軍用地を生活と生産の場に!
沖縄・一坪反戦地主会 関東ブロック
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『一坪反戦通信』
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 第151号(2003年11月28日発行)

ヤマトは沖縄の声にどう答えていくのか

 一一月一六日(日)、「辺野古の海に新基地を許すな!ボーリング調査の中止を求める集い」に参加した。会場はほぼ満員、壁にたくさんの資料やら写真が張り出されていた。遅れての到着で見る時間が無かったのが残念であった。

 辺野古の海が執拗に狙われてからもう七年が経つ。九七年暮れの市民投票で、政府・防衛庁を向こうに回し勝利を決めたのに何たる局面を迎えたものだろう。

 集会には、辺野古の「命を守る会」からおいでの六人の他、自然保護団体の方々からの報告や発言も有りとても良い集会であった。七年たち知事も替わり一時の勢いがつぶされた今は、環境をはじめとする学術団体や、人権の視点等世界からの視線がとても大きな力になる。運動の広がりに期待を寄せる事が出来たのはうれしい。現地ではジュゴンの黙視調査なども始めているという。あきらめないことが大事だ。

 カンパ要請の中で「沖縄にだけ基地を背負わせ続けていいのか、いつになったら沖縄は基地から開放されるのか。基地はどこにも要らないと思っていたが、この際基地がそんなに必要と思うならば東京に造ってと言いたい」と厳しい発言があった。事それほど国民の関心を呼ばず、逆に軍事優先政策の横暴がまかり通っている。「命を守る会」の金城祐治さんも、「人口百三十万の沖縄県民がどんなに反対してもこの状況だ。人口千二百万の東京都民は反対しましたか、反対していたならば事態は変わっていたはず」「反対しないのなら基地はあの東京湾に造れば良いんじゃないか、どうして辺野古なのだ」と苛立つ。まさにそのとおり、重く受け止めたい。

 基地問題はローカルな沖縄問題ではない。戦争はいやだ、戦場はどこにも有って欲しくないと思うのならば、迷う事なく一人ひとりが軍事基地の存在を認めないこと。まして新設などもっての他だと態度表明をすれば良いだけのこと。翌一七日は政府へ要請に行かれるという辺野古の女性達の態度は明快だ。

 私は、この集会の二週間前にヤンバルの森や辺野古の海に行く機会があった。ボートに乗り長島・平島にも渡った。青く澄んだ海は穏やかでリーフに白波が立ち、島から眺む辺野古やヤンバルの風景は、物こそ言わぬが万物の生命のあるがままの自然を感じた。軍事基地にこれを越える価値などあるはず無いことがすっとわかる。

 充分踏ん張っている沖縄の方々に言うのはとてもつらいけど、この自然の財産を守るのに県民もまとまって欲しい。政府や米国は色々言い立てるけど、沖縄の県民に「外交上」の都合や政局など何の責任もない。今までがひとり、犠牲だったのだからひたすら「軍事基地など金輪際いや!」といえば良いのだ。後どうするかは全国民の課題だ。

 No!Warを叫び大勢でデモや反対行動をしたのに、私たちはイラク戦争を止める事が出来なかった。おしとどめようのない大きな力を錯覚しそうな昨今だが、No!Warを本当のものにするのに今私たちに出来る一番の早道は、新たな軍事基地の建設を認めない事に尽きる。基地建設を阻止する事が出来れば、瀕死の憲法第九条もイキイキと弾み、「安保」は自ずと性格を変えていくことだろう。

 きな臭いものから自分自身を守るためにも、ここは踏ん張りどころだと私は思っている。豊穣な海、豊かな自然を「大勢のみんな」で共有し永らえていきたいと切に思う。
               (YS)