軍用地を生活と生産の場に!
沖縄・一坪反戦地主会 関東ブロック
http://www.jca.apc.org/HHK
東京都千代田区三崎町2-2-13-502
電話:090- 3910-4140
FAX:03-3386-2362
郵便振替:00150-8-120796

『一坪反戦通信』 毎月1回 28日発行 一部200円 定期購読料 年2,000円

第137号(2002年6月28日発行)

岩波ブックレットNO.554
  「日米地位協定」
    ―被害者からの告発― 
          
▼ 在日米軍人や軍属またはそれらの家族により被害を受けた場合、私たちはいかに対処すればいいのでしょう。どこの誰に相談すればいいのか…?補償は受けられるのだろうか…?手続き方法は…?と、誰もが戸惑うに違いありません。
 この本はそれを分かりやすくまとめると同時に、何が問題なのかを問い、日米地位協定改正の必要性と基地撤去運動のつながりを示しています。

▼「米軍人・軍属による被害者の会」は一九九六年四月、その戸惑う被害者たちが沖縄で立ち上げたものです。そして、遺族となった被害者たちは加害米兵や米軍そして日本政府側の余りにも不誠実な対応に怒りを爆発させ、九六年から九八年にかけ四件連続で提訴(公務外不法行為:交通死亡事故)、そして勝訴した経緯をもちます。沖縄本土復帰後たった一件しかなかった地元での裁判。このような被害者の会の取り組みは全国から注目されました。そして、両政府も対策を講じざるを得なくなったのです。それは九六年一二月SACO最終報告の中でいち早く講じられました。しかしそれは表面だけを繕う「日米地位協定」の運用改善策でしかなかったのです。いまだに被害者は権利として補償を受けることはできません。裁量権はすべて日米両政府に有るのですから…。

▼ 米軍基地があれば事件・事故は必ず発生します。その被害者国民に対する十分な補償制度が確立していないことが問題なのです。私たちは手立てを講じようとしない政府に代り「日本国に駐留するアメリカ合衆国軍隊の構成員等による損害賠償法」を作成、議員立法を目指しています。地位協定が改定され、若しくは安保が廃棄されるまでには時間がかかります。それまでの暫定措置として「損害賠償法」は重要なものです。その間にも被害者は発生し続けるのですから…。

 (海老原大祐 米軍人・軍属による事件被害者の会)

新垣勉・海老原大祐・村上有慶 著
岩波書店刊
A5判 63ページ
本体価格440円
ISBN4-00-009254-5

 編集部注 「損害賠償法」制定要求の過程で、地位協定改定要求も具体化してきました。沖縄県が地位協定改定要求に踏み切っただけでなく、自民党議員連盟が新「地位協定案」を提起しています。同案は現在、自民党以外の各党が持ち帰って検討という状態になっています。各党の足並みが揃えば、議員立法で国会提案となる可能性があります。
 本ブックレットの刊行後にこのような動きが進行していますが、仮に地位協定改定が具体化したとしてもそれまでの暫定措置としての「損害賠償法」については、このブックレットが数少ない問題点指摘をしている資料として貴重です。