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第122号(2001年3月28日発行)

【報告】

  二一世紀の世界と沖縄

    ―ブッシュ政権とアジア・日本―

 三月一七日(土)夜、労働スクエア東京で行なわれたこの集会は、新政権が成立したアメリカの政策分析を軸に「アジアの中の沖縄と日本、そして基地問題」を考えるという目的で開催された。

 講演は元朝日新聞編集委員で、現在「地球市民ジャーナリスト工房」代表の早房長治さん。財界にも明るい方だが、市民運動関係での講演は初めてとのこと。早房さんの持論は「安保がなくなっても、アメリカと日本の経済関係は維持される」。事実、日本の投資がなければアメリカ経済は成り立たないから、ここを注視すべきと強調された。軍事面では、ブッシュ政権の対日軍事政策の主軸となる人物は日本通として知られるアーミテイジ国防次官補とその人脈で、昨年国防大学・軍事戦略研究所(INNS)が出した報告書「米国と日本:成熟したパートナーシップへ」の執筆にも参加している。早房さんは「アーミテイジ報告」としてその一部を解説、「沖縄の負担の軽減」に言及している代わりに「日本の集団自衛能力の強化」を要求、憲法改正まで話が及んでいることを紹介した。早房さんは最後に「日本の外交はアメリカに頼り過ぎて自立していない。今こそ自立して平和的な自主外交を」と結んだ。

 後半は建築家で「SACO合意を究明する会」の真喜志好一さんによる電気紙芝居「基地新設=SACO合意のからくりを撃つ」。パソコンのプレゼンテーションソフトで作成した「電気紙芝居」は大きなスクリーンに映し出され、真喜志さんがマウスをクリックしながら説明する。まず沖縄の基地問題の歴史的な経緯、SACO(沖縄に関する特別行動委員会)とは何かということから解きあかし、那覇軍港の浦添移転が実は空母も停泊できるような大きい軍港の新設を目論んだものであること、北部訓練場のヘリパッド建設が最新鋭垂直離着陸機MV22オスプリ発着演習を目的とすること、この二か所を結ぶ絶好の位置に「辺野古」があることなどを解説した。沖縄の基地問題が一繋がりになって非常に解りやすく、また動画や音なども入り臨場感抜群。ぜひとも一見をお勧めしたい。

 主催者の一人として付け加えると、この集会は昨年末から企画したが、途中で沖縄での米軍による不祥事が相次ぎ、また原潜グリーンビルの「えひめ丸」衝突事故が起こるなど情勢は急速に変化し、準備が大変だった。結果的にタイムリーな会になり、ほっと胸をなでおろしている。

(芦澤礼子=基地はいらない!女たちの全国ネットワーク)