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『一坪反戦通信』
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 第147号(2003年6月28日発行)

イラク再訪

平和市民連絡会・第二次派遣団

イラク民衆へ医薬品



   沖縄平和市民連絡会は去る一月、アメリカのイラクへの武力攻撃に反対し、イラク民衆との直接的な連帯を求めて、島田正博団長以下七名の派遣団をバグダッドに送った。帰沖後派遣団は、沖縄各地・全国各地でイラク民衆の実情を報告し、戦争反対を訴え続けた。しかし三月二〇日、米英軍はイラク攻撃を開始し、多くのイラク民衆を殺戮した。

 平和市民連絡会は、派遣団メンバー・平良夏芽(たいら なつめ)牧師のアメリカ総領事館前におけるハンスト連帯や引き続く県庁前広場での泊り込みの抗議座り込み行動を展開した。その中で武力攻撃で傷つき倒れるイラク民衆、とりわけ子どもたちに医薬品など救援物資を届けるためのカンパを訴えた。中頭(なかがみ)地区では中学生たちによる同趣旨のカンパ活動が自主的に取り組まれていた。四月二〇日、嘉手納基地を包囲するイラク攻撃中止を求める県民大会の中で、これら中学生たちが集めた二〇数万円が派遣団団長の島田正博に渡され、島田さんは責任をもってイラクの子どもたちに届けることを約束した。

  平和市民連絡会は五月二七日から六月七日にかけて、島田・平良の二名を再びバグダッドに派遣し、三五〇万円以上集まったカンパを資金に医薬品などを調達してイラク民衆に直接届けることを決定した。物資を直接届ける他に方法がなかったこともあるが、一月に出会ったイラク民衆の安否を直接確認したい思いも強かった。

 二人はヨルダンで医薬品やミルクなどを調達し、二台の車で一〇〇〇キロメートルの陸路をバグダッドに向かったが、途中強烈な砂嵐で車同士の衝突事故にあったりした。やっとバグダッドに入ったところで武装米兵に車から引き出され、腹這いにさせられて銃を突きつけられ危うく命を奪われる寸前の緊迫した場面もあったという。翌日から二人はバグダッド郊外の病院を中心に医薬品を届ける活動を開始したが、そこでは医薬品ばかりか治療に要する包帯・消毒薬なども不足し、負傷した子どもたちは手のほどこしようもなく寝かされているだけだったという。また、擁護学校のグラウンドにはクラスター爆弾の不発弾がいたるところに散乱したまま放置されていた。さらに、破壊された戦車を、持ち込んだガイガーカウンターで測定すると、何と通常の一〇〇〇倍以上の放射能数値を示したという。米軍が使用した劣化ウラン弾の影響であることは明らかだ。

 日本政府は今、イラク新法を国会に提出し、自衛隊約一〇〇〇人をイラクに派遣するという。しかし二人の報告では、イラク上空はアパッチ(武装ヘリ)が飛び交い、夜間は銃声が絶えないという。米兵の死傷者も増加しているという。イラクでは未だ戦争は終わっていないのである。そこへの派兵は、まさに自衛隊=日本軍が米英占領軍の一員になるということに他ならない。自衛隊によるイラク民衆殺戮を許してはならない。

(平和市民連絡会事務局 秋山勝)