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第125号(2001年6月28日発行)

【新刊紹介】

『在日米軍駐留経費違憲・
   思いやり予算返還訴訟の記録』

 一九九七年の提訴から二〇〇〇年九月の控訴審判決まで三年四ヶ月。訴訟の「呼びかけ」からは四年六ヶ月。関西の「うるさいおばはんたち」のにぎやかで明るい(そして怒りにみちた)思いやり予算違憲訴訟の記録。

 巻頭に集められた幾人かの裁判参加の感想(これはどれも、真摯な気持ちの顔が浮かぶようなかたちで伝わってきて、とてもよい)を除くと、法廷に提出された、訴状、陳述、準備書面、判決、答弁書といった(原告の肉声の伝わる陳述以外は)、とても読みやすいとは言えない文書の資料集である。

 裁判中にも原告達が発行していたニュースレターでその都度、準備書面や争点の解説がなされていたが、原告(代理人の弁護士)が多く骨を折った「納税者基本権(あるいは納税者の「法的に保護された利益」の要保護性?)」などをめぐる、いわゆる裁判の入り口での議論の部分は、準備書面のみからはなかなかその中味を理解するのが難しい。とはいえ、ここが突破できれば、さまざまな課題への納税者として異議申し立てが可能となるだけに、取り組む意義ははかりしれない。この裁判の記録によって少なくとも次に続く者がこの論議をさらに一歩進めることが期待される、そうした記録である。

 関西での訴訟に押されるように、東京でも同種の裁判を起こした(同じように敗訴)。関西の「おばはん」のノリにとても及ばない「おとなしい」ものだったが、ともかく訴訟が出来たのは、関西が「言い出しっぺ」で戦陣を切り開いてくれたのに便乗できた面が強い。

 編集後記で事務局を中心で担った徐翠珍さんが書いているように、「ぼろ負け」でも「『米軍基地撤去』の闘いの一翼と見れば、必ずしも『敗北』ではなかった」。「せめて次に……闘う時の参考になれば」。本当にその意味で活用したい記録集である。

(梶野宏/「思いや予算」違憲訴訟・東京事務局)

(戦争協力を拒否し、有事立法に反対する全国FAX通信 一三号から著者の許可を受けて転載)

●A4判・228頁
●頒価:1500円(送料込みで2000円)
●発行:異議あり!思いやり予算・関西
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  名義:異議アリ!思いやり予算・関西