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第97号(1998年7月27日発行)

ヘリ基地反対名護市民投票裁判・第二回公判

市長は平和に生きる権利を侵害

被告の「事件性を欠く」に反論

 名護市在住の輿石正さんら五〇三人の原告が、前名護市長・比嘉鉄也を訴えた裁判の第二回公判が、六月二三日午前那覇地方裁判所で開かれた。

 被告の比嘉・前市長は自分自身がヘリ基地反対の総決起大会(一昨年七月一〇日)の実行委員長になっていながら、市民投票で反対票が過半数になった直後に、ヘリ基地受け入れを表明した。市民投票結果とは反対の行動をとった責任は重大だ。

 今回の名護市民による裁判に対して被告・前市長は「原告の名護市民が具体的に侵害された権利はない」から、「司法における事件性はない」と主張している(本年四月一七日付の被告答弁書による)。原告らはヘリ基地建設の「政治判断」を裁判所に持ち込んでいるにすぎない、というのである。

 この被告側主張には、前々回公開審理で収用委員会会長だった人物も「代理人」として名を連ねており(この日は欠席)、国側の意向を代弁した面々の主張だ。

 原告側はこの日、準備書面を提出して前・比嘉市長のヘリ基地受け入れ表明によって具体的に名護市民の権利侵害があったと反論。「司法の事件性」を欠くから、本件を門前払いしろ、という被告の主張はありえないと反論。

 被告の主張では「そもそも『名護市民』自体が存在しない」、「名護市民と言っているが、実は他人の主張だ」とまで述べている。原告側は、侵害された名護市民の権利は、たとえば神戸市の非核証明による寄港条件のように平和的生存権の自治体で具体化された海上基地建設に関するものである、と述べた。

 しかも前市長も推進した市民投票条例の第三条の二では「有効投票の賛否いずれか過半数の意思を尊重する」となっていたのだから、受け入れ表明は違法だと指摘した。

 前市長が受け入れ表明をしておきながら、すぐさま辞任も表明しなければならなかったこと自体、受け入れは通らないと市長は自覚していたことを示している。市民投票の結果についても「一票でも負けは負け」と市長自身もも実際に考えていたはずだ。

 次回の公判は九月二日。