払渡し、そして今回の東京都知事による行政代執行と、行政から矢継ぎ早にかけられる攻撃に、私たちはトラスト運営委員会を中心に一つ一つ丁寧に有効な反撃をしてきた。
 仲間内では冗談半分に「これが産廃処分場だったらとっくに業者が撤退しているね」と言われるが、行政は撤退しないどころか、運動をつぶすことが問題解決の唯一の道だと信じて疑わない。私たちの運動があるから処分場が危険なものになったのではなく、処分場が毒物のダムであり、周辺に汚染を撒き散らし、命と健康を脅かす公害発生源になるからこそ、私たちの運動が起こり、全国各地からの共感が寄せられているのではないか。石原都知事はこのことが解っていない。

不法かつ杜撰な代執行の実態

 さて今回の行政代執行は、端的にいって報道メディアを排除した上での暴力以外の何物でもなかった。そもそも行政代執行とは物件に対してのみおこなわれるべきもので、明け渡しはまた別の手続き、裁判による決定等が必要なのだ。しかし執行官たる東京都財務局は代執行とは名ばかりの杜撰なやり方に終始した。
 当初、責任者の橋本剛東京都財務局財産運用部長は、責任者であることを証明する証票の提示をなぜか拒んだ。用意がなかったのではないかとさえ思える。そして全ての実行行為は、いわば丸投げの形で処分組合に委託された。処分組合といえば、この事業をめぐって対立的立場にある利害関係人であり、即ち当事者である。いかに都からの出向者がその大半を占める身内とはいえ、常識はずれである。
 その処分組合がまた、「西東京セキュリティサービス」なる民間警備会社を使い、しかもアルバイトの若者を大量に動員し、私たちを強制排除させた。警備業法からして、警備会社が住民運動に介入することなど許されない。しかも大半が訓練も受けていない血気にはやった若者たちだ。中には反対派を殴ってもいいと煽られてその気になっていた者もいたという。興奮すれば何をするかわからない、そんな状況で、強制排除がおこなわれようとしていた。

この地を安全で無害な森に還す決意あらたに

 その心配は、2日目に現実のものとなった。1日目は、こちらの人数が多いこともあり都は様子を見たようだが、2日目は強制排除に踏み切るとマスコミ等を通じて圧力をかけてきた。午前中は証票提示の要求を受けざるを得ず、次いでこちらからの申入書の検討など気勢をそがれた様子だったが、午後1時を待たずに強攻策に転じてきた。もっとも、それまでも説得とは名ばかりの「代執行中です。危険なので退去してください」の一点張りで、取り付く島など全くなかったのだが。
 強制排除には警察力を使うだろうと思っていたが、先に述べたような状況で、非常な危険が予想された。私たちの決断は、一定の時間を確保し集会を開き言うべきことを言った後、衝突を避けて退去する、であった。
 決して、都側が言うように「説得に応じて自主的に退去した」のではなく、まさに断腸の思いで、そしてまた必ず帰って、この地を安全で無害な森に還す決意を確認して、やむなくトラスト共有地を後にしたのである。
 この選択の当否は、私たちの今後の運動如何に関わってくる。もしここで運動が終わってしまえば単なる「敗北」でしかない。しかしこの事実を全国に発信し、行政の不当を正す大きな運動の第一歩にすることができれば、私たちのこの悔しさは、大きな成果として花開くことだろう。

一段と遠ざかった話し合いの道

 ともあれ、行政代執行は13日深夜、「風の塔」をクレーンで吊り上げ搬出した後、終了宣言がなされた。その過程すべてにおいて秘密主義が貫かれ、権利者は徹底的に無視された。話し合いの道は、また一段と遠ざかった。
 しかし、私たちはあきらめない。ごみの問題は話し合いを基礎にした、政策転換という政治的解決しか方法がないからである。その意味で、今回のことを教訓とすべきだという論調は、マスコミ各社共通のものとなっている(『毎日』11日付社説、『東京』13日付社説、『朝日』16日付社説)。これを大きな世論に高めていくことが私たちの今後なすべきことだろう。希望はそこに見えている。
 最後に付け加えておくと、石原都知事が小笠原でスキューバダイビングを楽しんだ後に発したコメントは絶対に許すことができない。「ああいうちゃちな反対のための反対運動をやったって」云々という言い草は、自分の品性の低劣さをことさら浮き彫りにする発言で、そのファシスト体質、愚民思想への手痛いしっぺ返しが遠からずあるだろうことは確実である。


いずみ

 長野県知事選に田中康夫が勝った。それも大差である。
 県議62人中57人、120市町村長のほとんどと3500の業界団体・各種団体の推薦を受け、40年以上にわたって県政を思うがままに操ってきた政官業の統一候補はなす術もなく惨敗した。
 告示3週間前に立候補表明したのに、あっという間に勝手連が百をこえ、県下随一の銀行頭取、商工会議所会頭までが公然と田中支持を表明した。県議は池田支持なのに、民主、公明、社民は党としての態度を明確にしえず、自主投票に追いやられた。この時点で田中の勝利は事実上確定したといえる。
 田中は街頭で政策らしい政策は訴えず、ひたすら自由にものが言え、透明で市民に開かれた県政を、と唱えたにすぎない。
 もっとも池田のほうは街頭では名前を連呼するだけで、ひたすら業界や団体を廻っていただけだ。橋や道路を造って恩を売り、税金で選挙運動しているようなものだから、裏口を廻るほうがお似合いなのだ。有権者はそんな県政を刷新するべく田中を支持したのである。
 田中の作家としてのウリは女性関係を赤裸々に描くことであるが、それが不道徳だとして攻撃された。田中は税金や賄賂で女性と遊ぶほうがはるかに不道徳だとやり返したが、40年以上も官僚が知事の椅子をたらい廻ししてきたことや、オリンピック招致運動の使途不明金の証拠書類を焼却してしまったことは道徳的なのかと言ってやれば、もっとよかったのだ。
 佐高信によれば、左から右に揺れる人間は掃いて捨てるほどいる時代に、田中は右から左に移った珍しい人物だ。「放蕩息子が不惑を過ぎて、すこしは社会に目覚める。でも典型的な資本主義の申し子だから、ブランド物着てワインを飲むヨーロッパの左翼はすごい」と思うのが田中康夫である。なかなか面白い人物だと、左翼も思うのである。
 でも田中知事に期待しすぎないほうがいい。期待するとすれば、市民が被災し、行政代執行をかけられているのに外国のホテルや海に遊んで恥じないほど不道徳な男ではないことである。

小寺山康雄


ECOひいき

どぅたっち (東京)
 *駒込で琉球を買う*

  沖縄の自然が育んだ、健康食品やまーさむん(美味しいもの)、人びとがご先祖から受け継ぎ、引き継ぐ文化・工芸そして文化表現……そんな豊かな沖縄と周りの島々の特産物が、この小さな店に溢れさせたいと思っています。
 沖縄直送、新鮮でとってもおいしい島どうふ、ゴーヤー(ニガウリ)、ナーベラー、パパイヤ。沖縄でしか手に入らない味―ミミガー、皮つき三枚肉、ソーキ、てぃびち、ちきあぎなどは冷凍やレトルトパックで。そしてお馴染みの、沖縄そば、ジーマミドーフ、黒糖菓子、工芸品、琉球ガラス、シークワサー、ウッチン茶、健命一番茶、ポーク、マース、純黒糖ブロック。さらに石垣島のモズク(塩蔵)、深層塩、健康酢(命どぅ宝)などなど…。
 琉球のたくさんの宝物が、みなさまに喜んでいただけるようにと願っています。

【連絡先】東京都豊島区駒込2-14-7
      TEL 03-5974-1333
【行き方】山手線駒込駅東口徒歩2分

  

島根原発反対運動 (島根)
 *新たな建設を阻止*

 島根原発三号機の増設計画が持ち上がってから、県内住民を中心に、原発に反対する中国五県の市民によって「島根原発反対運動」は結成されました。
 残念ながら現在、地元自治体は電源開発調整審議会への上程に同意をおこない、国の計画に組み入れられることとなりました。ここに至るまで、動燃再処理工場爆発事故やJCO臨界事故が起き、そのたびに周辺の不安の声は増大し、私たちは県や関係市町村、中国電力に対して繰り返し反対の声をあげてきました。
 その間、原発のすぐ近くでは「なかったはず」の活断層が中国電力みずからの調査によって確認されました。私たちは原発の耐震安全性が崩れたとして、1・2号機の運転差し止めを求めて提訴。現在も裁判は継続中で、中国電力の調査結果(「活断層の長さは8キロであり安全」という見解)をめぐっての論争は佳境に入るところです。
 今後、3号機の建設着手までには、まだまだ手続きも残っており、実際の運転開始に至る長い年月のなかで、原発をめぐる情勢は加速するはず。私たちはこの建設をさせない運動をひろげていきたいと考えています。

                                      芦原康江(事務局長)

【連絡先】松江市浜乃木1-21-66芦原方
      TEL/FAX 0852-25-3647


店・モノ・活動を‘ECOひいき’!!

 ACTの名物コーナー「ECOひいき」に登場してくださるみなさんを募集しています。「ECO」なお店、会社、グッズ、運動、などを是非、ACTで紹介させてください。自薦・他薦は問いません。紹介文は、本紙だけでなく、ACTのウェブサイドにも掲載させていただきます。
 @お店・グループ名 Aお店の紹介や商品説明、活動案内(500字以内) B連絡先(お店などの場合、「行き方」も) C執筆者氏名 D掲載紙送付先・原稿に関する問い合わせ先 ―を明記し、EメールかFAX、もしくは郵便でACT編集部[act@jca.apc.org]までお送りください。地図・写真などを添付していただければ、それも一緒に掲載いたします。(編集部)


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