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沖縄・一坪反戦地主会 関東ブロック
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『一坪反戦通信』
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 第154号(2004年3月28日発行)

反戦地主の発言集

〜第3回公開審理の事前集会にて〜

宮城正雄さん(反戦地主会副会長)
 今日の公開審理は国や防衛施設局が土地を取り上げようとする、これに対する釈明を求める闘いです。その中で不当性、不法性、そして矛盾を暴き出して国の土地取り上げを絶対に許さない、闘いの場にしなければならないと思います。

 普天間基地に関して言えば、SACO合意が5年ないし7年を過ぎました。それでも沖縄の県知事や政府関係者はSACO合意を着実に実行する、こういうことを言っているんです。7年が過ぎてもこういうことをぬけぬけと言っている。

 さらに矛盾が深まっているのはアメリカの国防長官が沖縄に来てヘリコプターから普天間基地を視察した。国防長官の思惑はどうであれ、「普天間基地は市街地の真ん中にあって非常に危険が伴う、事故が起こらないのがおかしい」そして辺野古沖に海上基地を作るものについても、もう時効だと言わんばかりの見解を記者会見で表明しました。ここまで矛盾が深まっているわけであります。

 私たちの闘いは、小泉内閣が自衛隊をイラクに派兵する、憲法を改悪する動きが緊迫している、教育基本法も、こういう情勢と関連して反戦平和の運動の大きな柱の一つとして団結を固め、この沖縄から闘いをもう一度掘り起こして発展させていこうではありませんか。

照屋秀傳さん(反戦地主会会長)
 反戦地主は孤立しているということで心配をされている方もいますが、そうじゃないんですね。去年の今時分は、アメリカはイラクを狙って臨戦態勢に入っていたわけです。3月20日に攻撃を開始をして三週間ぐらいで戦争は終わったと言っておりますが、あれから一年たってどうなっているのか。小泉首相が言っていた国際協調はどうなっているのかということを考えてみますと、ブッシュはますます国際社会から孤立をしつつある、小泉総理大臣もアメリカ一辺倒で段々化けの皮が剥がれつつあります。あさっては3・20の国際的な反戦デーが起こります。「アメリカはイラクから手を引け」「自衛隊もイラクから手を引け」。こういう声が世界の津々浦々に広まっています。

 私たち反戦地主の半分は、明後日から伊江島で、阿波根昌鴻さんの反戦平和の思いを三度四度思い起こそうではないかということで、勉強会があります。三周忌にも当たります。この阿波根さんの土地闘争から伊江島の先輩たちのあの本当に血のにじむような土地闘争から我々は何を学ぶのか、30年たっても、60年たっても私たちが受け継ぐべき遺産が沢山残っています。

 世界的な、国際的な反戦闘争から何を今学ぶのか。私たちの兄貴や親父たちが母たちから、何を学ぶのか、ということが今若い人たちに問われている。それから考えると、僕も70近くなっておりますが、やはり自分たちの子どもたちにつながっていっているのかなという形になると、まだまだ、そこまでは行っていないなあと実感をします。

 今日は若い人たちも沢山来ています。非常に心強く思っています。私たちも数は少なかったんですが、最近は増えています。反戦地主も年々数は増えてる。そういうことを皆さんに申し上げて私たちの地道な活動ではありますが、やはり国際的な中で考えると、私たち反戦地主の闘いはまだまだだなあと自己反省をしながら、今日の第3回公開審理を闘っていきたいと、そういうふうに思っています。

謝花悦子さん(伊江島土地を守る会)
 阿波根昌鴻が亡くなって3年になります。阿波根は亡くなる一月前に「平和が見えない。あの世に行ってまでも平和運動をやらなければいけないか」という言葉を遺しました。そして一周忌の3月21日、その戦争が20日に始まりました。私はどうお詫びをしていいか、そしてどう報告していいか、言葉を失い、今日まで自問自答し、自分の無力さに大変辛い思いをしております。今日もここまではどうしても反戦地主や仲間の皆さんのお顔を拝見したく思いまして、高岩さんの車で参加させていただきました。

 伊江島の状況は本当に大変なところに来ております。伊江島だけじゃなく、嘉手納、普天間と続いて、阿波根の意思に反する報道をうかがっております。

 阿波根は、「魂は永遠だ」と言われておりますので、この式場にも参加されていると思います。沖縄の基地の解放は世界平和だと思います。私たちはその解放まで命ある限り、そして次の時代に引き継いでもらうために、先輩として責任をもって命の尊さを訴えていかなければいけないと思います。

 この前のブッシュさんの言葉。あのテロ事件の数千名、数百名の犠牲者が出たことに対して、「罪のない人たちを殺すということは許せない」と言った。自分のやっていることがわからないのかと、わたしは頭に来ました。まだまだ幼稚であるのか、自分の行動を意識してないみたいですから。阿波根は、「平和運動というものは相手の過ちを正し、教えていかなければいけない」と言っておりました。その時に私は阿波根の言葉を思い出しました。

ですから、命を守ると言うことは、いかに大事な働きであり、運動であるかということをぜひ後世に教えるために事あるごとに結集してもらいたい。そして伊江島からもさせてもらいたい。阿波根と共に、そして20日、21日の思いもそういう方々、沢山の方々の思いが表れて、話されて、私は聞かされて、とても感謝しております。阿波根は死にきっておりません。生き続いております。ぜひよろしくお願いします。

有銘政夫さん(違憲共闘会議議長)
 この収用委員会の場で今、防衛施設局がやろうとしていること、国がわたしたちに押しつけようとしていること、少しでも暴き出して全県民に知らせていく大きな使命があるだろうと考えます。公開審理の場がそういう形で進めることができれば、幾分なりともこの矛盾、そして沖縄に対する戦後処理もしないままに新たな差別を押しつけていく、そして総体としては、憲法改悪し、再び戦争への道へ引きずり込んでいく、有事法制、そしていろいろな関連法案が目白押しに用意されて、こういう時期ですから、やっぱり私たちはホコを納めることなく、全国民の前にきちっとこの実態を明らかにするという闘いを組みたいと、こういうふうに思います。
(テープ起こし編集  関東ブロック)