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沖縄・一坪反戦地主会 関東ブロック
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『一坪反戦通信』
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 第167号(2005年5月28日発行)

【報告】

五・一三上映・集会で

「復帰三十三年」を問う

 沖縄が日本に復帰して三十三年。異民族支配を脱して平和憲法下の日本に復帰できる、米軍基地のない平和な生活が待っている!はずだった。

 ところが違った。本土から米軍基地が移設してきて、逆に基地は増えた。本土並み返還の「約束」は踏みにじられた。日米間の密約もあり、核付き返還だった!

 この三十三年を問い直す関東ブロック主催の集会が去る五月一三日午後、代々木で開かれた。例年五・一五集会・デモが関東ブロック主催で続けられてきたが、今年は普天間包囲行動が五月一五日に企画されたため、一三日に繰り上げられた。参加者は四五人。

 西山正啓製作の『ぬちどぅ 魂の声』を上映後、沖縄から三本のメッセージが届いた。

 『ぬちどぅ 魂の声』は韓国・日出生台(大分県)・沖縄での米軍基地に対する住民の姿をまとめた作品。とくに筋立てがあるわけではないドキュメンタリーものだ。しかしつい吸い込まれてしまい、目が離せなくなる! 「事実をして語らしめよ」とはよく聞く言葉だがまさにそれだ。事実が頑固に、米軍基地に抵抗する住民のメッセージを語っているのである。

 まず韓国はすごい。米軍の演習着弾地に入って抵抗する反基地運動の映像。「畑から出て行け!」と抗議する農民。自分の食べ物のはずなのに、それを踏み散らす警察と軍に投げつけた声だ。抗議する女性たちは傘で抗議、仲間の持っている傘をもぎ取って振り回す人もいる。

 日出生台ではリーダーが涙ながらに演説するのが印象的。普通日本人は他人の前で涙は見せない。このリーダーは「自分の子どもたちが将来、この米軍基地を見なくてもいいように自分はがんばる」と演説。必死の覚悟、やむにやまれぬ気持ちで抵抗しているのが伝わる話しぶりだ。

 沖縄は辺野古の映像。平良夏芽さんが「辺野古に行けば・何かがある・と思ってみなさんが来る。しかし・何もない・ことの方がいいのです」と演説しているところ。粘り強く闘っている辺野古現地はビデオ『辺野古の闘いの記録』(総集編は七十分、千二百円)の映像と重なる場面も多い。

 この作品は抵抗する住民の、内側から「声」を聞きとったものだ。外面の「声」でないものが聞こえてくる。

 この後にメッセージは沖縄から三件。反戦地主会の照屋会長から、土地を返させるまで闘いをやめないで続けようという訴え。宜野湾市議の桃原功さんからも、共に闘おうという力強いアピール。昨年夏、辺野古実行委員会の集会・デモに参加したおなじみの人物だ。彼の住所は宜野湾市普天間。最後のアピールはヘリ基地反対協の安次富(あしとみ)さんからの電話だった。「歯を食いしばってがんばっています。皆さんの支援が県民の支えです」と、海上での必死の毎日が感じられた。

 最後に辺野古への闘いの強化を確認する集会決議(*)を採択した。

 関東ブロックではこの集会決議を去る一五日午後、防衛庁・防衛施設庁に提出した。

 防衛施設庁は日曜日ではあったが、辺野古現地で二十四時間体制を強いているせいか、防衛庁門前に出て集会決議を受取った。さすがに自分から「休日です」とは言えなかったと思われる。

 その後、有楽町のマリオン前で街頭宣伝活動を行い、同時刻に行われていた普天間包囲行動に連帯しつつ都民に支援・連帯の訴えを行った。

 普天間は返還合意から九年も過ぎた。普天間包囲もこれが最後の行動にしたいものだ。沖縄の返還から三十三年も過ぎた。この三十三年はいったい何だったのだろう。

                (吉田)

(*編集部注 集会決議メッセージは、関東ブロックのウェブサイトに掲載しています。)