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「西陣の四季を味わう 〜秋の節」
〜西陣織の基礎〜
2003 年10月 18日 西陣夢まつり公開工房にて
西陣分校

西陣織の基礎を学ぶ

第5回目の西陣分校は、毎年恒例の「西陣織夢まつり 工房見学ミニツアー」です。西陣各地で公開されている各工程の工房を見学させていただき、西陣織製作の現場の空気と職人の心意気を肌で感じます。

今年は西陣織を支える中で基礎となる「糸染」、「紋意匠」、「整経」の3つの工程に絞り、西陣織の仕組みをみなさんと一緒に勉強しながら、秋の西陣を散策することにしました。


糸染めの基本

まずは、色彩鮮やかな織物を構成する糸を染める下西染工さんに糸染の基本をおうかがいしました。染め工場では、原糸の状態の糸を精練し、染料で染めるところまでを担当します。
精練とは、生糸を石鹸やソーダ等を入れたお湯を90度まで上げて炊き込み、生糸の表面に付いている膠質(セリシン)を取り除く作業です(下西染工さんのWebサイトより)。糸を握ると「きゅっきゅっ」と鳴る「絹鳴り」の音は、精練によって生まれます。
そして、染料を使い、自由自在に糸を染め上げていきます。


色づくりの技

下西さんは、見学に来られた方の洋服の色を見て、一瞬で染料を調合し、まったく同じ色に糸を染め上げるという技を披露して下さいました。
その素早さと巧みさに参加者一同、ただ驚くばかりでした。


紋意匠図の仕組み

次に訪れたのは、西陣織の紋様を作り出すための仕組み、紋意匠と紋彫りの工程をつかさどる西陣意匠紋紙工業組合さんです。図案家の方が描かれた図面を織機でどのように織るかという設計図をつくります。

紋様をつくるために使う糸の場所、越す糸の数などがわかるように、図面に落とします。


紋紙彫りの職人芸

そして、意匠図をもとに、紋彫り機で紋紙に穴を開けます。
意匠図の穴の数を一瞬で見極め、両手両足を使い、1枚の紋紙にその紋様をつくるための穴を開けていきます。1日に数千枚は紋紙をつくるといいます。この作業の素早さに一同また驚いていました。

また、紋彫りの職人さんは、着物を見ただけで、どんな紋紙で織ったかがわかるということです。


経糸を揃える

そして最後に、帯の背骨となる経糸を引きそろえる「整経」を担当する前田利整経さんです。整経工程では、数百本にも及ぶ経糸を同じ長さに揃えます。それが織機にかけられ、横糸が織りなされていくのです。

こうして、3つの工程に加え、製織や絣の工程を拝見して、帯ができていくひととおりの仕組みを実際に目で耳で確認することができました。


帯づくりの仕組みと技術の継承

見学を終えて最後の振り返りでは、みなさんに感想を聞かせていただきました。
西陣織の工程を実際に見るのは初めての方が多く、みなさんが「こんなに多くの人の手を介しているのを見て、着物を大事にしないといけないな」といって下さいました。

また、下西さんが説明してくださる際、「私が父から教わったのは...」という言葉を最初に付けておられました。また、紋彫りの職人さんも「徒弟制度でないとこういう技術は伝えられない」とおっしゃってました。世界最高水準の品質を数百年にも渡って保つ技術は代々受け継がれていることを実際に目の当たりにしたのでした。


運営にあたり、宇多野ユースホステル様のご協力をいただきました。
工房見学にあたり、快くご説明してくださった各工房の皆さん、本当にありがとうございました。

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