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 第181号(2006年9月22日発行)

ひんぷん

沖縄雑感

本永貴子

 沖縄の今の状況を報告する。と言っても私感である。

 報告するのは、これは皆さんにとっても多いに気になるところ・県知事選挙。革新側の候補者が決まらないうちに、話せることは少ないのであるが「私感」ということで報告する。(客観的に書けるかどうか…)
 

 今年四月二四日の沖縄市長選挙の勝利を受けて、当初、知事選挙の候補者選びは追い風を受けて始まった。七月までの政党労組による意見交換の後、人選は絞り込みの段階にはいった。

 七月八日、市民団体・労組、約五十団体あまりを集めての意見交換会が開かれた。座長の新里米吉・社民党県連書記長が「在日米軍再編による基地機能強化や新基地建設の反対」など五党協議で決まった基本姿勢や共闘の枠組みなどを説明。各政党や労組・団体から挙がっている候補者名を紹介した。参加者からは「六十一年余り、基地被害に苦しめられた沖縄の命運を懸けた重要な選挙。普天間飛行場の即時撤去や名護市辺野古への新基地建設反対を最大の争点にすべきだ」「世論調査で県民の七、八割が新基地建設に反対を表明している。県民の訴えを受けて、国と毅然として闘うことができる人物が知事になってほしい」などの意見が出された。しかし、せっかく市民団体・労組を含めた意見交換会があったにもかかわらず、その後意見交換会が継続して行われることは今日までなかった。(もっと大きな規模で意見交換会が行われることは約束されていたのだが…)

 七月二二日、民主党県連が社民党県連・社大党県連・共産党県連・自由連合県連の五者に「そうぞう」(下地幹郎代表・政策集団↓九月一六日政党へ)を加えた六者による共闘を働きかけた。(二九日「そうぞう」加わる。)

 八月四日の沖縄大学で行なわれた公開討論会まで、おおむね伊波洋一宜野湾市長・山内徳信元県出納長・糸数慶子参議院議員・下地幹郎衆議院議員・喜納昌春社大党委員長の順に候補者が上がっていた。ところが、ここで山内・下地両氏以外はみんな辞退すると言う事態が起こった。それを受けて、民主党が山内氏擁立に難色を示したため、結果的に八月いっぱいを民主党との調整に費やすと言うことになった。この時点で五者プラス一から「そうぞう」を含めた六者へと協議が移行していった。

 市民団体等の中には「そうぞう」を含めた話し合いをやめ、当初の予定通り五者での話し合いを行うべきとの声が上がったが、結局は聞き入れられなかった。

 九月、六者協議はいったん頓挫し、各党での模索が始まった。そして、糸数氏出馬がまた浮上し、今日明日にも結論が出されようとしている。
 

 今回の知事選は、沖縄内での政変をにらみ各政党が主導権争いをした、というのが私の私感である。県民が県民を代表する知事にどのような人を望んでいるかといった協議は、大詰めを迎えて表立ってはほとんど語られることはなかった。今後の協議に、きちんと辺野古・東村高江等の米軍再編問題を政策に位置づけさせることが、大切である。


 沖縄では、このところ米軍の訓練が激しさを増している。米軍はまだ夜の明けきらぬうちから戦闘機を発進させ、一方的な通告だけで沖縄本島の東海岸沿岸で三日間をかけ自由に訓練して周り、ヘリコプターを深夜に飛ばしている。キャンプシュワーブでは機動隊を導入して、名護市教育委員会の遺跡調査を強行しようとした。有事法制の日常化なのか、イランをにらんでのことなのか、知事選で県民大会等の抗議行動を行う余裕がないからなのかわからない。しかし、このままでは知事選以降の沖縄の状況が厳しくなることは必至である。今でさえ沖縄市でヘリの音に慣れているはずの私でも、怖くなるほどなのだ。

 自民党は阿倍氏を総裁に迎えようとしている。県知事選に向け、政府は三十億のお金をつぎ込んでいるとのうわさもある。いうまでもなく、今回の県知事選挙は今後の沖縄の十年を占う大切な選挙である。勝つことも大切であるが、県民の世論を受けどのような政策で闘うのかが重要である。

 今日、山内氏が記者会見をする予定だ。この席で彼は自分の政策・自分を推してくれた(辺野古等で闘ってきた人を含む)人々の思いなどを話すつもりでいる。それを受けて、糸数氏を出馬させる政党がどのような政策を打ち出すか注目している。

      (九月一八日記)  

編集部注(一九日琉球新報から引用) 
 山内氏は不出馬の記者会見で表明文を読み上げ、糸数氏に対し「知事選勝利に向け、こん身の力を込めて奮闘されることを期待する」と述べたが、糸数氏支援については「もう少し気持ちを整理する必要がある」と複雑な心境も見せた。
 不出馬の理由については「平和憲法を守る社民が内部分裂してはいけないと判断した」と説明。政党関係者に「一本化の大前提である知事選勝利を不動のものにしてほしい」と求めた。