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「西陣の四季を味わう 〜初夏の節」
〜藍染め 講演会〜
2003 年 6月 28日 元西陣小学校にて
西陣分校

紫陽花の季節の西陣を味わう

第3回目の西陣分校には、宇津木憲一さんをお迎えしました。西陣の中心地に愛染工房を構え、天然発酵の藍染めにこだわってものづくりを続けておられます。京都ものづくり塾でも、2000年10月に見学会をさせていただきました。

参加者のみなさんと一緒に、紫陽花の咲く西陣の季節を味わいました。藍染めはそろそろ、藍の1回目の刈り取りを迎える季節です。


天然発酵の藍染めのできるまでと実演

今回は、宇津木さんがコロンビア大学やプリンストン大学でご講演されたときのスライドを使い、「天然発酵の藍染めのできるまで」をお話しいただいて、さらに、実際に藍染めの実演をしていただきました。

参加者は草木染めをお仕事でされてる方や西陣でものづくりに携わってる方など、30名のものづくりの現場に近い方に参加していただき、ホンモノのものづくりの空気を感じていただきました。

天然発酵の藍染めとは

まず、スライドを使って、藍を畑で育てて、収穫し、それを使って染め上げるまでの行程をご説明していただきました。

天然発酵した藍染めは、いつまでも美しい藍色を保つそうです。しかし、最近は、「天然藍染め」と看板をあげていながら、数十年たつと、変色してしまうものが多いのです。

その多くは、天然の藍は使っていますが、「天然発酵」ではないそうです。化学還元という方法をつかっています。天然発酵をすると、時間がかかり、コストがかかってしまうからです。


「色は命である」

藍は燃えないこと、防虫に効くことなどを、具体的な事例を用いてお話いただきました。

藍染めを始めた中世においては、色は命でした。今でこそ、化学染料が普及していますが、当時はそんなものはありません。色で染めた衣類には、命が吹き込まれるのです。

実際、色の出す波長が着る人の波長と合うと、その人の病気が治るということが本当にあるのです。

藍染めの実演にくぎづけ

宇津木さんに実際に藍の液を持ってきていただき、実演していただきました。
1. まず、藍に生地をつけます
2. 次に、それを今度は水で洗い、生地を広げます
藍は酸素に触れることで発色するので、ここでうまく生地を広げるのがポイントです。
その行程を繰り返して、徐々に生地が藍色に染まっていく様子をみんなで見させていただきました。
質問も活発に行われ、またも時間がオーバーしてしまいました。


「水無月」を味わいました

今回のお菓子は、やはり水無月です。
水無月は、夏を迎える6月の終わりに食べることで、無病息災を願うという風習があります。

今回も五感食楽という料理教室を行っているメンバが作ってくれました。
上の小豆は白小豆を使い、少しおしゃれな感じに仕上がり、みなさんは、舌鼓を打たれていました。


運営にあたり、宇多野ユースホステル様、京都市北青少年活動センター様のご協力を得て、今回の講演会を無事、終了させることができました。この場をお借りしてお礼申し上げます。

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