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沖縄・一坪反戦地主会 関東ブロック
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『一坪反戦通信』
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 第154号(2004年3月28日発行)

ひんぷん


新連載「沖縄コーナー」のタイトルは「ひんぷん」と決まりました。

ひんぷん:屏風の意味。沖縄の屋敷の庭に悪霊よけも兼ね、表から屋内が見えないように立てる「顔隠し石」のこと。)


普天間基地について

 私たちの一坪共有地に関しては、既に審理が始まった普天間基地に加えて、3月18日からは嘉手納基地の審理が始まります。ここでまず、普天間基地の概要を述べたいと思います。

 普天間基地は、アメリカ海兵隊第3海兵遠征軍第1回兵航空団第36海兵航空軍が使用する飛行場で、ヘリコプター部隊を中心に71機の航空機が配備されています。普天間基地の主な施設は、「滑走路(2,800m×46m)、格納庫、通信施設、整備・修理施設、部品倉庫、部隊事務所、消防署があるほか、PX、クラブ、バー、診療所等の福利厚生施設等の設備があって、航空機基地として総合的に整備されている。」(沖縄の米軍基地:沖縄県基地対策室)となっています。なお、私たち一坪共有地は、滑走路先端の誘導路部分となっているようです。

 普天間基地は宜野湾市の中央に位置し、施設面積は480万5千平方メートルです。これは実に宜野湾市全面積の24・7%を占めており、普天間基地を取り囲む形で市街地が形成されています。住宅地や学校が基地と隣り合わせで建設せざるを得ません。また、基地は道路網整備の障害にもなっています。このように普天間基地は都市計画上の障害になっているだけでなく、航空機騒音、墜落事故の危険性、環境汚染など市民生活にさまざまな悪影響を及ぼしています。

 普天間基地内及び周辺では日常的にヘリの離発着や旋回訓練が行なわれており、これにより「基地周辺住民に甚大な航空機騒音被害をもたらし、聴力の異常、授業の中断、睡眠不足による疲労の過重など住民の生活や健康に重大な悪影響を及ぼしてい」ます。(沖縄の米軍基地)。

 また、最近は低周波音の問題が顕在化しています。低周波音は音としては体感できませんが、頭痛やイライラ、不眠、吐き気などの健康被害を生じさせると指摘されおり、昨年3月に行なわれた沖縄県文化環境部の調査では、一週間のうちに90デシベル以上の低周波音(建具ががたつく程の大きさ)が170回確認されるなど、騒音被害と合わせて周辺住民の健康への影響が懸念されています。

 1996年3月の日米合同委員会で嘉手納基地と普天間基地の航空機騒音規制措置が承認されましたが、それ以後も騒音は増加傾向にあり、特に「9・11」以降の騒音発生件数の増加が顕著となっています。現在、嘉手納基地や普天間基地の周辺住民が原告となって爆音訴訟が闘われています。今後の裁判の動向が注目されます。

 復帰以後、普天間基地に所属する航空機墜落事故等の発生件数は、2002年12月末現在で計77件となっています(沖縄の米軍基地)。いずれも基地内や山奥・海上での事故にとどまっていますが、住民地域に墜落する危険性は拭えません。昨年11月にラムズフェルド米国防長官が普天間基地を視察した際、市街地に位置する普天間基地の危険性に言及したと言われています。

 騒音等以外の環境汚染の問題については、基地内からの汚水や油脂等の流出や廃油等の焼却による大気汚染等の問題が取りざたされています。また、基地内ではさまざまな化学物質が使用されていると思われますが、その実態を確認する手段がなく、深刻な環境汚染への不安が拭えません。

 ざっと見ただけでも普天間基地はさまざまな問題を抱えています。これらの問題を徹底的に明らかにし、不当な強制使用手続きを弾劾し、このような基地のために私たちの土地を取り上げている国を糾弾し、普天間基地を無条件で返還させ、私たちの土地を取り戻しましょう。公開審理への皆さんの参加を呼びかけます。


「海兵隊のイラク出撃を許さない・普天間基地閉鎖を要求する基地行動」 

 2004年3月7日午後3時から、普天間基地の330号線沿いのゲート前で、沖縄平和市民連絡会主催の「海兵隊のイラク出撃を許さない・普天間基地閉鎖を要求する基地行動」が行われました。参加者は約80名、子どもを連れた家族の姿もありました。

 当山栄さんや平良夏芽さんなどの平和市民連絡会の面々をはじめ、たくさんのプラカードを作って参加した知念ウシさんは、「米兵は英雄じゃない。沖縄人にとっては、[侵略者・インベーダー]だ。」等のプラカードを紹介しました。

 ゲート前では、ジグザグデモで気勢をあげ、参加した子どもたちも楽しそうでした。