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 第181号(2006年9月22日発行)

【米軍再編 各地の動き】 岩国

平和な未来を私たちは決してあきらめない

住民投票の成果を活かす岩国市民の会 大川 清

   二度に及ぶ移転反対の意思表示

 全国各地の多くの皆さんの応援を受け、去る三月一二日の住民投票において私たち岩国市民は圧倒的多数の反対意見で、移駐案受け入れにはっきりと「ノー」の意思を示すことができました。また四月には合併後の新しい岩国市での市長選挙も行われ、容認派候補への政府のテコ入れや露骨なまでの振興策の提示、騒音や犯罪など基地問題に対する温度差もある中、新しい市になっても私たち市民は、振興策やさまざまな圧力に負けずに移転反対の民意を再びはっきりと示すことができました。
 

   民意を踏みにじる政府の横暴

 しかしながら五月一日、日米両政府は厚木からの空母艦載機部隊のみならず、普天間より空中給油機まで岩国へ移転するという無謀な移転計画案を最終合意しました。私たち市民の声をまったく無視し、民主主義を根幹から否定するこの合意に心の底から怒りが込み上げてきましたし、絶対にこれを許してはならないとの思いを新たにさせられました。

 市民の中には「国の決めることだから反対してもやはり駄目なのか」と半ばあきらめてしまう声も少なからず聞こえてきます。けれどもそんなに簡単に私たちの未来を決められてしまってよいのでしょうか。安心や安全、命や平和をあきらめてしまってよいのでしょうか。私は決してあきらめたくはありません。私たちが最後まであきらめなければ、政府もこの無謀な移転計画の実現を絶対になし得ないと思います。たとえ日米両政府が合意したとしても私たち市民は決して合意していないからです。


   私たちの小さな力こそが大切

 岩国の未来を決してあきらめない。そんな思いをつなげていこうと五月二〇日、「住民投票の成果を活かす岩国市民の会」が発足されました。かつてベ平連(ベトナムに平和を!市民連合)で活動され、最近では九条の会の呼びかけ人として精力的に活動されている小田実さんが「岩国がんばれ!」ということで多忙の中、応援に駆けつけて下さいました。「岩国だから行くんだ」とおっしゃって下さり本当に励まされました。

  記念講演で小田さんはベ平連の運動を振り返り「今から三六年前の一九七〇年、岩国基地の中で反戦米兵の運動が起こり、米国がベトナムから撤退を余儀なくされる一因となったこと。それから三六年後の現在、今度は基地の外で市民が立ち上がり、住民投票において圧倒的多数の反対意見で基地の強化を拒んだこと。そのどちらもがもともと無名の一市民の運動であるが、この市民の小さな力にこそ米国をベトナムから撤退させ、基地の強化を阻む力があること」など、力強く語ってくださり、本当に力づけられました。


  市民の切実な思いのこもった一票一票を決して無駄にしないで!

 「住民投票の成果を活かす岩国市民の会」発足の報告を兼ね、「住民投票と市長選の二度に及ぶ移転反対の市民の意思を尊重し撤回の姿勢を最後まで貫いてほしい」とメンバー五人で市長を激励に訪問いたしました。また沖縄や神奈川など基地を抱え苦悩している自治体との連携や、市民と自治体が更に連携を強めて撤回に向けた取り組みを共に進めてくださることを要望いたしました。


   基地で決して街は潤わない

 軍民共用空港、米軍施設としての愛宕山開発地の買い上げ等々。政府はなんとしてもこの無謀な移転計画を遂行するために、「アメとムチ」で様々な振興策を提示しています。

 また市庁舎建設のための補助金、軍民共用空港の推進、米軍再編の進展に応じて振興策を増減していくというのです。

 そもそもこれまで基地で街は潤ってきたでしょうか? 決して基地で街は豊かにはなりませんし、これ以上基地が強化・拡張されれば騒音や犯罪が増え、ますます安心して暮らすことのできない街になってしまいます。

 この無謀な移転計画が白紙撤回されるまで、粘り強く声をあげ続けていきたいと思っています。沖縄にも神奈川にも岩国にも、全国どこにも基地はいりません。全国各地の皆様の支援をどうかよろしくお願い致します。