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『一坪反戦通信』
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 第174号(2006年1月15日発行)

(年頭所感)

この国を真っ当な国に

横田基地飛行差し止め訴訟団 事務局長 福本道夫

 昨年12月29日の報道によれば、12月22日に「公務中」の米女性兵士が都下八王子市で小学生3人をひき逃げし(1名重傷、2名軽傷)、日本の警察に逮捕された後「日米地位協定」によって米軍に引き渡されたとのこと。「またか」との思いを新たにした。

 私たち日本国政府を相手に米軍の行動を規制させる裁判をたたかっている者にとって、「日本国は本当に独立国であるのだろうか」という疑問にいつも突き当たる。日本国政府は第一義的に日本国民を守るべきであるはずなのに、それが実現されない。

 日本国外務省が言うように『在日米軍は、日本を守っている』訳がないことを,米軍基地周辺住民は肌で感じている。日本にある米軍基地は米軍の前線基地でしかない。そのことは、政治の、そして、軍事の上に立つ者ほど熟知しているはずなのに。

 なぜ日本は、日本国は欧米諸国にここまで卑屈なのだろうか。アジア諸国には傲慢ですらあるのに。私たちは恥じなければならない。経済的に「富裕国」と成り果てた国が政治的に「貧国」であることを。そのような国の一員であることを。何と言おうと、結果的にこの国の政治を私たちが支えていることを。

 結局、日米関係は、治外法権を認めた1858年の日米修好通商条約から一歩も進歩していないとしか思えない。いや,米国におもねているとしか思えない。何とかしようという気概のある人間が少ない現状を見ると、むしろ後退しているかもしれない。

 このような日本国政府を多くの日本国民が支持している現実を見るとき、私たちがこの国では特殊な人間であることを感じざるを得ない。私たちは、米軍によって被害を受けていることを、当たり前に「被害がある」と言っているにすぎない。それが正しいと信じる限り、今の運動を続けるしかない。今の日本の状況が間違っていると信じて。この国を真っ当な国にするために。