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第136号(2002年5月28日発行)

【新刊紹介】

緊急出版
 『有事法制か、平和憲法か』

 今回の有事法制関連法案の・本質・は何でしょうか。
 私は、ひと言でいえば「憲法改悪」だと考えています。
 今回の有事法制関連三法案のうち特に重大なのは自衛隊法改正案です。

 というのは、この法案によって、・戦えない自衛隊・が・戦う国軍・へと変質するからです。
 現在の「専守防衛」自衛隊の・戦場・は日本国内に限定されますが、平和憲法下の法体系は軍事と絶縁したため、海岸に塹壕を掘るにも「海岸法」に従わねばならず、道路にバリケードをきずく場合も「道路法」に従うことになって、実際には戦えない軍隊、いわば・演習場の中だけの軍隊・になっているのです。

 今回の自衛隊法改正案は、自衛隊をこうした法律の制約から解除しようとするものです。改正案には海岸法、道路法のほか河川法、消防法、医療法、建築基準法、森林法、土地収用法など実に二〇もの法律が登場します。

 もし今回の改正案が成立すれば、自衛隊もこの国土を戦場に実際に戦える軍隊、・戦う自衛隊・として認知されることになります。・戦う自衛隊・として認知されれば、「武力攻撃事態」にそなえるため、演習場を出て、海岸や河川敷、都市公園などで陣地構築などの訓練をすることになります。さらにその陣地を使っての戦闘訓練や演習もやるようになるでしょう。

 こうして、これまで演習場の中だけで行っていた自衛隊の訓練や演習が一般国民の目にもふれるようになれば、・戦う自衛隊・への認知度はさらに深まっていくでしょう。

 ところで、こんどの米国のアフガン攻撃で自衛隊は初めて「戦時」に米軍艦への燃料補給という「支援」を行いました。また九・一一事件のようなことが起こったら、自衛隊はどうするでしょうか。・戦う自衛隊・から・海外に出て戦う自衛隊・までの距離は、実はあと一歩にすぎないのです。

 平和憲法は、再軍備により深いダメージを受けながらも、自衛隊の「武力行使」の手をしばり、その行動の自由を拘束してきました。しかし今回の改正案が通れば、その法的拘束がすべて解除されることになります。自衛隊(軍隊)の行動を制約できなくなった憲法は、もはや平和憲法とは呼べません。

 今回の有事法制関連法案のねらいは、まさしく「憲法改悪」そのものなのです。   
           (梅田 正己)

梅田正己著
高文研刊
四六版 136ページ
本体価格800円
ISBN4-87498-286-7