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沖縄・一坪反戦地主会 関東ブロック
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『一坪反戦通信』
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 第175号(2006年2月28日発行)

平澤米軍基地拡張反対!

強制土地収用阻止!

朝鮮半島平和実現のための2・12平和大行進


 二月十二日、日本では東京・練馬でイラク派兵反対集会が開催されていたその日、韓国・平澤(ピョンテク)では、「平澤米軍基地拡張反対!強制土地収用阻止!朝鮮半島平和実現のための2・12平和大行進」が約四千名の参加で催された。

 日本と同じく韓国でも、在韓米軍を削減する一方で、在韓米軍基地の再編を進めており、平澤市内にある米軍「キャンプ・ハンフリー」と「鳥山(オサン)空軍基地」をはさむ一帯(二百八十五万坪)に基地を拡張しようとしている。この動きは、「米国が駐韓米軍の海外侵略と韓米同盟の侵略同盟化のための前哨基地にしようとしている」(今回の平和大行進で読みあげられた宣布文より、以下同文から引用)と認識されている。

 そのために韓国政府は、「家を売って去り行く人々に、自分が住んでいた家を叩き壊して外部の人間が入れないようにする、また、競売などまったくの流言飛語と脅迫で住民の闘争意思を折ろうとする」、それでも買収を拒否する住民の土地を強制収用で奪おうとしているのだ。

 しかし、「住民は、トラクター・キャラバン、住民登録証返還闘争などにより闘争の水準を次第に高めて」おり、「平澤基地拡張と強制土地収用を阻止しぬくことは、すなわち、駐韓米軍のアジア太平洋侵略軍化と韓米同盟の侵略同盟化を破綻させる道だ」として、「平澤米軍基地拡張阻止氾国民対策委員会」(平澤氾対委)も結成されており、韓国全土からも支援者が集まっている。「体を張って平澤の守り手、人間の盾になろうという人々が増えており、テントと空き家が刻々と人で満たされている」のだ。また、昨年七月の第一回平和大行進では戦闘警察(日本の機動隊にあたる)と住民や支援者とが激しく衝突し、農民一名が亡くなっており、住民をはじめ、平澤に集う人々の阻止する意思は固く、韓国政府も警戒を強めている。

 この平和大行進は二回目を昨年十二月に平澤駅前を埋め尽くしておこない、本年一月には連帯行動が呼びかけられて沖縄、大阪、東京で取り組まれ、三回目となる今回は海外からの参加が呼びかけられていた。

 私たち沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックも、日米軍事再編による辺野古沿岸での新基地建設を阻止するため、座間や岩国など同じく強化される米軍基地に反対する住民運動とも結びつきながら、三月最終報告に対する運動を強めてきた。その中で、平澤のたたかいに連帯していくために運営委員二名が初めて参加することにした。アジア共同行動日本連絡会議の派遣団に同行させてもらい、現地では沖韓民衆連帯の仲間と合流した。

 平和大行進前日の夜に平澤市内に入った私たちは、基地拡張予定地の村である大秋(テチュ)の、すでに売られているが平澤氾対委の本部がある旧分校のグランド(今回の集会場)内に設置したビニールハウスで催されているロウソク集会に参加した。実に五百二十九日目という。住民をはじめ、歌手や演奏家もかけつけ、静かにそして心温まる発言や演奏を通して、寄せ合ってがんばっていく雰囲気であった。その夜は平澤を訪れる人が泊まれる家に民泊させてもらい、沖韓民衆連帯の仲間や平澤氾対委のキム・ヨンジェさんと交流した。

 集会当日、午前中にもキム・ヨンジェさんに現地案内をしてもらったあと、旧暦の正月行事に合わせて凧揚げをし、糸がなくなるまで舞い上がった凧がキャンプ・ハンフリー内に入っていくなど、大いに盛り上がった。

 集会が始まると、「米軍基地拡張反対」「強制土地収用決死反対」の黄色い旗をはじめ、たくさんの旗やプラカード、横断幕が掲げられ、司会によるかけ声、歌や踊りも入り、全体が躍動感あふれる活気に満ちた雰囲気で、雪解けで地面に座れなく立ち続けていても苦痛を感じないほど充実した内容であった。発言では、大会あいさつを平澤氾対委のムン・ジョンヒョン常任代表、連帯あいさつを民主労働党のムン・ソンヒョン代表、そして前記した宣布文を住民団体である「ペンソン対策委員会」のキム・ジテ委員長が朗読。その宣布文に書いてある方針の一つ、「三月平和の耕し、四月平和の種まき、五月平和の田植えを全国民的に進め、こうして精算された米を朝鮮半島と世界の平和実現のために使う」というのが印象的であった。私たちも沖縄や日本から来た人たちとして、いっしょに登壇し、代表して沖韓民衆連帯の豊見山雅裕さんが訴えた。

 集会後は、基地拡張予定地(ファンセウル)まで行進。キャンプ・ハンフリー沿いにつくられた「平和への道」を歩くと、戦闘警察が基地との間に並び、基地内にも武装した戦闘警察が大勢待機していた。ファンセウルでは、基地拡張阻止の願いをこめてタルジップ(火をつけて明るくするためにわら、松の葉、薪などを小屋の形に積み上げたもの)燃やし、チャンゴが鳴り響き、参加者らはお互いに手をつないで、カンガンスウォルレ(丸く輪を作って踊る民族的な舞)を踊った。私たちも横断幕を持ちながら、靴を泥でぐちゃぐちゃにしながらも踊り続けた。           (I)