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沖縄・一坪反戦地主会 関東ブロック
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『一坪反戦通信』
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 第162号(2004年11月28日発行)

〈連続ティーチイン沖縄〉の試み

 8月13日沖縄国際大学の米軍ヘリ墜落事件で、沖縄は米国有事の最前線で暮らす恐怖に震撼したが、小泉首相は夏休みを口実に対応を避け、オリンピック、プロ野球問題などの報道は夥しく、瞬く間に無関心が日本社会を覆う過程に私たちはまた遭遇した。

 一方、沖縄では宜野湾市民大会に3万人が集まって事件に抗議し、新聞アンケートは8割以上が「辺野古移設」反対を表明した。これはデジャヴュか、始まりか、そう感じた人は多かったのではないか。自衛隊イラク派兵に至る時代状況に、第二次世界大戦への道を連想し暗澹たる気持ちになった人も。同時に、徐京植氏の「破局前夜が新生前夜となる、戦争前夜が解放前夜となる、そのまれ希な望みを、私たちは棄てない。」という言葉通り、これまで以上の決意で歩き始めた人も。

 墜落事件は住民の平和的生存権と同時に大学の自治権を侵害するものであり、9月20日沖国大での大学関係者・市民による緊急シンポジウムは、そのことも強く抗議した。また日本社会の沈黙と無関心に衝撃を受けた5名の大学人・研究者の呼びかけから日・韓209名の賛同を得てメッセージが届けられ、ここから、沖縄でいま起きていることを知り、車座となって討論し、対話から学び、未来へつなげる〈場〉として、〈連続ティーチイン沖縄〉が始まった。

 第一回では(10月24日・一橋大学)真喜志好一氏が、沖縄の基地・開発による環境破壊、辺野古沖基地建設を進めるラムズフェルド米国防長官を環境保護義務から訴えた裁判、計画が普天間「移設」だけでなく1960年代に遡るものであったことを説明し、車座集会で日本の民主主義、民主化について問題提起した。
 第二回では(11月7日・東京外国語大学)波平恒男氏が数年来「現実主義」と自称されてきた基地受け入れ路線は今や現実を無視した非現実主義となっていると指摘し、新城郁夫氏は「ヤマト」社会の無関心に「死んでも仕方がない」と沖縄人を選別する人種主義があり植民地支配と連続していると述べた。

 第三回では(11月23日・東京都立大学)森口豁氏による「復帰」をはさむ沖縄の青年の12年間に氏自身の思いを重ねて描いたドキュメンタリー作品3本を観た後で講演を聞き、日本丸の船の舳先に置かれた沖縄は最も揺れながら行方が最もよく見えること、日本と沖縄の間にある複雑な関係を引き受け表現し続ける強さと愛情を学んだ。講師に恵まれ、沖縄からの発言に誘発されて、車座集会では幅広い年齢と経験を持つ参加者から沖縄との出会いや想い、自分たちへの問いかけが出される。

 ファルージャ総攻撃、辺野古沖ボーリング調査強行の事態の前で、闘いの現場と結びつきながら、自由で平等で平和な世界を目指す動きにつながる言葉・思想を「発明」する場所が必要だろう。抗議の声をあげながら、ティーチインを続けていきたい。

 次回〈連続ティーチイン沖縄〉は、12月18日国際基督教大学で、石川真生氏を迎えて行われる。

(水谷 明子)