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第126号(2001年7月28日発行)

【報告】

 米大使館前で想う

 六年ぶりでアメリカ大使館前で夜明かしをした。昼間大使館に抗議に押し掛けたのは、これまでにも何度かあったが、夜明かしをしたのは九五年秋の海兵隊員三名による小学生強姦事件以来だ。

 北谷町での「性暴力事件」の噂を聞いたのは、六月二九日昼前、自民党代議士からであった。当日は自民党本部で「日米地位協定の改定を勉強する議員連盟」の勉強会があって、海老原大祐氏(米軍事件被害者)が報告者として出席したので、筆者はその付き添いとして参加していた。

 その日はまた、名護市議会の意見書(代替施設建設についてのアセスメントなどに関して)が内閣府沖縄振興局長の横やりで否決された日でもあった。事件被害の件については「またか」と言ううんざりする気持ちの方が先で、中央官庁の官僚が地方自治へ介入した事実の方が頭に来ていた。この不遜な役人をとっちめる方法はないかと無い知恵を絞ったが、国会議員ででもないと会うことさえできないのが実体だ。

 名護市議会への干渉に気を取られて、米兵の犯罪糾弾が立ち後れ、関東ブロックとして対策を話し合ったのは七月三日になってからであった。七日土曜日の夜、これまで一緒に行動してきた諸団体の代表に集まってもらって、一〇日にアメリカ大使館に抗議することを決めた。準備期間なしのぶっつけ行動となったが、まあまあの人数が参加してみっともないことにはならなかった。

 近頃小泉フィーバーと言われているようだが、この男は「聖域なき改革」などとほざきながら、安保問題、地位協定、京都議定書、集団防衛権などなど、アメリカに関わる問題については、まったく逃げ隠れしている。アメリカは聖域である。それに小泉だけではないが、この国には天皇制という、マスメディアを含めてのもっときついタブーが厳として存在し続けている。なんで小泉という男に人気があるのか不思議でしょうがないが、この日本という国の政治には、まともな物の考え方というのは通用しないらしい。米軍に何時までも居座られて、おかしいとも悔しいと思わない不思議な国民である。マスコミも市民一般も、沖縄の強姦事件について容疑者引き渡しで、一件落着とばかりに忘れ去っていくに違いない。

 今回の大使館前行動を筆者は成功だなどとは毛頭思わない。成功と言えるのはあそこへ何千人か集まって、日米政府が少なくとも「地位協定の改定」を事態沈静化のために言い出さざるを得ないところまで追いつめて初めて言えることだと思う。米軍基地撤去を望む人たちは何万人といるだろうが、その人たちをつなぎ合わせることがわれわれにできていない。これから先のことを考えると、いささか憂鬱にならざるを得ない。だがしかし、筆者のこどもの頃は集会には警官が「臨席」していて、「弁士中止」などとあからさまに言論弾圧をしていたのだから、今の程度の風当たりににたじろぐことはない。やる気になればやれることはいっぱい残されている。米軍基地問題以外にも、教科書問題、小泉の靖国参拝問題、集団防衛構想など、取り上げる問題には事欠かない。心の軸はしっかり的に据えて、余裕の鼻歌を歌いながら、仲間たちと仲良く進んでいこう。 
   (U)