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『一坪反戦通信』
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 第162号(2004年11月28日発行)

抗議要請書(防衛施設庁に当日提出した要請書)

防衛庁長官   大野功統 殿
防衛施設庁長官 山中昭栄 殿

辺野古への海上基地建設・ボーリング調査に反対する実行委員会

 私達実行委員会(26団体で構成)は、普天間代替施設建設と称し進められている辺野古沖海上基地建設とそのためのボーリング調査に強く反対している。県民の81%が反対している本建設工事は直ちに中止し、白紙撤回するよう要請する。

一、貴職らは本工事において去る11月20日午前、ボーリング用足場(スパット台船)の設置時、サンゴ礁を破壊した。破壊か所はリーフの外側で、平島側にある掘削ポイント3-13(防衛施設庁「地質調査位置図」による)。
二、西正典那覇防衛施設局長は去る25日、「サンゴが死滅して岩となったサンゴ礁と生きているサンゴは別だ。足場設置でサンゴ礁が削られたのは確かだが、われわれが作業上で細心の注意払っているのはサンゴを守ることだ」と発言した。この局長の発言について釈明し、謝罪・撤回せよ。
三、那覇施設局側は去る26日、基地の県内移設に反対する県民会議代表に対し、「きょうから海中に入り、破壊場所を調べている。結果は県に報告し、公表する」(建設企画課長)と発言した。破壊場所の調査結果を明らかにし、工事を中止せよ。


事業者としての責任はどこに
防衛庁・防衛施設庁に要請行動


 環境省に引き続いて、防衛庁・防衛施設庁に対して申し入れ行動を行った。

 まず冒頭に前項の抗議要請書を読み上げて手交し、続いて、11月17日の平良夏芽さんの電話メッセージ(施設局ダイバーによる海中での暴行を報告)のテープを流した。

 その上で、あらかじめ提出してあった質問事項についての回答を受け質問をぶつけていった。

 (1)本年9月9日以降の辺野古海上基地建設にむけた調査について、これまでの進捗状況を明らかにせよ。また今後の調査・工事予定について明らかにせよ。

 施設庁は、「普天間飛行場は市街地に所在しており、早期に返還をするということが大きな課題というふうに認識している。そのために、沖縄県をはじめとする公共団体と緊密に協議し、11年末の閣議決定に基づき代替施設の着実な建設に向けて、今取り組んでいる。ボーリング調査については、建設工事に先立って護岸構造の検討に必要なデータ収集を目的とする。これは県から同意を得た上で、去る9月9日から実施し、足場設置の作業を行っているという段階。今後の予定は、ボーリング調査が終わったら護岸構造の検討を始める。環境影響評価法に基づく環境アセスは平行してやっており、その後、工事に着手という運びを考えている。」「環境影響評価は約3年、4月から開始しているので、半年ぐらいは過ぎている状況。それから工事に約9.5年。ただし、先般のヘリの事故等からみて、1日も早くということがあるので、工期について短縮できる要素があるか技術的な観点から検討をしている段階。」と平然と回答した。

 早期に返還と言いながら、すでにSACO合意から8年が経っているのに、代替施設の完成する12年後に普天間を返還するという施設局の回答に、なかばあきれながら、参加者から怒りの声があがった。

 (2)辺野古新基地建設に81%以上が反対という沖縄の世論、名護市議会での賛否同数状況に鑑み、建設を白紙撤回せよ。普天間基地については直ちに閉鎖・返還せよ。

 これについて施設庁は、「普天間の飛行場の移設返還につきましては、市街地に所在していることもあり、一日も早くその実現にむけ、今まさに全力で取り組んでいる。政府としては、名護市辺野古沖に代替施設を建設するということが、普天間飛行場を返還するための最も現実的で確実な道であると考えている。」と同じ回答を繰り返した。

 (3)下地島使用について、外務省は米国からの通告はないとしているが、防衛庁・防衛施設庁はどうか明らかにせよ。

 この回答については、防衛庁職員が、「外務省と同様防衛庁に対してもそういった事実はない。在日米軍再編に関連しての普天間の代替としての下地島の使用といわれるが、そういった事実はない。」と答えた。

(4)金武町伊芸区への都市型戦闘訓練施設建設については、県知事も町長も同建設反対であり、建設を白紙撤回せよ。

 この問いに対する施設庁の答えは、「キャンプハンセン内レンジ4において、射撃訓練場を米軍が計画している。政府としては沖縄県、金武町等に対して説明してきているが、これまで流弾事故等起こっております経緯をふまえ米軍の安全対策に懸念を示し建設に反対している状況にあるということは承知している。ただ、その訓練場建設については、日米地位協定上、米軍が施設区域内において自らの予算で必要な施設を建設するという事案。公共の安全に配慮するということは、米軍は一定の配慮をしているものというふうに認識をしている。地元の懸念ということは充分踏まえ、引き続き米側に対し安全対策等に万全を期すよう申し入れていく。」というものだった。

 地元自治体が反対しても、今度は地位協定があるからだめだとくる。そもそも安全に配慮していれば集落の近くに戦闘訓練施設なんか作るはずがないのに。

 以上の回答を受け以下の質疑が行われた。(要旨)

実行委  サンゴ礁、サンゴを破壊したということについて、防衛庁、防衛施設庁はどういうふうに把握しているのか。

施設庁  現場に潜って状況を確認する予定だったが、天候の都合上入れなかった。今日、天候が良ければ、潜水調査を実施した上で事実関係を把握するということで、まだ報告は入っていない。現場の状況が把握できれば現地の施設局から県のほうにお伝えするという予定。

実行委  わからないわりには最後は違うということを局長が言っている。

施設庁  局長の意図しているところは、おそらく生きてるサンゴと死んでそこに置かれているサンゴという違いということを言っているんではないか。

実行委  死んでいるサンゴだと潰してもいいのか。

施設庁  つぶしてもいいというよりもそういう、あくまでも生きているサンゴをという意味でご発言なされたのではないかという、これはあくまでも推測です。

実行委  そういう作業を防衛施設庁の発注で行われていることに関してのあなたがたの監督責任というのはどうなっているのか。

施設庁  設置前、設置後、それから撤収ということで、少なくとも3回潜って把握する。

実行委  海底で殺人未遂的なことまでされているという状況について把握しているか。

施設庁  そういう状況があったということを新聞で知り、現地の調査会社の担当者に確認したところ、そのような事実はないということだった。安全対策には万全をというところが大前提だと考えているが、船を出している方々も海上保安庁から話しがあったとおり節度をもってというのが私共の希望。

実行委  問題なのは作業中にどれだけ発注者としての監督責任を全うしているのかどうなのか、そういう体制をどれだけ造っているのか。壊れてしまって、予定以上のことが起きてしまった場合にあなたがた責任を取れないでしょう、現場にいないんだから。

施設庁  調査位置を選定するときに、専門家にも助言を頂いている。事前に配慮をしている。

実行委  専門家って。所属、名前、文献、国際的には専門家として通用しませんよ。

 若干はオーバーしたが、20分という防衛施設庁の設定時間では、施設局の回答についての疑問点を問うにも全く足りない。また続きを設定することを要請し、今回の行動を終えた。