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 第182号(2006年10月28日発行)

「ギリギリKの会」ウェブサイト

“瀬戸際を逆転させるか” ギリギリKの会


 黄色い地に黒く「ギリギリ」の文字と糸数けいこ・たかし夫妻が笑顔でポーズを取るポスターに、「!」というより「?」の符号が大きく浮かんでいたのは私だけだろうか?もし他にもいらっしゃったら、是非「ギリギリKの会」のウェブサイトを見ていただきたい。そこには、「ギリギリってね/1、基地を押し付けられている沖縄県と県民がおかれたギリギリの状況/2、生活が苦しいギリギリの状態/3、野党統一候補がなかなか決まらず、ギリギリでけいこに決定!/4、人手も金もなく、それでもギリギリで動いている私たちの「ギリギリKの会」/なんて、いっぱい意味があるんだ。/しかも/「なんだかんだ言っても基地ってできちゃうんだよね」という、あきらめの声も聞かれるけど/でもね、でもね、今なら、今なら/まだ、まだ/ギリギリ間に合うんだよね。」と書かれている。

 そして、11月19日の沖縄県知事選に向けて糸数候補を支援する会の活動が、日々のブログとして記録・公開されている。

 世界的な米軍による軍事戦略の一環として在日米軍基地の再編成される中、地元の反対運動によって頓挫していた辺野古沖への基地建設案がV字案として修正後、提示された。安倍新政権の高市沖縄担当相は、基地受け入れと振興策のリンクを明言している。基地問題が県知事選最大の争点と言われ、事実、普天間基地の条件付き県内移設を容認する仲井真候補と、即時閉鎖・返還を求め国外移設を訴える糸数候補の違いは鮮明でありながら、県民投票・市民投票の結果が踏みにじられ続けてきたこの間の政治不信の根は深く、県政最大の選挙における議論の盛り上がりを抑えているようにすら感じる。

 「ギリギリKの会」のウェブサイトが持っている危機感、そしてブログを使ってアピールしたい所もそのあたりにあるように思う。誰が知事になっても同じってことはない、あきらめないでギリギリで踏ん張ろうよ、という思いが伝わってくる。仕事の、学業の、育児の合間にかけつけるボランティア。「ギリギリカフェ」や移動政策局で熱心に討論する様子。南風原、宜野湾、那覇、本部、伊江島、国頭などの各地域の個性、農業・自営業・商業・障害者・主婦など各層からの要求が、そのときそのときの光景やコメントと一緒に見えてくる。そうした一つ一つの生からの要求と支えによって、代表者が決定されるという、民主主義の原点に改めて気付かされる。「ギリギリ」の瀬戸際を逆転させる可能性はそこにあるかもしれない。

 さて「ギリギリK」の「K」は何か?ウェブサイトには「県政のKであり、そして基地反対、環境保護、憲法や教育基本法を守る、経済や観光の発展、雇用や暮らしの安定など、「K」は沖縄そのもの」とある。(もちろん「けいこ」のKでもある。)そしてやはり、「希望」のKなのだろう。
(会員M)