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第122号(2001年3月28日発行)

【報告】

 損害賠償法 外務省交渉・集会

         三月一三日

 米軍による基地被害に泣き寝入りするのはもうやめよう! 損害賠償を法制化し、米軍による公務外加害であっても賠償責任を日本政府が肩代わりして救済する損害賠償法を! 沖縄での「米軍人・軍属による事件被害者の会」に続いて結成された関西・東京の同会を「支える会」・同会を「支え損賠法をつくる会」のメンバーら一七人が一三日、東京に集まって外務省交渉(午前)・国会記者会見(午後二時)・参議院議員会館での院内集会(午後三時)・報告集会(午後七時)を行い損賠法制定の具体化へ大きく踏み出した。

 駐留米軍による相次ぐ基地被害に対して沖縄県は昨年夏、日米地位協定改定を要求し、今年に入ってからも続発する米軍の凶悪犯罪に対して沖縄県議会が海兵隊削減要求を決議する事態が発生した。海兵隊撤退決議も二自治体から出ているほどだ。事件・事故で被害者からは過去五年間に八三〇件余りの賠償請求が申請されているという(那覇防衛施設局が昨年末に発表)。

 しかも被害への損害賠償の恐るべき実態(判決があっても、実際には支払われないという、被害者側の圧倒手に不利な実態!)について本土マスコミの関心も高く、記者会見には報道関係一五社が参加したほか、損賠法制定院内集会には国会議員一五人が参加し、損賠法制定の現実化への重い扉がこじ開けられた日となった。

 とりわけ院内集会には自民・社民・社大・共産・民主の五党から議員・代理秘書が出席、自民党の下地議員(沖縄選出)からは「米軍に補償させるための共済制度を具体化できないか?」などの発言があった。同議員は自民党国会議員に呼びかけて「日米地位協定の改定を勉強する議員連盟」を七一人でスタートさせたという(三月九日発足、五〇名の議員が参加。「地位協定の枠組みの中で…地域住民はもとより、国民の米軍への不信感が増大」しているという[設立趣意書])。
              

 また同日、全国からの損賠法制定要求署名一九、九三六筆分が内閣府に提出された。
 損賠法制定院内集会に先立って一三日午前、沖縄・関西・関東の一七人が一時間にわたって外務省を追及した。@米軍による基地被害への損害賠償の実情に対する無策ぶりAとても独立国とは思えない米国への追従----について強く抗議。外務省側は米軍による基地被害者らが強く要求している日米地位協定一七条・一八条の改定について「運用の改善で対処したい」、「それがだめならば改定も視野に入れて対応する」という回答に終始。

 しかし加害米軍人が被害に対して補償もせず米本国へ舞い戻って昇進までしているケースや、裁判の判決による補償金も実際には僅かしか支払われていないという実態について@外務省が現実には把握していないことは認めるA実態を知るため被害者の声を聞く場を設けることについて外務省としてとりくむ…ことは認めた。このため被害者の会メンバーは「五、六月になってからというのではなく、もっと早い機会に再度、外務省側がこれまでの実態についての不勉強を改善するために交渉を持つ」ことを確認し、交渉を終えた(対応したのは北米局地位協定室の首席事務官・市川氏)。

 損賠法をつくる会などは今後、防衛施設庁側の都合で延期された同庁との交渉のほか、再度の外務省交渉などで地位協定改定要求とあわせ、さらに具体的な法制定運動を強化させていきたいとしている。     
(Y)