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沖縄・一坪反戦地主会 関東ブロック
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『一坪反戦通信』 毎月1回 28日発行 一部200円 定期購読料 年2,000円

第132号(2002年1月28日発行)

後藤聡の
沖縄・新刊案内

◆『沖縄県平和祈念資料館ー総合案内』『資料館学習の手引き』 二〇〇一年三月三〇日初版 八月一五日二刷 一五〇〇円、四〇〇円 問合せ先 098-997-3844
 いったん関係者に無料配布され、秋に有料販売されたが、内容は展示されているものを忠実にカラー印刷しており、学習には最適。今後の「改竄」の監視用にも使える。

◆『奄美 島唄 ひと紀行』籾芳晴著 二〇〇一年七月二六日 一九〇〇円 南海日日新聞社刊 ISBN4-931458-04-1
 沖縄の島唄は、もちろん元気がないわけではない。しかし、それは、例えば登川誠仁だったりで、10年前の初代ネーネーズや新良幸人などの衝撃性をもった新人は多くない。そういうとき奄美を聞く。籾は南海日日の専務。もうちょっと漢字に奄美読みをふってほしい。

◆『なんぶ文芸』創刊号 二〇〇一年八月一日 一五〇〇円 沖縄県南部連合文化協会(098-888-5966)
 特集は「南部をめぐる戦争と平和と未来」と「南部の歴史・文化・自然」。創刊号にして三〇六頁は見事。二号以下の継続を望む。

◆『うちなーぐち死語コレクション』青山洋二監修・新垣光勇編著 二〇〇一年八月一日 一八〇〇円
 生活と言葉が一体だとすれば、うちなーぐちは現実に衰退しつつあるかもしれない。村の鍛冶屋がなくなったのだから、「かんじゃーやー」という言葉はなくなるわけだが、「金物屋」や「金型細工」なども、「かんじゃーやー」と呼ばれるような……。

◆『100の指標からみた 沖縄のすがた』沖縄県企画開発部企画調整室編 二〇〇一年八月 三〇〇円 (社)沖縄県対米請求権事業協会編集・発行 問合せ先 098-863-1632
 一一分野一〇〇項目の、沖縄が全国でどのような位置にあるかをあらわしたブックレット。これは使える。三〇〇円で発行できる怪。原価割れだろう。タイムス、新報、八月二三日朝刊一面トップで、ほとんど売り切れとのうわさ。

◆『アンヤタサ!沖縄・戦後の映画 1945-1955』山里将人著 二〇〇一年八月二五日 二〇〇〇円 ニライ社 ISBN4-931314-50-3
 山里氏は今年六七歳の外科医。発表論文は映画関係多し。戦後沖縄の娯楽の王様、「映画」。資料も充実、おもしろい。「アンヤタサ」は「そうだったねー」とでもいう意味。

◆『沖縄「がらくた文化」ー品々が伝える、あの時、その頃ー』真栄城勇著 二〇〇一年八月一〇日 一四二九円 沖縄マリン出版 ISBN4-901008-17-X
 これも、「あんやたさ」本。真栄城氏は元琉球放送社員。物蒐集家ともいえるが、沖縄戦を考えると
貴重品、そして氏自身、ご家族の品々に感激。一ページに写真と短いコメントも良。

◆『しまじまを掘る「琉球弧」第三号 琉球弧の染色研究、01沖縄全交報告、 普天間基地移設問題の現在を問う』 二〇〇一年八月二三日 一〇五〇円 沖縄地域ネットワーク社(098-874-5040)
 三号が出た。めでたい。一応「季刊」といっているから、今年中に、もう1冊!!「全交」報告、山内徳信氏の特別講演と一部を除けば、昨年の報告なのだが、沖縄では誰もやらないから、記録として貴重。何せ二人半でやってるし、本体の「いゆまち」も作って売らなければならない。一〇五〇円は高いけど買ってね。一年分四二〇〇円で送料会社負担。編集長、自分の編集後記、宮里正玄ではなく政玄だよ。

◆『赤瓦(あかがーら)と芭蕉布(ばさーじん)とB軍票』宜志政信著  二〇〇一年八月二四日 一六〇〇円 ゆい出版 ISBN4-946539-15-8
 著者は「興洋電子」の会長。五六歳。うちなあぐちから沖縄の心をひもとく。ついでに沖縄戦後史も語る。下記など本領発揮。
ヘイルストン中将ぬEメールを沖縄バージョンで
 私んねー言いしがよー、近頃んし、金武町うとーてぃ起くたる事件や、和易くなとーし吹ち飛ばち無らんさ。基地反対そーる者達んかい、我達友人やんでぃ言ちょーる沖縄ぬ人達ぬ何ぬ反対ん無んよーい、基地悪くする言訳持たち無らんさ。
 此ぬ状況や県知事、二人ぬ副知事、金武ぬ吉田町長、県議会ぬ議員ぬ達が前ぬ週、「此ぬ悪な事や悪さーあしが、我達や汝達ぬ努力そーし解てぃ感謝そーんどー」んでぃち私にんかい言ゆたしが、県議会が損しみーる考ぇーてーちきてぃ、「マリン兵隊少きらくなすん」でぃぬ決議、通ちねーん。
 我んねー彼達や皆(女ぬ如し)意地小ん無ん馬鹿んでぃる思まーりーる。我んねー嬉くでぃ彼達ぬ事あん言いさ。損害やなーま続ちょーん。
 此ぬ難しい事、乗越ぃーてぃ、人ぬ上んかい立てぃよー。我達やマリン隊んかい、二十四時間、七日間なー勤みとーん。悪な事し歩ちゅる下士官ぬ者達んかいや、あびてぃ聞かせー。
 中尉、大尉ぬ尻蹴り飛ぅんがせー、彼達んかいん責任のーあさ。 意味ん無ん不名誉な事が続ちゅせー止みれー、うりが我達マリン隊ぬ努みやさ。
 指揮官ぬ価値や皆る此ぬ事とぅか、我達んかいゆいさ。何がら考ぇーてぃせー、あんし考ぇーとーし、ちゃーしーせー。五%ぬ悪な兵隊止みれーわ。
(二月五日付 琉球新報に掲載された電子メール英文の沖縄方言対訳)
「興洋電子のホームページ」 「あかがーら」に著者のエッセイがある。 http://www.koyodenshi.co.jp/

◆『琉球楽劇集 真珠道』大城立裕著 二〇〇一年八月二三日 一八〇〇円 琉球新報社 ISBN4-89742-041-5
 琉球の楽劇「組踊(くみうどい)」は古典に違いないが、大城は新作五番を書き下ろした。近い将来、「国立組踊劇場」が建設されようとしているが、今、「新作」を書ける最後の世代という自覚で書かれたもの。琉球語読みをローマ字表記して一見読みづらいが後世にはこのほうがよいか。ちなみに、「大城立裕全集全13巻」勉誠出版が二〇〇二年五月刊行予定。

◆『海鳴り』長堂英吉著 二〇〇一年八月二七日 一九〇〇円 講談社 ISBN4-06-210777-5
 「ランタナの花咲く頃」、「黄色軍艦」などの長堂は「南涛文学」主宰。短編四作収録。

◆『対米研究シリーズ 7  2001 県民フォーラム』 二〇〇一年八月 三〇〇円 発行 沖縄県対米請求権事業協会 問合せ先 098-863-1632
 二〇〇一年四月、沖縄の六ヶ所で開催された「2001 県民フォーラム」の記録集。住民参加とはいいがたいが、県が示した「新たな沖縄振興に向けた基本的な考え方」をめぐっての資料・協議が網羅。例によって二五〇頁以上のボリュームで三〇〇円という不思議な出版物。

◆『沖縄/草の声・根の意志』目取真俊著  二〇〇一年九月一〇日 二二〇〇円 世織書房 ISBN4-906388-87-6
 目取真の小説以外の時事評論としては初めての作品。新報・タイムス・週刊金曜日などに書いた、この三年ほどの時評。沖縄では、今、一番わかりやすく、ほぼ的確に表現する。講演はわかりやすくないが、集会のあとのかたずけや掃除など、芥川賞作家とは思えない。名護市長候補者擁立市民運動が頓挫したのは痛い。

◆『沖縄 元気力』編集室・りっか編 二〇〇一年九月一六日 一九〇〇円 発行 東京書籍 ISBN4-487-79671-7
 森口豁氏、大工哲弘氏から高良倉吉・眞栄城守定まで、さすが沖縄ではない本の作り。垂水健吾の写真も見せるし、沖縄料理の紹介まである。「編集室 りっか」は日本トランスオーシャン航空の機内誌「コーラルウエイ」の編集でも定評がある。

◆季刊『けーし風』」第三二号 新沖縄フォーラム刊行会議(098-832-5599) 二〇〇一年九月二〇日 五〇〇円
 特集 旧南洋群島のウチナーンチュー 県立公文書館で一〇月七日まで開催されている「旧南洋群島と沖縄県人」と連動した企画か。興味深いテーマだし内容も濃い。後藤は、個人的には、南洋興発(当時)の名簿にある「朝鮮人名」に興味をもつが、そういう視点は沖縄ではないのだろう。特集以外でも内容が豊富すぎるのに、なんとなく物足らない。

◆『「第4回 沖縄研究国際シンポジウム」沖縄大会 基調報告・研究発表要旨』 二〇〇一年九月二〇日 問合せ先 同事務局098-887-2652
 一九八二年以来不定期に開催されているらしい。主宰は外間守善氏、特に今回は、「記念講演」に「皇族」が夫婦でやってきて、沖縄側は驚いて、後に琉球新報に大会批判が連載された、いわくつきの大会レジュメ。

◆タイムス選書II-13『戦後沖縄社会変動と近代化ー米軍支配と大衆運動のダイナミズムー』与那国暹著 二〇〇一年九月二一日 二六〇〇円 沖縄タイムス社 ISBN4-87127-149-8
 与那国氏は琉球大学名誉教授。沖縄戦後史を米軍支配とそれに抗する大衆運動から論考したもの。本当は、時間をかけてここから学ぶべきと思うが、沖縄にはその余裕がない。

◆『海・魚・自立経済・エコロジー 「いゆまち」第三五号 泡瀬干潟埋め立てを問う 糸満ハーレーとは何か』二〇〇一年九月二八日 一〇五〇円 沖縄地域ネットワーク社(098-874-5040)
 他に琉球大学産業社会学原論からと、ご存知、「モズク」の特集。一〇〇〇円はちょっと高いが、二人半のために……。

◆『月刊 むすぶ '01年9号 No.369』 特集 平和を生きる 私を生きる -沖縄からの発信- 八〇〇円  ロシナンテ社(075-721-0647)
 主な掲載記事の内容=おんながたちが生き続ける、問い続ける、見つめ続ける、オキナワ 高里鈴代(「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」共同代表 )/空を仰ぐ草に似る人 自分の目線で語る平和 国政美恵(カマドゥー小(ぐわ)たちの集い)/基地で働くということ。そしてアメリカ軍人に沖縄を伝えるということ A(基地従業員)/沖縄の「怒り」 様々な表現  大下ゆき子(主婦)/沖縄で戦争があったことを子どもたちに伝えたい    真栄城玄徳(くすぬち平和文化館)/私は、沖縄の戦争の真実を伝えます 松永光雄(タクシー乗務員)/沖縄の再生は、平和をアジアへ発信する命の要石として 真喜志好一(建築家)、 大城(SACO究明県民会議会員)