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 第179号(2006年6月28日発行)

日米軍事再編と基地強化に異議あり!

みんなで自治体の平和力を支えよう!


三〇〇人が米軍基地めぐって報告・討論

 去る六月一八日午後、横浜で「日米軍事再編と基地強化に異議あり! みんなで自治体の平和力を支えよう! 6/18市民フォーラム in横浜」が開催された。今回の米軍再編をめぐって閣議決定された在日米軍基地の再編強化に対しては今年三月、「日米軍事再編・基地強化と闘う全国連絡会」が結成されている。各地の基地所在地での地元住民を無視した再編・強化に対して連携してこれを押し戻そうという趣旨。その全国連絡会などが呼びかけて、沖縄・岩国・座間・相模原・横須賀などの運動体が横浜市に結集した(主催は「米軍再編と自治体」市民フォーラム実行委員会)。

 参加者は約三〇〇人。各地の「活動の経験を学びあい、共有すること」を通して「連携しながら反対運動」強化をめざす・という「共同宣言」を採択した。初めに座間や相模原、横須賀など米軍基地周辺と基地反対運動のビデオ上映。本年五月十五日防衛庁前の抗議行動で、関東ブロックの事務局長発言の場面も。新潟市議の中山さん(「緑にいがた」)が挨拶で「静かな新潟港も実は戦争と死者をひきずっている。米軍再編をとめよう!」と訴えた。


米国では住民への被害回避

 最初に衝撃のレポートがあった。沖縄・宜野湾市の基地政策部長・山内さんの普天間基地周辺の実態についてだ。参加者は基地を抱える神奈川県住民が大半なのに、このすさまじさには会場からため息。そのレポートによると・基地は面積四八一ヘクタール、軍用機は五〇数機(二〇数機はイラク派遣後戻ってきていない)。タッチ・アンド・ゴーで住宅の上を飛行。旋回は一日に最高三〇〇回。一機約五分、二機(編成)だと約二分三〇秒、三機(編成)だと三〇秒。ヘリの他に空中給油機や嘉手納基地からP3Cも飛来する。一九九六年に騒音防止協定を締結したが、今も状況は改善されていない。宜野湾市が設置した「騒音一一〇番」には市民からの訴えが多数ある。「テレビの音が聞こえない」から「ヘリが自宅前に墜落」まで、みな深刻なものばかり。ヘリ墜落の時は六歳の子どもを抱いて逃げたが、家の前はメチャメチャだったとか、昨年四月から(イラク帰りの)ヘリ騒音で恐怖を感じるとか・必死の訴えだ。

 「五年以内の普天間返還」を掲げて当選した伊波市長は何度も訪米し、閉鎖・県外移設を訴えてきた。しかし市議会では少数与党、二度目の訪米予算案は否決されてしまった。米国では普天間基地を「受け入れたい」ところもあり、また基地所在地でも「住宅上空をヘリが飛ぶことはない」という事実もわかった。米国は自分たちの国では住民に被害を与えないようにしている。これが実態だ・と。

 米陸軍第一軍団の移駐を歓迎しない会・伊澤さんも「米軍を受け入れれば自衛隊は撤退すると約束したことがあるが、その約束は反故にされてきた。今回の米軍再編も手口は同じ」と厳しく米軍を批判した。

 相模原の岩本市議も「市長は再編を容認と報道されたが、五月一〇日の市民協で市長は『容認はしない』と明言した」と報告した。この後、二時間にわたって報告・討論があった。岩国の田村市議、相模原の金子市議、名護の安次富さんら各地からの参加者五人がパネリスト。


「米軍は粗大ゴミだ」

 名護・ヘリ基地反対協の安次富(あしとみ)さんは、「辺野古沖海上基地を阻止できた勢いで名護市長選も勝てたはずなのに、失敗してしまった」ことと、今回の日米合意案への合意に、北部首長が「落とされた」経過を報告した。

 次に鹿児島・鹿屋の山崎さんが「空中給油機移駐は地元では知らないうちに突然降って湧いた話。議会も市長も反対だ」と発言した。

 また岩国市議の田村さんは「人口十五万人の新岩国になったが、再編反対の井原市長が圧倒的票差で当選した。市長に対して国・県が包囲網を敷き、補助金カットなどで封じ込めようとしている」と報告。また田村市議は市議会で「艦載機部隊は訓練で岩国へくるものの、厚木基地から司令部や整備部隊は岩国に移転しないのではないか?」と重大な質問をしている。現在の海兵隊部隊五十七機に、厚木からの艦載機五九機と沖縄からの十二機が加わって「極東随一の大基地」が岩国に出現することに変りはない。しかし田村市議は「米軍の言うことはデタラメで、信用できない」というのだ。
 
 横須賀市議の原島さんも「今回の米軍再編そのものではないが、原子力空母の横須賀母港化に市長が『やむをえない』発言したが、五十万人の署名はどうするつもりなのか?」と厳しい状況を指摘した。
 
 相模原市議の金子さんは「座間と相模原がバーター(取引)されてはいないだろうか?岩国沖縄に移転しても、なんら『負担軽減』にならない」と発言した。
 
 最後に名護・ヘリ基地反対協の安次富さんは、「米軍は粗大ゴミ。沖縄では夜も寝られない人権侵害が続いていることについては国連[人権理事会。ジュネーブ]に訴えるつもりだ。辺野古(建設)をつぶせば(米軍)再編はできない。全国での再編もそれでできなくなるはずだ」と力強い発言をした。
 
 司会の牧嶋・座間市議も言っていたが、こういう交流の機会はなかなかできないでで来た。各地の闘いがそれぞれ自分のことのように感じることができるようになれば、力を合わせて米軍基地を米国本国に押し戻すパワーになるはずだ。必ずその日が来る、と確信できた集会だった。     
 
(Y=会員)