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はりばこ【針箱】裁縫道具一式を入れる箱。 |
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針箱はいわゆる裁縫に使う道具を仕舞う“針箱”の部分と“絎台”(くけだい。図の右側)と呼ばれる絎けやすいように衣服の端をひもで引っ張っておく台からなります。 絎台の上部は針がたてるようになっております。なかなかよくできています。高さはだいたい40センチくらい。体に合わせてあります。絎台の棒は折り曲げて仕舞うこともできます。 気になる中身ですが、針、糸、はさみ。これが三種の神器。 ※絎ける…布を裏側に折り曲げて縫いつけること。 |
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現在、ほとんどの和裁業界で針箱は使われていない。実際、庶民はいわゆる針箱を持つことも多くなく、菓子箱なんかを使っていたようです。 また絎台ももともとろ庶民は持っていたかというとそうでもなく、脚を使って布の端を押さえていたそうです。それがみっともないということで、絎台は嫁入り道具に加わったそうです。 日本の室内は床座が基本。つまり手と床、手と足が非常に近い。しゃがまなくても手は床につく。ということはちょうどサルが体操座りのように座って、足も手と同じように使ってバナナなんかを食べる姿といっしょ。そんなふうに日本人は五体を使ってのものを作る。考えてみるとそんな場面にいろいろなところで出会うのでは。 ※和裁…基本的に布地の寸法を基準に縫い合わせる。 |
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臭いものには蓋が基本の和の暮らし |
針箱は柳行李といっしょの思想が流れているのでは。つまり「箱入れ行動」。乱れを押し隠す、ショットアウト収納は日本人のあこがれなのでしょうか。現在の電化製品も欧米のものに比べ、コンパクトにしまえるものが非常に多い。 (担当:じゅんちゃん) |