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沖縄・一坪反戦地主会 関東ブロック
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『一坪反戦通信』
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 第158号(2004年7月28日発行)

会員からの寄稿

普天間・辺野古雑感

中地 弘志

 何かことある度に聞かされる政治家の空虚な美辞麗句。曰く、「沖縄の人たちには、基地のことでいつも多大な負担をかけ、感謝、云々」と。今年も、小泉首相が先月23日の沖縄の「慰霊の日」式典において、「沖縄は今なお、米軍施設・区域の集中が県民生活に大きな負担となっている。政府として県民の負担軽減に誠心誠意努力する」と挨拶したそうな。(6/23毎日)そんなこと言う位なら、普天間基地のひとつやふたつ位は今すぐにでも皇居か霞ヶ関に「お持ち帰り」すればいいじゃないか。(即時無条件全面返還でもいいよ)

 と書くと、「何をいまさらそんなことを!今まで政府が沖縄にしてきたことを見れば、そんなことはただの外交辞令であることは分かり切っているじゃないか。中地よ、トゥルバル(ぼんやりする)な。しっかりしろ!」と、反戦地主の先輩諸氏からきついお叱りを受けそう。

 というわけで、もっといいネタはないかな、元気が出るようなネタが欲しいなと思っていたら、あった、あった。元気は出ないが、ワジワジーするようなネタが。インタビューの日付ははっきりしないが、ウォルター・モンデール元駐日米大使が朝日新聞社の本田優記者に語ったところによれば、普天間移設先の沖縄封じ込みを決めたのはアメリカではなく、日本政府だったそうな。(P524、「日米同盟半世紀」朝日新聞社 外岡秀俊/本田優/三浦俊章共著 2001年発刊)やっぱりそうだったのか。俺たちは騙されたんだ。

 1996年に当時の橋本龍太郎首相が普天間の件を電撃発表したときには、何となくすべてがアメリカ主導で決まったように思ってしまったが、橋龍がその気になれば移設先は自分の地元の高知県に決めることもできた筈だったのだ。ただ、地元の選挙民の怒りが怖いから実際にはそんなことは出来ない。だから、沖縄の基地は沖縄に封じ込めるしかなかったと、大体そんなところだろう。

 ああ、俺たち沖縄人はどこまで人がいいんだろう?あと何回騙されれば賢くなるんだろう?今、辺野古で新基地建設反対の熾烈な闘いが繰り広げられているが、大半の日本人はそれを知らない。いつものことながら、本土のマスコミが冷たいからだ。辺野古のオジー、オバーたちの、それこそ文字通りの体を張った闘いもどこ吹く風、日米安保の「甘い果実」だけは、しっかりと貪っている。「おいおい冗談はよせよ。日米安保がおいしいわけないだろ」と、これまた、先輩諸氏に怒られそうだが、6、7割位の日本人が日米安保を支持しているそうだから、おいしいんじゃないの、たぶん。一番の問題は、おいしい(?)ところだけはしっかりと貪っておいて、いやなこと(自分の地域での負担)は無知・無関心を決め込み、他者に押し付けておきたいといういやらしい根性。そして、「不公平な政治」以前の問題として、「不公平な本土のマスコミ」の問題がある。
 そうだ、僕もこうしちゃいられない。これからどしどしNHKに電話攻勢をかけて、不公平な報道を改めさせよう。そして、辺野古支援カンパをどしどし(とまではいかないが、なるべくそれに近いような)送ろう。毎週月曜日の防衛施設庁本庁前での抗議行動にも参加しよう。