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沖縄・一坪反戦地主会 関東ブロック
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『一坪反戦通信』
毎月1回 28日発行 一部200円 定期購読料 年2,000円

 第147号(2003年6月28日発行)

後藤聡の

沖縄・新刊案内



  1.    『沖縄ぬちぐすい事典』 ISBN4-9901407-0-2
            尚 弘子監修 2002.11.24 プロジェクトシュリ 2800円+税
    2.    『世替わりにみる沖縄の歴史』 ISBN4−944116−21−7
            伊波勝雄著 むぎ社 2003.1  1500円+税
    3.    『これならわかる沖縄の歴史Q&A』 ISBN4-272-52073-3
            楳澤和夫著 2003.1.20 大月書店 1400円+税
    4.    『沖縄を深く知る事典』 ISBN4-8169-1765-X
            同編集委員会編 2003.2.15 日外アソシエーツ 8500円+税
    5.    最新版『沖縄コンパクト事典』 ISBN4-89742-050-4
            琉球新報社編 2003.3.31 琉球新報社 2300円+税
    6.     目で見る『』那覇・浦添の100年」 ISBN4-87663-615-X
            船越義彰監修 2003.4.28 郷土出版社 11000円+税

 1の「ぬちぐすい」は「命薬」、食文化事典といったところか。監修者尚さんはもちろん、尚王家の末裔のお連れ合い、大田知事時代の副知事だったが袂をわかち基地容認派についた。
 2の著者は教育畑であちこちに教師くささがあり特に現在の記述は承服しがたいが小学校高学年から読める。 3は中学生以上から読める。
 4、値段がバカ高いが深く知るためには仕方がない。前に「沖縄を知る事典」が出版されている。ま、読む事典といったところか。
 5は1998年に出版されたものの増補版。約3400項目、こちらは使う事典として座右に置きたい。
 6はこれからシリーズで沖縄各地を出版予定。沖縄は当然だが沖縄戦で多くが灰燼に帰し、往時を知るにはわずかに残された写真が重要である。大きい版ではあるが、各地の図書館で購入されてはいかがか。

    7.    『あはごんしゅぎ』−写真記録 沖縄への旅
            大西忠保著 2002.10.21 PHOTOS舎 2300円(税込み)
    8.    『阿波根昌鴻』−その闘いと思想 ISBN4−434−02964−9
            佐々木辰夫著 2003.3.3.21 スペース伽那 2200円+税

 2002年3月21日101歳で亡くなられた阿波根さんを記念した本。後藤は病院で永遠の眠りについた阿波根さんとお会いし、生きている間に基地をなくすことが出来ずにすいませんと泣いた。
 7が「あはごんしゅぎ」と呼ぶのは平和を願い阿波根さんならどうするだろう、どう考えるだろうと思うことだという。いい写真がたくさん。
 8は文字通り阿波根さんの闘いの記録であり、沖縄に関心を寄せるものは必読であろう。2002年夏に那覇で偲ぶ会があった。その写真を見るとみんなニコニコしていた。沖縄の闘いは、いやになってしまうほどのんびりしているかもしれない、でも必ず沖縄から基地をなくしたいという願いを確信している、そういう笑顔だった。
(編集部注:8は本誌第145号に書評があります)

    9.    『軍政下奄美の密航・密貿易』 SBN4-931376-82-7
             佐竹京子編著 2003.1.20 南方新社 2000円+税
    10.    『全記録 分離期・軍政時代の奄美復帰運動、文化運動』 ISBN4-931376-80-0
             関 弘志著 2003.2.2 南方新社 3800円+税

 奄美が「本土復帰」したのは1953年だから、50年を記念して関係の書籍が出版されるのだろう。
 9は個人の証言を丁寧に集めたもの、
 10は個人の作業としては基礎資料の収集、広範囲の分野を網羅したもので貴重。古くは1609年の薩摩による琉球侵略、もちろん、沖縄戦後の米軍政期の復帰運動など、「沖縄と奄美」は関係深い。にもかかわらず、何が同じで何が違ったのかなど考察の課題はまだまだ多い。

 後藤の関心は、基本的に「沖縄戦」と「米軍基地」を中心とした近現代史ですから、購入もしくは受領する図書もほとんどそういうものです。今回はちょっと本土では入手できないもの、しかし、沖縄ではこんなものがある、という案内です。沖縄に来られたとき、直接訪ね入手してもらえればと思います。後藤は、入手のお手伝いはできません。

    11.    『沖縄県史 資料編16(上)(下)女性史新聞資料 明治編 女性史I』
            2003.3.20 編集 財団法人沖縄県文化振興会公文書管理部史料編集室
   非売品 問合せ先 098-888-3939
    12.    『沖縄県史 資料編17 旧南洋群島関係資料 近代5』『沖縄県史 資料編17 別冊 サイパン・テニアン収容所捕虜名簿』『同付録「市街地復元図(10葉)』
            2003.3.26 編集 財団法人沖縄県文化振興会公文書管理部史料編集室 非売品 問合せ先 09-888-3939
    13.    『史料室編集室紀要』第28号
           2003.3.20 編集 財団法人沖縄県文化振興会文書管理部史料編集室  非売品 問合せ先 098-888-3939
    14.    『11 沖縄県史ビジュアル版 近代4 空から見た昔の沖縄II』
           2003.3.25 編集 財団法人沖縄県文化振興会文書管理部史料編集室 販売品 問合せ先 098-888-3939
    15.    『12 沖縄県史ビジュアル版 古琉球1 古地図に見る琉球』
           2003.3.25 編集 財団法人沖縄県文化振興会文書管理部史料編集室 販売品 問合せ先 098-888-3939

 沖縄の南風原町(はえばるちょう)には「沖縄県立公文書館」がある。ここには、「琉球王国文書」から「旧沖縄県公文書」、「アメリカ統治下文書」、「沖縄県公文書」や個人・団体の貴重な史料が山になっている。調査・研究は財団法人に委託(職員は県からの出向)され、折々その成果が出版される。11から15までは2002年度中に出たものである。多くは非売品だが、研究機関から「公文」をだせば、入手可能かもしれない。
 11は「明治期」の「沖縄・女性」にかかわる新聞記事をまとめたもので、教員人事や遊郭など興味深い記事多数だが今後内容の分析が必要となる。
 12は戦前、貧しい沖縄民衆がいわゆる「南洋移民」した記録である。沖縄では、生まれが「南洋群島トラック諸島」とか「サイパン」などという方が多くおられる。1937年の南洋興発の社員名簿の耕作人のところには多くの沖縄人の名前のほか、朝鮮人の名前も数多くふくまれている。
 13は年に1回出る研究紀要。関東学院大学の林博史「暗号史料に見る沖縄戦の諸相」など18本の論文所収。 14は沖縄戦 開始前、米軍が撮影した航空写真をまとめたもの。沖縄戦で破壊されたり今は米軍基地になってしまった村々が写しだされている。
 15は古今東西の地図に表れた沖縄。最古のものは宋時代1135年の改訂版「歴代地理指掌図」にあり「流求」と表記されている。

    16.    読谷村史第5巻資料編4「戦時記録」関係資料集第2集  『読谷村の戦跡めぐり』
           2003.3.31 読谷村史編集室編 500円(村民300円) 問合せ先 098-958-2142

 A5版120頁あまりの冊子を500円で作成するのは、読谷村が沖縄戦と米軍基地にいかにこだわり、いかに次代つなげようとしているかの証左である。読谷村33箇所の「戦争遺跡」が案内されている。難をいえば、村史・資料集の大きさ・開きがバラバラ、この資料集は写真も地図もやや小さく見にくい。

    17.    『兼城のカシチー』 18.『津嘉山の5月ウマチー』 19.『兼城の綱引き』
    20.    『宮城の綱曳き』」 21.『喜屋武の綱引き』   
 いずれも、2002年南風原町伝統文化資料製作委員会編 300〜500円 問合せ先 南風原文化センター 098-889-7399

 数頁から十数頁のパンフレット。南風原町にある「字」という集落行事案内。カシチー、ウマチーが何か、はご自分で調べられたい。

    22.『南風原陸軍病院壕』−整備・公開についての答申―
        2003.3 南風原町教育委員会 500円 問合せ先 098-889-7399

 南風原文化センター裏のこんもりした山は「黄金森」と呼ばれ、沖縄戦中人工の壕が掘られ(約30本)病院壕として使われた。ひめゆり学徒隊の物語でも知られている。南風原町は、これを町指定の文化財とし、調査・整備・公開を模索してきた。20号、24号が比較的良好で2005年度公開を予定している。そのための調査報告書がこのパンフレットである。

    23.    『沖縄の米軍基地』 −平成15年3月―
   2003.3 沖縄県総務部知事公室基地対策室発行 非売品 問合せ先 098-866-2460
    24.    『沖縄の米軍基地及び自衛隊基地』 統計資料集―平成15年3月―
      2003.3 沖縄県総務部知事公室基地対策室発行 非売品 問合せ先 098-866-2460 

 23は5年ぶりの発行で、A4版738頁と前回のものより200頁余増え、写真・地図なども多い。「豆知識」などのコラムもあり、沖縄の米軍基地を理解する上での基礎資料になる。ただ、関係機関などへの配布目的で個人的に入手するのは難しいがめげずに問い合わせられたい。
  24は毎年発行されている。これも解説の頁が設けられ工夫が見られる。これは県庁を訪ね学習用であることを告げればある程度便宜が図られる。

    25.    『沖縄県環境基本計画』
            2003.4.1 沖縄県文化環境部環境政策課発行 非売品 問合せ先 098-866-2183  

 沖縄県の環境問題は、米軍基地や振興策の開発と無縁ではない。豊富な写真やCGが使われているがやや見にくいものもある。