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『一坪反戦通信』 毎月1回 28日発行 一部200円 定期購読料 年2,000円

第130号(2001年11月28日発行)

後藤聡の
沖縄・新刊案内

◆『オバアの喝(カーツ)!ー続・おばあ列伝ー』沖縄オバア研究会編 双葉社 二〇〇一年三月一日 一三〇〇円 ISBN4-575-29200-1
 柳の下の二匹目のどじょうねらいだが、「沖縄のおばあ」を語れば、何冊もの続編が可能。しかし、笑わせ、泣かせ、沖縄ベストセラー確実。知り合いの方も登場。仲松・スコアプランド・敏子さん八四歳。教師、歌手、新聞記者、ドイツ系アメリカ人妻という人生。スコアプランド博士は、戦後の沖縄の米国民政府公衆衛生部長として、特に、沖縄のハンセン病に係わりプロミン導入、在宅治療を実施、本土の「隔離政策」と違った政策を実践した。

◆『20世紀のできごと366日』沖縄タイムス社編 二〇〇一年三月二日 二四〇〇円 ISBN4-87127-147-1
 あの日、あの時、どんな日だったかがわかるという本。沖縄・本土両方書かれている。三月一日、「三・一独立運動」、一九〇三年「人類館事件の博覧会が始まった日」。そういえば、韓国のMBCTVが「三・一記念番組」で沖縄を取材しに来ていた。

◆『びあぶれいく』四三号 オリオンビール株式会社(098-877-1133) 二〇〇一年三月五日 無料
 要するに「社誌」なのだが、力が入っている。沖縄ベンチャービジネスの特集、那覇市立壷屋博物館館長の渡名喜明さんのインタビューも良。

◆『琉球舞踊の世界−私の鑑賞法ー』勝連繁雄著 ゆい出版 二〇〇一年三月一〇日 二〇〇〇円 ISBN4-946539-13-1
 琉球舞踊を見る機会がおおいのだが、何のことやらわからないものも多い。「カンゼークー」が「金細工」だ、と文字にすると、よくわかる。そういう本。勝連は小説や詩も書き、文化論も論ずる才人。

◆季刊『けーし風』」第三〇号 新沖縄フォーラム刊行会議(098-832-5599) 二〇〇一年三月二〇日 五〇〇円
 特集は「大阪のなかの沖縄」。後藤は、以前も書いたが、「沖縄民衆理解」のためにも、検証が必要と主張してきた。大阪のウチナーンチュの声を沖縄に住むものがどうきくかもポイント。他にも、名古屋、神奈川、東京からの議論もほしい。

◆『和解の福音と沖縄ー第4回日本伝道会議シリーズ2』いのちのことば社(03-3353-9346) 二〇〇一年三月二〇日 六〇〇円 ISBN4-264-01903-6
 キリスト教の会議報告書みたいなものだが、「沖縄とキリスト教」の関係を学ぶため、そして沖縄キリスト教短期大学名誉教授で、渡嘉敷島「集団死」の体験をもつ金城重明氏のー「集団死」の悲劇から平和を考えるー論文も所収。

◆季刊『琉球弧』第二号 沖縄地域ネットワーク社(098-874-5040) 二〇〇一年三月二二日 一〇五〇円
 「いゆまち」の姉妹版。伊江島、ジュゴン、泡瀬、伝統工芸、国際女性サミット報告とてんこもり。季刊なので、去年の七月の記録も。

◆沖教組・高教組ブックレット9『新平和祈念資料館と摩文仁  そして「平和の礎」を学ぶ』平良宗潤・山本隆司著 沖縄県教育文化資料センター 問い合わせ(098-884-4555) 二〇〇一年三月二二日 三五〇円
 平良氏は高校教諭を経て今春定年退職。山本氏は県内小学校教諭。内容凝縮、資料も良い。

◆『沖縄県史ビジュアル版8 近世-2「江戸上り」-琉球使節の江戸参府-』沖縄県文化振興会・公文書管理部史料編集室 二〇〇一年三月二六日 五〇〇円 問い合わせ先(098-888-3939)
 今の県政も同じだな。 貴重な史料多数。

◆『沖縄県史ビジュアル版7 考古-2「貝の道」ー先史琉球列島の貝交易ー』沖縄県文化振興会・公文書管理部史料編集室 二〇〇一年三月二七日 五〇〇円 問い合わせ先(098-888-3939)
 ちょっと、お子様向きすぎる。

◆『史料編集室紀要』第二六号 沖縄県文化振興会・公文書管理部史料編集室 二〇〇一年三月二七日 非売品 問い合わせ先(098-888-3939)
 一六本の論文。沖縄県民の戦場動員と第32軍の防諜対策(地主園亮)、在本土沖縄県人紙について(納富香織)、陣中日誌にみる兵営生活 -玉城村に駐在した独立歩兵第15大隊を例に-(吉浜忍)
など。吉浜主幹、人事異動で、N農林高校教諭へ。ほんとに、いいんだろうか……、こんな人事で。

◆『沖縄・天気ことわざ』石島英・正木譲著 琉球新報社 二〇〇一年三月三〇日 一二〇〇円 ISBN4-89742-036-9
 一九九九年琉球新報に連載されたものを出版。軽く読めるところとずいぶん専門的なところもある。琉球新報も連載や特集などもっとブックレット的に出版したら良いと思うのだが……。

◆『なは・女のあしあと』那覇女性史(前近代編・戦後編=二分冊) 那覇市総務部女性室編 琉球新報社刊 二〇〇一年三月三〇日 前近代編=ISBN4-89742-038-5 一八〇〇円、戦後編=ISBN4-89472-039-3 三〇〇〇円 問い合わせ(098-861-7520)
 「前近代編」と「戦後編」の間には「空白」がある。「戦後編」はなかなかのもので、「戦後民衆史」の一断面が描かれている。「本土に集団就職した中学生」や、「さまざまな障がいをもつ女性」への視点が抜けているし、とにかく網羅的になり、頁数、値段にひびいている。個人に読んでもらうなら、もっと手軽なほうがよかったか。全体に「上からみる視点」のにおいがあるが、必読。各地の図書館で「購入」推薦されたし。

◆『豊見城村史 第六巻 戦争編』豊見城村史戦争編専門部会二〇〇一年三月三〇日 三〇〇〇円 問い合わせ先 同村教育委員会文化課(098-856-3671)
 B5版、実質一一〇〇頁以上の膨大な資料集。安仁屋政昭氏を部会長に吉浜忍氏らの論文に、字(あざ)毎、体験毎に、百人近い人々の聞き取りも圧巻。4年がかりの貴重な業績。

◆『基地関係法令集』沖縄県総務部知事公室基地対策室編集・発行 二〇〇一年三月 非売品
 六五一頁の大資料。まず「憲法」全文。条約、日米合意事項、関係日本国内法、沖縄県条例、など網羅。何年かに一回の割で沖縄県が発行。沖縄県内在住者は直接県庁六階基地対策室へ。

◆『「日の丸・君が代」の押しつけはまちがっている』-「日の丸・君が代」問題学習リーフレット-沖縄県教職員組合、沖縄県高等学校障害児学校教職員組合、沖縄平和運動センター編 二〇〇一年三月 非売品 問い合わせ先 高教組(098-887-1661)
 コメントは不要、もっと早く、もっと広く。

◆『沖縄「歴史の道」を行く-歴史ロマン発掘の旅であり、宛名無きメッセージにめぐり合う旅-』新城俊昭監修 座間味栄議著 むぎ社発行(098-895-3587)二〇〇一年三月 二五〇〇円 ISBN4-944116-19-5
 観光地でない沖縄を歩くためのガイド。せっかくの本だが、地図・写真が白黒で、小さく、安っぽく見えてしまう。

◆『美ら海・ちゅらうみ・』創刊号 海特集ー大物たちの楽園 離島に行こうー宮古島 街特集ー那覇新都心 沖縄マリン出版 二〇〇一年四月一〇日 八〇〇円
 また、沖縄で新しい雑誌がでた。これで八〇〇円では、沖縄では売れん。本土で売るしかない。というようなもの。

◆『双頭の沖縄-アイデンティティーの危機』伊高浩昭著 現代企画社(03-3293-9539) 二〇〇一年四月一〇日 二八〇〇円 ISBN4-7738-0107-7
 著者は共同通信記者。正確な分析と論説は定評がある。

◆『すべての人の心に花を』喜納昌吉著 双葉社 二〇〇一年四月一五日 一六〇〇円 ISBN4-575-29207-9
 ともかく、喜納昌吉のすべて。後藤がしょぼくれているとき、昌吉は元気をくれる。観光客にも、ファンにも手を抜かない。ちょっと、夏にかけて、何かがあるかも……。

◆『ぐるぐるグルメの本 3』週刊レキオ社発行 二〇〇一年四月二三日 一五〇〇円 ISBN4-89742-040-7  1500円 問い合わせ先(098-865-5291)
 「琉球新報」のおまけの「週刊レキオ」連載の、グルメ案内本。2.3年経つと、店がなくなっていることがある。ま、現実には口コミ優先だな。

◆『鳥たちが村を救った』比嘉康文著 二〇〇一年四月二四日 一六〇〇円 ISBN4-88638-443-4
 著者は、沖縄タイムス記者。 (案内より)コザ暴動の余震がくすぶる一九七〇年一二月二三日、「タイムス」と「新報」は一面トップで「米軍が国頭山地に、実弾演習場を設置した」と報道した。村民は直ちにカシマタ山に結集し、素手で米軍と闘った。年明けて、米軍は一発の空砲も撃たずに「実弾演習場」を放棄した。絶滅危惧種「ノグチゲラ」が生息していたからである。
 資料多数。現在の沖縄につながる好著。この話はもちろん知っていたが、まとまった文章としては初めて接することができた。

【おまけ】

◆「さんしんキット」(組み立て式) な、なんと、二〇〇〇円で!!!(送料別)。問い合わせ先=沖縄県学校用品株式会社(098-867-3683)
 後藤は、さっそく購入。二〇〇〇円でほんとにいいの?というほど良い音色。さおなんかは、ちゃんと傾斜もあって、「メイクマン」の「かんからさんしんキット」よりいい。沖縄では、「総合学習」の時間などに作って、弾いてみることになる。郵送代などは問い合わせてほしい。

◆『ビックコミック・オリジナル』 二〇〇一年五月五日号より連載ー 「光の島」 尾瀬あきら、原案・森口豁「子乞い」(凱風社刊)
 森口氏の原作とはずいぶん変わっているみたいだが、沖縄のある島の物語。尾瀬あきら氏は、「夏子の酒」、「みのり伝説」などでおなじみ。後藤とは、関係なくもないので推薦。