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第129号(2001年10月28日発行)

【沖縄報告】

  北谷女性暴行事件

 第二回公判

 今年六月末、北谷町で起きた米兵による強姦事件の第二回公判が、十月九日午後一時より那覇地裁でおこなわれました。約百人の傍聴希望者のうち、十二時三十五分に抽選がおこなわれ、三十一人の傍聴者が決まりました。

 入廷して始めに目についたのは、六台のテレビです。今回は、被害者尋問ということもあって、裁判官・書記官向けに三台、被告側弁護人・検察・通訳向けにそれぞれ一台のテレビがありました。傍聴席だけでなく、被告からもテレビの画面が見えないようになっていて、被害者は別室で証言しているようです。被害者が被告と顔をあわせることなく証言できることにほっとしていると、男女一人ずつの検察官が入ってきました。

 まず、事件の経過について、女性検察官が尋問し、最後に男性検察官が補足の尋問をするという形で公判は進みました。このような被害者への配慮がされている審議にするまでに、いったい何人の女性が顔をさらして涙を流して訴えてきたのでしょう。基地の実態を白日のもとにさらしていくためにも、被害を訴えて出ることが特別でない社会を作るべきだと思いました。

 公判の間中、被告は片ひじをついて聞いていて、反省の様子は見られませんでした。公判の最後でおこなわれた被告側の調書の主な内容説明によると、被告は、「行為は合意の上であったが、第三者にはそう見えなかったかもしれない」と述べています。「慰謝料はいらない。二度とわたしの前に現れないでほしい。牢屋の中にずっと入ってほしい。わたしの前から消えてほしい」。それが、被害者の望みです。

 次回は、十月二十二日午前十時から、被告弁護人による被害者尋問がおこなわれます。

       M(一坪反戦地主)  


第三回公判

 一〇月二二日午前一〇時より那覇地裁において、北谷町で起きた米兵による女性暴行事件の第三回公判が行われました。この日の傍聴希望者は約五〇人、そのうち傍聴できたのは三二人です。内容は弁護人による被害者に対する尋問で、午後には検察官からの被害者の証言を補足する尋問もありました。法廷内は前回同様に六台のテレビが置かれ、テレビリンクでの尋問でした。

 公判は、弁護人の「被害者の検察官調書について、不手際でまだ検討していない」という信じられない発言で始まり、関係者の名前を間違えて通訳に指摘されると言うしまつ。尋問が始まった後も、最終学歴・週末の生活パターン(とくに米軍基地への出入りについて)・過去の男性との交際内容について・アメリカ人と付き合う女性についてどう思うかなど、事件とは関係のない質問が相次ぎ、被告の弁護をすると言うよりも被害者に対する個人攻撃。本当にわじわじーして、「あなたは自分のことを(アメリカ人と付き合う女性への蔑称)と思うか、(黒人と付き合う女性への蔑称)と思うか」という質問には、傍聴席からも思わず非難の声が相次ぎました。

 これからも、被害者への「セカンドレイプ」と言われる様なことが二度と起こらないようにするにはどうするべきかを、もっと考えなければならないと感じました。審議と関係ない被害者への個人攻撃がまかり通る、日本の司法に憤りを感じます。

次回公判は、一〇月三〇日午前一〇時からと、午後二時半からの二回に分けて、行われます。公判開始四〇分前から、傍聴券の抽選が行われます。

    二〇〇一年一〇月二六日

        M(一坪反戦地主)