軍用地を生活と生産の場に!
沖縄・一坪反戦地主会 関東ブロック
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『一坪反戦通信』
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 第162号(2004年11月28日発行)

関東ブロック運営委員 野口裕子の沖縄レポート

 さすがに風が冷たくなり仕事場では窓を開けるようになりました。? クーラーがいらなくなったのです。冬至ビーサー(寒さ)まで暫くは過ごしやすい日々が続きそうです。

 中部の読谷村で焼物をやっている知人が、仲間の陶工たちと毎年秋に「酒と器展」を開いて5、6年になります。酒と器だけでも十分魅力的ですが酒造会社の敷地の一角でやるという企画に一見の価値ありと昨年から通っています。泡盛「守禮」の神村酒造はコザ市から石川市へちょっこっと入った所にあり、静かな佇まいの中の山小屋風の建物が会場です。今年は6名の作品がバルコニーや庭の芝の上にまで並べられていました。オリジナルなものに加えて遊び心の感じられる意欲作、魚をデフォルメしたものなど手にとって見るだけで満たされた気分になります。酒屋さんとのタイアップ商品は古酒2合入りの小さな壺、口を飾る紅型の布がこげ茶色の肌に映えて可愛らしいです。中には夫々「人生半分酔っぱらい」・「あとの半分ふつか酔」の文字が焼き込まれ対で売るグッドアイデアものも。今回は知人のOさんの新しい色使いに驚きながら、どっしりと重い中鉢を買いました。生活の中で仲間の手作りのものが使えるのは嬉しいことです。飯を喰らう茶碗を見ていると、人を傷つけ心を荒ませる兵器を生産する軍事産業と対照的な平和産業の象徴のように思えるのです。

 11月7日は那覇市長選出発式のついでに創立32周年の陸自祭を覗いてみました。広い敷地に建物と道路と芝生、余計なものが一切無いという印象は4月に入ったキャンプ・シュワブと同じものでした。屋外展示の戦車や装甲車を見ながら進むと実に立派なガジュマルが。同行のYさんが思わず隊員に戦前のものかと尋ねたほどです。グランドではちょうど訓練展示が始まったところ。「前方の敵発見」と臨場感溢れるアナウンスのもと、軽装甲起動車やヘリから降りた隊員が匍匐前進しながら銃撃するかと思うと低空飛行のヘリからも機銃掃射が始まり、最後は手榴弾まで出てきて作戦成功となりました。後ろから急降下してきたヘリに図らずも"普天間"を体験しましたが大勢の観客の上をようやるよと"寒心"します。沖縄では急患輸送と不発弾処理をウリにする自衛隊ですが行政による募集業務も進み中学の吹奏楽部の指導をするなど浸透を図っているようです。

 11月の第二週、久しぶりに訪れた辺野古は施設局の潜水調査が一段落してか嵐の前の静けさという感じでした。数日前に中城湾新港へ見に行った固定ブイ櫓を積んだ台船が離岸したとの情報にいよいよだねと言い合っておりましたが、次の週には辺野古沖に現れ阻止船との攻防が展開されました。今はリーフ内に組み立て中の単管足場を巡る闘いですが、業者は土曜日も休まず作業する勢いです。20日の名護市役所包囲行動(370名参加)に続いて21日は金武や宜野座からも応援を得て船による海上デモが繰り広げられました。大きなサバニが紅色の帆を立てて進む様は実に絵になっていました。「海想」という名前も素的です。全国からのカンパで船(平和丸)もカヌーも増えて、休日はカヌー隊員養成日。昨年の春はほとんど遊び心で乗っていたカヌーですが真剣に転覆練習を繰り返しながら思うのは、この一年半の状況の変わりようです。(ゆ)