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第128号(2001年9月28日発行)

【沖縄報告】

米国政府に女性たちの想い伝えよう

 金曜集会がスタート 
 
 約一週間居座り続けた台風十六号がようやく去った九月十四日、浦添市にある米国総領事館前での金曜集会は六回目を迎えた。「心に届け女たちの声ネットワーク」は九八年東京行動で日本政府と都民に対して「もうガマンしない! 私たちは全ての基地を拒否する」と訴えた。今度は米国政府に伝えよう、ラチがあくまで続けようと始めた金曜行動である。毎回最低三名はいないとね、と少数覚悟の上だったが幸い、毎回三十名ほどの参加をみている。昼休みの一時間なので仕事を持つ人は抜けてくるのも大変ではあるが…。

 この日もフェンスに思い思いの横断幕が張られ、シンボルカラーの赤い傘(日除けにもなる!)が並ぶ。十一日の米国同時多発テロ事件の直後でもあり喪服を着た人も何人かいる。犠牲者に対して黙祷をささげて始まった。リレートークでは、やはりテロを含めた「暴力」に反対する意見や米国が決断しようとしている報復は解決に繋がらないという感想が多い。普天間飛行場の隣で暮らす佐喜真加代子さんは「米軍基地の集中する沖縄も狙われていたかも知れない。台風でここ数日飛行機が飛ばなかったおかげで助かったと思う。」と語った。今、沖縄では誰に聞いても「恐いサー」と答えが返ってくる。

 名護市街のリサイクルショップ「ジュゴンの家」の皆さんはお揃いの赤いTシャツで登場、小柄なジュゴンさん(着ぐるみ)も交えてアピールして頂いた。また三日前に那覇地裁では、北谷町で起きた性暴力事件の初公判があり、予想通り被告は「合意」であると主張した。裁判が長引くことも予想され、彼女に対するマスコミなどのバッシングも続いている。彼女を最後まで支えていこうと呼びかけがなされた。

 今日の領事館には半旗が掲げられ、フェンスの中の石碑には花束が供えられていたが、伝えられる程には警備の厳しさは感じられなかった。

 六月末の性暴力事件は、現在進められつつある基地の県内移設が女性やこどもにとって何を意味するかを鮮やかに示した。事件の起きた北谷町美浜地区は米軍ハンビー飛行場が返還された後に街づくりが進められ、かつての基地従業員数と比べて数倍の雇用を生み出してきた。跡地利用の成功例とされ、嘉手納飛行場に隣接し爆音に苦しむ同町砂辺区とは対照的な感があった。しかし地域住民の言によれば、いつ事件が起きてもおかしくない日常であったことが分かる。

 普天間飛行場が返還され跡地利用されたとしても、いずれ基地があり兵隊がいる限り安心して暮らせるとはとても思えない。ましてや「移設」名目で新基地建設が狙われている名護市辺野古周辺はなおさらのこと。後ろの山は新兵の訓練基地、左手には弾薬庫とキャンプ・シュワブ、目の前の海に巨大基地ができれば文字通り基地の中にシマがある状態だ。住民より兵隊の数が上回る暮らしがどんなものか、想像するに余りある。

 県内で基地をタライ回しする限り性暴力事件が絶えることはないだろう。日米両政府が基地の整理・縮小の現実的選択として沖縄に押しつけるSACO合意の中身が「県内移設」のてんこ盛りであるばかりか、一人の米兵の削減も加えられていないことに気づかされる。

 女性たちが全ての基地を拒否すると言う時、米兵の影に脅えなくてもよい暮らしを求める切実な願いが込められている。集会には、そうした想いに共感する男たちも参加していることは言うまでもない。沖縄に来られる時はぜひ金曜集会にもおいで下さい。        
                        (N)