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『一坪反戦通信』
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 第158号(2004年7月28日発行)


 ひんぷん

参院選後のこと

本永春樹


 辺野古への普天間代替基地建設計画は稲嶺県政の最重要課題である。ところが5月に沖縄タイムス社が実施した県議選予定候補者72名へのアンケートでは、稲嶺県政が掲げる普天間代替基地の「15年使用期限」に現在も意義があるとした者は全体の3割しかなく、しかも、自民現職県議の半数が15年使用期限の「意義」を認めておらず、また、普天間基地の「県内移設」に反対する者が与党候補者の中に3名いるなど、普天間替基地をめぐる稲嶺県政の対応に与党内部からも不満が高まっていることが明らかになった。

 そのような状況下で行なわれた参院選で、普天間代替基地建設計画の白紙撤回と普天間基地の無条件返還を掲げる糸数慶子さんが自公候補に大差で勝利したことで、稲嶺県政や日本政府は選挙結果の打ち消しに躍起となっている。一例を挙げれば、7月15日からサンフランシスコで行なわれていた日米外務・防衛当局の審議官級協議において、膠着している普天間代替基地辺野古移設の現計画に「米側が一定の理解を示していた」(7月21日琉球新報)と日本政府関係筋がリークするなど、日本政府は動揺しつつも世論の誘導を図り辺野古への移設計画を強行しようとする姿勢を崩していない。

 普天間代替基地計画の日米協議は水面下で進められており、その全容は明らかではないが、「ホワイトハウスのマイケル・グリーン国家安全保障会議(NSC)アジア上級部長は日米実務者協議で日本側が代替施設問題について現行計画推進を提示したことになお納得していない」(7月21日琉球新報)、とする発言からも日・米の認識には明らかに不一致が見られる。現在、米軍の世界的再編が行なわれており、在日・在沖米軍の削減が取りざたされている中で、普天間代替基地計画を推進する日本政府や稲嶺県政の姿勢は断じて許されない。

 沖縄のみが極端な基地負担を強いられている現実や環境問題などの面から、県民の多数が辺野古への普天間代替基地建設計画に反対している。辺野古への基地建設は現時点においては客観的に困難であると思われる。しかし、一方で、辺野古への代替基地建設が巨大な「公共事業」としての側面を持ち、沖縄社会におけるかつてない巨大な「利権」であるという側面を看過してはならない。良し悪しは別にして経済的利益が社会を動かす重要な要因であることは否めない。だからこそ日本政府や稲嶺県政は必死なのだ。公共事業に支えられてきた沖縄社会がこの誘惑を断ち切り、自立した経済基盤の構築を志向していけるか否かが問われている。

 辺野古現地ではボーリング調査・代替基地建設阻止の座り込みが連日行なわれており、3か月が過ぎた。この間辺野古のオジー・オバーを先頭に県内・県外から延べ7,254名が座り込みに参加した。この座り込みが直接的にボーリング調査・代替基地建設を阻止している。この座り込みがボーリング調査・代替基地建設阻止の広範な世論を作りだしている。参院選の勝利はこの闘いと密接に連関している。

 何度も言うが、辺野古現地での座り込みが直接的に那覇防衛施設局を踏み止まらせている。そして、辺野古現地での闘いと併せていま叩くべき相手は稲嶺県政である。参院選での民意を全面に押し出し、稲嶺県政へ政策変更を迫り、やがては稲嶺県政を打倒し、普天間基地及び那覇軍港の代替基地建設計画を完全に粉砕するための全県民的な「島ぐるみ」の闘いを早急に進める必要がある。もちろん全国的な世論で日本政府も同時に叩かなくてはならない。日本政府や稲嶺県政は動揺している。いまが好機である。


 行動報告
6月23日 
6.23国際反戦沖縄集会が糸満市で行われました。
7月16日 
辺野古ボーリング調査阻止緊急集会が那覇市の県民広場で行なわれました。参院選沖縄選挙区で当選した糸数慶子さんや高校生も参加しました。緊急の取り組みでしたが、100名近くの参加者がありました。集会終了後、国際通りをデモ行進しました。