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沖縄・一坪反戦地主会 関東ブロック
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『一坪反戦通信』
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 第168号(2005年6月28日発行)

緊 急 ア ピ ー ル 


 皇民化教育と日本軍による住民蔑視が、沖縄戦での日本軍による住民虐殺と住民犠牲を多くした主要因である。沖縄の近代史は皇民化教育の歴史でもある。もちろん沖縄だけでなく、日本帝国主義・天皇制軍国主義を支え、戦争遂行のために全国民を総動員するための洗脳として皇民化教育が行われた。

 「沖縄戦とは何か」?と問われれば、沖縄戦を体験した者はその多くが「鉄の暴風」と答えるだろう。あるいは「鉄の暴風」を体験したことがない者でも、沖縄戦が膨大な人命を殺した凄惨な戦争だったことを知っている。また、かつて沖縄が「本土防衛の防波堤」であったことや、沖縄戦がそのための「捨て石作戦」であり、その渦中で日本軍が住民を虐殺し、しかも、兵隊よりも住民が多く死んだ戦争だったということも多くの沖縄民衆が認識している。「軍隊は住民を守らない」。「沖縄戦」は、60年経た今日も体験者から子孫へと着実に語り継がれ、戦争や基地軍隊を否定する意識を育んでいる。

 敗戦後、平和憲法下の日本は戦争を放棄してきたが、日本の為政者は平和憲法をなし崩しにし、日本を「戦争のできる国」にする策動を戦後60年間着実に進めてきた。すでにイラクへの自衛隊派兵を実現し、今後は集団的自衛権を行使するために改憲を行おうとしているのが日本の状況である。

 現在、日本国民の一部に排外主義的な感情が増加し、その政治意識も保守化ないしは無関心化している現状がある。中国や韓国などアジア諸国の批判を浴びても、小泉のヤスクニ参拝や閣僚や官僚などの「妄言」がまかり通るのは、このような国民感情や政治意識が背景にあるからだろう。

 近頃、「自由主義史観研究会」が、沖縄戦における慶良間諸島での住民の「集団自決」には、旧日本軍による「軍命」はなく、すなわち軍による「集団自決の強要」は虚構であると盛んに「プロパガンダ」している。日本のアジア侵略戦争を「アジア開放の聖戦」と強弁し、侵略戦争の被害国や被害者への謝罪・反省や補償を「自虐的」だとして否定する同研究会からすれば、「日本軍が住民を死に追いやる」ことは隠したい事実なのだろう。日本の「戦争国家化」は同研究会と為政者たちの共通目標である。彼らからすれば、戦争ができる国づくりのために最大の障害になっているのが、平和憲法や教育基本法などの「民主的」諸制度であり、これらの「民主的」諸制度を支えてきた民衆の(戦争体験や戦争への反省の意識に裏打ちされた)平和を希求する意識である。

 同研究会はこれまでも「南京大虐殺」や「従軍慰安婦」などの日本の戦争加害を否定してきたが、ここへ来て沖縄戦の史実をも積極的に否定する策動に打って出てきたのである。今回の同研究会の策動は、まさに現代の「皇民化教育」であり、「戦争国家化」へ突き進むためのイデオロギー攻撃の一環である。私たちはこの攻撃に真っ向から立ち向かい反撃しなければならない。

 反動の攻勢に対して私たちにできることは何か?その答えのひとつがこの国際反戦沖縄集会である。私たちは沖縄戦を語り継ぎ、同時にかつての侵略戦争への認識と反省を深め、アジアの民衆と連帯していく中から、現在の反戦・反基地運動のグローバルな実践を深めていこうとしている。この集会は反動側の策動に真っ向から対峙し、世界平和を目指す民衆の国際連帯を作り上げていく場である。このことをみんなで確認し、この実践をこれからもより広げていこうではないか!

  2005年6月23日

    第22回国際反戦沖縄集会参加者一同