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第123号(2001年4月28日発行)

巻頭言

 愛媛県立宇和島水産高校の実習船「えひめ丸」を沈没させ、九人の行方不明者を出した原潜「グリーンビル」のワドル前艦長に対し、ファーゴ米太平洋艦隊司令官は二三日(日本時間二四日)、軍法会議によらない非司法的処罰である「懲戒通知書」と六カ月の猶予付きの「二カ月間の二分の一の減給」を言い渡した。この「処分」により、前艦長は一〇月一日までに「名誉除隊」し、退職金や年金の受給資格を得ることになる。また執行猶予がついたことで、退役まで現在の給料を維持できるという。民間人の命よりも組織を優先する軍隊・国家の本質を如実に示している。軍隊は「国」を守っても人々は守らないのだ。

 司令官は、「民間人の存在が直接の事故の原因ではなかった」とし、海軍にとっての体験搭乗の重要性を力説したと報道されている。冷戦後、存在価値を失った巨大な軍隊を何とか維持したいという軍隊の論理でしかない。

 一方、救助された生徒のほとんどが心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断されている。前艦長に対するあまりにも軽い「処分」と事故原因追及の甘さは、生徒や家族のストレスを倍加させるだろう。精神的な支えときちんとした金銭的な補償が不可欠だ。在日米軍人・軍属による事件・事故の被害者に対しては、外務省も防衛施設庁も泣き寝入りを強いてきた。安保が重要だというのなら、被害者に対する精神的・金銭的補償は最低限のことである。
        
  (M)