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沖縄・一坪反戦地主会 関東ブロック
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『一坪反戦通信』
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 第154号(2004年3月28日発行)

関東ブロック運営委員 野口裕子の

沖縄レポート


 ごぶさたしております。今回から復活しますのでよろしく!最近、面白かった話から。

 先日、友人と那覇市壺屋のやちむん(焼物)博物館に行きました。現在の県庁を建てる時に昔の釜跡が発見された事や戦後復興の先駆けとして壺屋で茶碗作りが再開された事など面白く拝見しました。ちょうど昼飯時であったので、その名も“つぼや”食堂へ入りました。各々違うものをと迷った末にトーフチャンプルと野菜チャンプルを注文したのです。まず出て来たのは、もやしが沢山あるがトーフチャンプルらしい。メニューにはもやしチャンプルもあるけど、これを頼んだらすごい量のもやしだろうね、とヒソヒソ話をしていたら次に来たのは多分野菜チャンプル。箸をつけようとしたのですが持ってきた娘さんが二つの皿を見つめて困惑しているではありませんか。つられて見比べると殆んど同じ食材! 唯一絹さや対青ネギが違うメニューであるとアピールしているのですが・・・。彼女は本当に恐縮した様子ですみませんと謝るので、あれあれと思っていた当方もおかしくて笑い出してしまいました。ついでにカウンター越しに親父さんを見ると、作ってやったぞとばかりにシャーシャーしている様子。更に笑いが昂じてまともに食べられず困ってしまいました。

 チャンプルにトーフは付きもの、から考えると一番区別し難いメニューの取り合わせだったのでしょう。でも栄養のバランスからして食材が多い方が良いのは言うまでもなく、どれを注文しても後悔する恐れがないことはメリットと言えることでしょう。機会があれば皆さんも試してみてください、つぼや食堂以外の店で。ともあれ何度思い出してもおかしくて暫く楽しめそうです。つぼや食堂に乾杯! 今度は、もやしとトーフの組み合わせで、と秘かに策を練っている意地悪な私です。

 次は怒っている話です。このところ話題になっている米軍再編の一環であるのかどうか、北部のキャンプ・ハンセン内に陸軍の都市型戦闘訓練施設が造られようとしています。県内移設ならぬキャンプ内移設ですが、やり口は一緒、損耗したレンジ16の使用を止める代わりにレンジ4に新たにグリーンベレー(特殊部隊)が突破訓練や高角度の射撃訓練に使う施設を6棟も建てるという代替施設どころの話ではないのです。

 地元金武町や県の建設撤回要求も何のその米軍は必ず造ると言い、日本政府は“安全対策に配慮されており計画を尊重している”のですからこれ以上危ない事はありません。

集落からは300mという近さにレンジ4があり、これまでに流弾による人身事故や山火事で脅かされてきた伊芸区民は2月11日に総決起大会を開くことを決めました。私の住む南部ではヘリや戦闘機が上空を通過しますが近くに米軍基地がないことで中・北部との差を感じずにはいられません。思い立ったが吉日で初めて伊芸区へ。静かな集落の空には爆音、山からは射撃音が聞こえます。何と泡盛「松藤」の製造元もあります。

 「豊かな水、美しい緑の山をとりもどそう」と大会スローガンの掲げられた会場には敷きつめられたブルーシートに赤鉢巻姿の大人も子どもも一杯しています。この光景って96年の勝連町民大会(辺野古より前にホワイトビーチ沖がヘリ基地候補とされたため)以来ねーと感慨に耽っていると何とその時に案内して頂いた光枝さん&東浜さんが今日はメッセージを届けに来ているではありませんか!

 2時から始まった大会の中程の“意見発表”があり、青年会、婦人会、老人会、子ども会(懐かしい詰め襟姿の中学生でした)などはおなじみとして、子ども育成会、成人会から各々の代表が「防衛施設局職員は現地を見る事もなくき“安全だ”と言ってのけた。米軍の言うことを鵜呑みにしている。」、「グアムでは流弾の恐れがあるとして建設を断念した施設が金武町では安全になるのか! どこが基地の負担軽減になるのか!」と訴えました。最後に決議案とスローガンが採択され、いよいよデモの出発です。隣の女性に聞くと区民800名の内250名位、出ているはずよ、と答えが返ってきました。“伊芸住民に銃を向けるな”“日本政府は区民の命を守れ”などと書かれたプラカードが参加者の数ほどあります。住宅地を抜けて国道329号線沿いに北上、左折して山へ向かいレンジ4に近いゲート前まで“伊芸地区をいくさ場にするな”とシュプレヒコールをあげながら全員プラカードを持ってのデモは壮観でした。

 金武町では3月中に代表団を東京へ送る予定の他、レンジ4の監視台を建てることも検討中です。米軍が工事を落札した長崎の業者と近々契約を結び、1ヶ月以内の着工が予想される中での住民の起ち上がりです。