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『一坪反戦通信』
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 第157号(2004年6月28日発行)

 ひんぷん


座り込み行動を軸にボーリング調査を阻止していこう 

 二〇〇四年四月七日に県知事は那覇防衛施設局に対し、「公共用財産使用協議書」への同意書を提出した。反対運動にあって、予定よりも三ヶ月遅れである。施設局は四月一六日に事業の着手届けを出し、一九日(月)から地質調査(ボーリングと弾性波調査)と海象調査を開始することになった。地質調査にあっては、手始めに六十三箇所の再チェックをし、不発弾の電磁波による探索したうえで、櫓をかいてボーリングをするもので、同時に八箇所づつ施行して半年を要する。

 一九日の早朝五時過ぎ、施設局と業者およそ八十名が辺野古漁港に現れ、作業ヤードの設置と潜水調査を実施しょうとした。当初ヘリ基地反対協等およそ四十名が対峙する中で作業ヤードが完成するころには、およそ百二十名に増え、機材持込と潜水調査を食い止めた。田名施設局広報室長は「今日は作業を断念し、引き上げる」といって引き上げたが、九時過ぎに再度登場したが、押し返した。

 二〇日以降作業ヤード前で朝5時過ぎから連日およそ百名で座り込みを継続したが、名護漁協辺野古支部が朝夕七時に漁港の扉を開閉することになり、座り込みは朝は七時から夕方の六時ごろまでとなった。その後施設局職員九名が四月二七日、二八日、二九日に「作業をさせてほしい」と言ってきたが、「住民説明会さえやらないで、作業するのはなにごとか」と説得して押し返した。阿波根昌鴻さんの非暴力主義で対応する。

 名護漁協からは、辺野古等の漁民からの調査船としてのチャーター船が出港できないため、収入が入らないとの苦情への打開策の要請が名護市長にあったが、座り込みを解除させよとの要請ではなかった。漁民に威圧感を与えないために、五月一日から座り込み場所をゲート外に移した。朝はテント張りにはじまり、漁港内を歩くときは必ず歩道を歩くこと等漁民に一切迷惑をかけないことや住宅地は徐行するとの注意事項を確認して、一日の座り込みに入る。昼飯は参加者が二百円づつカンパし、女性たちが団結弁当をこしらえてくれている。
 施設局はキャンプ・シュワーブ内に作業現場を置き、そこから座り込み現場の状況をさぐり、隣部落の豊原の旧公民館で待機している業者と連携して、現場にやってくる。何日何時ごろにやってくるかはまったく予想できないので、緊張が続く。緊張をほぐすためにAさんにはヨガ体操を、Mさんにやんばるの草花についての五分間講座をやってもらっている。また施設局が帰った後にはK師匠のサンシンに唱和したりする。

 アスファルトの車道が焼けるほどに熱かった、その翌日は土砂降りでテント内のムシロが濡れる。徐々に疲労が溜まっていく。カヌ−隊メンバーは一人二役でなおさらである。

 座り込み団と連携して、基地の県内移設に反対する県民会議の山内徳信代表等が五月一〇日に七項目の公開質問状を持って那覇防の田名室長と談判した。山内代表が沖縄の苦難の歴史について講話したうえで、「住民説明会を開催し六十三箇所ボーリングの根拠を説明せよ」、「小泉首相の国会答弁にふまえて、調査を強行するな」等々の具体的要求を突きつけた。五月二四日を回答日としたが、口頭回答であったために、再度文書回答日を五月三一日に指定した。回答日までは現場に来ないのが常識であるが、二五日、二六日、二七日と現場にきた。スケジュールを貫徹するのが官僚の習性である。

 この間、琉球新報が「キャンプ・シュワーブ内からの調査」と大きく報じたが、米軍側が使用を許可してないことが判明した。また中城港内にボーリング機材が置かれていることが判明し、緊張が高まった。

 四月二八日には那覇防は環境影響評価法に基づく方法書の公告・縦覧を開始し、六月一六日が意見書提出の締め切り日であり、座り込みテント村においても、「座り込み行動の継続がボーリング調査を阻止するのだ」と思いつつ、ジュゴン監視団の参考資料を使い、「あまりにもでたらめな意見書であり、撤回してやり直せ」とか、「住民にとって重大事である騒音について、回転翼機だけの記載で運行回数や行路に記載がなくて、騒音測定はできない、ばかにするにもほどがある」等々数多くの意見書が出ている。

 新聞の世論調査で辺野古への移設は七%であった。県議選も六月一三日に終わり、参議選の公示が六月二四日で、投票日が七月一一日である。また国際サンゴ礁シンポジウムが百カ国以上、およそ千五百名の参加者で沖縄コンベンションホールで開際される。

 このような有利な情勢を生かすにも座り込み者が日に日に増えていかねばならないと考えるが、六月七日の週に入ってからは六、七十名と減っている。

 当分強行突破はないだろうと参加を控えるのでなく、日々参加者が増えれば当局はボーリング調査を断念するに違いないと決意を新たに参加してほしい。

 都市型ゲリラ訓練場反対闘争を開始している伊芸区から女性たちがテント村にきて、カンパをし,座り込みをした。連帯が広がりつつある。七月上旬にも伊波市長等が訪米し、普天間基地の五年以内の閉鎖を直訴する。今こそ反基地闘争に全力を傾注すべき時である。

 辺野古での座り込み行動を軸に、那覇防衛施設局にボーリング中止を迫る大衆行動やアセス方法書批判行動、また糸数候補の当選等等、総合力で海上基地建設に向けたボーリング調査を阻止していこう。 
 
  二〇〇四年六月一三日
                        当山栄(沖縄平和市民連絡会事務局長)