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『一坪反戦通信』
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 第162号(2004年11月28日発行)

付録

環境省・防衛施設庁への緊急申し入れ行動の報告(2004年11月29日)
主催:辺野古への海上基地建設・ボーリング調査を許さない実行委員会



要請趣意書(事前に環境省に提出した趣意書)


 今年9月以降、那覇防衛施設局は名護市辺野古沖合に新しい米軍基地を建設するためのボーリング調査を開始しています。この調査に対して地元住民から環境破壊であるとして中止要求が出されています。
 最近の辺野古の調査作業によるサンゴ破壊について、小池環境大臣は「防衛施設庁に対して、しっかりアドバイスする」と発言されてようであるが、環境省として具体的にはどのようなアドバイスを行われるか伺いたい。
11月25日、世界自然保護会議IUCN日本政府に対して「ジュゴン・ノグチゲラ・ヤンバルクイナの保全を求める勧告」を採択したと報じられていますが、貴環境省としてはどのような対応をなされるか伺いたい。
 併せて、現在進行中の那覇防衛施設局による環境破壊の工事を即時中止するよう、防衛施設庁に働きかけることを要請しいたします。



サンゴ破壊について環境省を追及
報告待ちではどう「アドバイスする」のか?


 辺野古への海上基地建設・ボーリング調査を許さない実行委員会(一坪反戦関東ブロックなど28団体で構成)では去る11月29日午後2時、辺野古で強行実施されているボーリング調査に抗議して環境省へ申し入れ行動を行なった。

 参加したのは実行委員会構成団体の22人で、対応した環境省側は4人。

  去る11月20日午前、辺野古で強行されたボーリング調査で足場(スパット台船)の設置時にサンゴ礁が破壊されたため、この申し入れ行動では破壊現場の写真を示して、「どうしてこうなったのか!」と強く抗議した。また去る11月25日にIUCN(国際自然保護連合)がジュゴンなどの保護を日米両政府に求める勧告決議を採択したため、辺野古への移設作業中止を環境省が防衛施設庁へ働きかけるように実行委員会では強く要請した。

 サンゴ破壊について小池環境相は去る11月24日、調査によってサンゴへの影響はないと言っていたのに現状は違うではないかと質問され、「しっかりアドバイスをいたします」と答えている。「いったいどうアドバイスする」のか、についても実行委員会は追及した。

 しかし環境省は・新聞報道などで知っているだけ・防衛施設庁からのサンゴ破壊箇所潜水確認の報告を待っている・破壊現場をまだ見に行っていない。見に行く予定はない・実行委側から示された破壊現場写真も初めて見たーーなど、事業者(那覇防衛施設局)からの報告待ちの姿勢。防衛施設庁は「同じ国の機関だから信頼している」と回答した。

 またボーリング調査をアセス(環境影響評価)の対象外にするのは法律上やむを得ず、対象になる「工作物」などにあたらない−−などと発言。アセスの前にボーリング調査が行なわれることで辺野古海域の形状が大きく変えられてしまい、取り返しのつかない事態に既になって来ていることについてはまるで認識なし。だがIUCN勧告は国内法で対象外だと、アセスが無意味になってしまうので対象にすべきだという「国際法」理性から決議されているのである。

 第一、事業者からの報告といっても、サンゴを破壊してしまった側なのだからなるべく報告などしたくないことは明らか。それを待っているのでは、波が高いためとかいろいろ理由をつけて事実確認を遅らせられるだけであろう。

 それでも環境省は昨年9月に防衛施設庁に対して助言した、と回答。法律上の義務があるわけではないのに、あえて助言したので無為無策だったわけではないという釈明である。しかし事態は去年9月よりも遥かに深刻な局面に入っており、この重大な時に何もしないのでは環境行政は不在に等しい。

 実行委員会ではさらに防衛施設庁からの事実報告への対応などについて、これからも追及を強化する予定だ。(吉田)