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沖縄・一坪反戦地主会 関東ブロック
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『一坪反戦通信』
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 第158号(2004年7月28日発行)

野口裕子の 沖縄レポート
 

   少し古い話になりますが伊江島で阿波根昌鴻さん100歳をお祝いする会がありました。その折に、基地の中で育った草花を良かったらどうぞという事で、グラジオラスが咲くはずの一鉢を頂きました。春が来る度に芽は出るのですが背丈だけ伸びて終わること2年、サボテンも枯らす私だからと不貞腐れておりましたが、何と3年目の正直で花芽がついたのです。黄がかかった朱色の花が次々に開くのを夢見心地で見つめたのは言うまでもありません。伊江島に向かって咲いたよーと叫びたいところですが、これには裏がありまして職場の彩子先輩が花壇に植え替えて面倒を見てくれた賜物なのです。情けない話です。

 育てるのは苦手でも見るのは好きな私の楽しみは仕事場へ行く途中のおじいの畑です。真四角な土地に幾種類もの野菜を次々育てていく様は憧れに近いものがあります。「あんた、どこの人ねー」と声をかけられて以来、カリフラワーを生で食べたいからと採れたてをわけてもらい、ある時はチリビラ(ニラ)を鎌でザクッと刈ってもらい、インゲンもホーレンソウも持ってけーですっかり友達(一方的?)になってしまいました。チシャを渡された時は、まるで花束を頂いた様な気分です。身内用に作っているそうで薬を使ってないのが何より有り難いです。春先にはうじら(うずら)豆を生でご飯に炊き込んで味わう豊かさは何とも言えず、ついでに豆を筵に広げて干す懐かしの風景を見ることができました。

 大きな声では言えませんが辺野古の妙おばぁが育てている紅芋の蔓を分けてもらいネコの額の土に植えて水遣りをしています。何とか芋の顔を見たいという私の願いを友人はせせら笑っていますが・・。

 これもローカルな話ですが地元に「憲法9条を世界に広め平和を求める南風原町民の会」ができました。今年の5月3日を黙ってやり過ごすわけに行かないと思い立った有志の皆さんが方々に呼びかけて4月の立ち上げの会には前町長、前教育長などの偉いさんや町職労、PTA役員など様々な面々が集いました。私もこれまで有事関連3法案や自衛隊のイラク派兵反対の決議を町議会で挙げて欲しいと要請した時に即、動いてくれた町議さんに声をかけられたので加わることにしました。会の目的を「憲法改悪に反対するとともに反戦平和の心を次の世代に引き継ぐこと」とし、その為に講演会、学習会など必要な事業を行うとしています。一過性の取り組みではなく継続するところが気に入っています。

 当日、サンニンの花が生けられた会場には80名程の人たちが集い、戦の語り部、与那嶺仁助さんの体験を伺い、県憲法普及協議会の山吉盛元さんの講演を聴きました。冷たいお茶や自慢の砂糖てんぷらも用意されました。南風原文化センターの方は会が始まるまで広島原爆のビデオを回して下さいました。私もダグラス・ラミスさんから「日本は本当に憲法を捨てるのですか?」という絵本仕立ての著書を預かり皆さんに買って頂きました。戦で村民の約半数(4467名)を犠牲にした南風原から改めて「9条と平和の尊さ」を町の内外、そして世界へ発信する”とき”なのでしょう。(ゆ)