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第120号(2001年1月28日発行)

資料

使用の裁決の申請理由説明書(平成13年1月17日)

那覇防衛施設局

 日米安全保障体制は、我が国を含むアジア・太平洋地域の平和と安定にとって不可欠な枠組みとして機能しており、また、我が国への駐留軍の駐留は、我が国の安全並びに極東における平和及び安全の維持に今後とも寄与するものである。
 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(昭和35年条約第6号)の目的達成のため、我が国に駐留する駐留軍の存在は、日米安全保障体制の中核をなすものであり、また、駐留軍に施設及び区域を円滑かつ安定的に提供することは、我が国の条約上の義務である。
 駐留軍に施設及び区域として提供する必要がある民公有地については、土地所有者との賃貸借契約の合意により使用権原を取得することが基本との考えの下、常々土地所有者との合意に努めているが、合意が得られない場合は、条約上の義務を履行するため、やむを得ず日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法(昭和27年法律第140号。以下「駐留軍用地特措法」という。)に基づき使用権原を取得している。
 平成13年3月31日に使用期間が満了する楚辺通信所及び牧港補給地区の一部土地については、土地所有者との賃貸借契約の合意が得られるよう努めたが、合意を得ることができなかったことから、平成12年4月14日、駐留軍用地特措法に基づく使用権原取得の手続を開始し、平成12年9月6日、貴収用委員会に、使用の裁決の申請をしたものである。
 以下、施設別に同申請をした土地の概要及び手続の概要等について陳述する。

1 楚辺通信所
(1)楚辺通信所の概要
  @ 使用の裁決の申請をした土地(以下「本件土地」という。)のある楚辺通信所は、昭和47年5月15日、沖縄の施政権が我が国に返還されるに当たり、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(昭和35年条約第7号。以下「地位協定」という。)第2条第1項の施設及び区域として閣議決定の上、提供され、現在、在沖米海軍艦隊活動司令部管理の下、国防通信沖縄分遣隊の通信所として使用されている施設である。
  A 楚辺通信所は、平成8年12月2日に取りまとめられた沖縄に関する特別行動委員会(SACO)最終報告において、「アンテナ施設及び関連支援施設がキャンプ・ハンセンに移設された後に、平成12年度末までを目途に返還する。」こととされている。
  B このことから、楚辺通信所については、移設実現のための努力を続けてきたところであるが、米軍等関係機関と具体的な移設場所及び工事の内容等の調整に予想以上の日時を要し、その結果、平成13年3月31日までの返還は困難となっており、返還までの間は、引き続き本施設を通信施設として存続させる必要がある。
(2)使用の裁決の申請をした土地の概要
  @ 本件土地の所在及び地番は、読谷村字波平前原567番、地目は宅地、使用しようとする土地の面積236.37平方メートルであり、土地所有者は知花昌一氏で、関係人は本件土地に抵当権を設定している株式会社沖縄海邦銀行である。
  A 本件土地は、同施設のほぼ中央部にあり、アンテナ敷地として使用され、施設全体と有機的に一体として機能しており、その必要性は、平成13年4月1日以降も同施設の移設工事が完了するまでの間、何ら変わるものではない。
  B 本件土地は、昭和51年4月1日を契約の始期とする賃貸借契約を締結し、使用したが、平成8年3月31日に使用期間が満了することから、土地所有者との賃貸借契約を更新できるよう努めた。
    しかしながら、土地所有者との合意を得ることができなかったことから、平成13年3月31日までを使用期間とする裁決の申請を行い、貴収用委員会から使用の裁決を得て使用している。
  C しかしながら、本件土地は、平成13年4月1日以降も同施設の移設等の工事が完了し、土地所有者への返還が可能となるまでの期間、引き続き同施設の用地として使用する必要があることから、土地所有者に対し賃貸借契約による使用を依頼したが、土地所有者との合意を得ることができなかつた。
(3)裁決の申請までの手続の経緯について
  @ 那覇防衛施設局長(以下「局長」という。)は、本件土地の使用期間満了後の使用について、土地所有者との賃貸借契約の合意が得られなかったことから、平成12年4月14日、駐留軍用地特措法第4条の規定に基づき、土地所有者及び関係人に対し意見照会を行った上、同年5月19日、防衛施設庁長官及び防衛庁長官を通じ、内閣総理大臣に本件土地の使用認定申請書を提出した。
  A 平成12年6月27日、駐留軍用地特措法第5条の規定に基づき、内閣総理大臣の使用の認定が行われ、同法第7条第1項の規定に基づき、その旨の局長への通知及び官報告示が行われた。
  B 局長は、内閣総理大臣の使用の認定があったことから、平成12年6月28日、駐留軍用地特措法第7条第2項の規定に基づき、喜名公民館において土地等の調書及び図面の縦覧を開始し、同日付けで、土地所有者及び関係人に対し、使用の認定があったこと並びに使用しようとする土地の所在、種類及び数量を通知するとともに、駐留軍用地特措法第14条の規定により適用される土地収用法(昭和26年法律第219号。)第28条の2(以下、駐留軍用地特措法第14条の規定により適用される土地収用法の規定のみを掲げる。)の規定に基づき、補償等についてお知らせした。
    また、局長は、同年7月7日、駐留軍用地特措法第7条第2項の規定に基づき、使用しようとする土地の所在、種類及び数量を官報で公告するとともに、同日、沖縄タイムス及び琉球新報に、官報に掲載されていること及び喜名公民館において公告することを掲載した。
  C 局長は、内閣総理大臣の使用の認定後、土地収用法第36条第2項の規定に基づき土地調書及び物件調書の作成のため、平成12年7月10日、土地所有者及び関係人に対し、文書により、7月29日(土)及び30日(日)に、喜名公民館において立会い及び署名押印することを求めたが、土地所有者及び関係人は、立会い及び署名押印に応じなかった。
    このことから、同年8月1日、局長は、土地収用法第36条第4項の規定に基づき内閣総理大臣に立会い及び署名押印することを求め、同月8日、内閣総理大臣は立会い及び署名押印をする職員を指名し、同月16日、同職員が土地調書及び物件調書に署名押印し、局長は同調書を完成させた。
    なお、土地調書に添付した実測平面図は、平成11年12月、測量専門業者に発注し、いわゆる地籍調査作業により現地において調査測量した成果に基づき、平成12年2月に作成した。
    手続対象土地は、沖縄県の区域内における位置境界不明地域内の各筆の土地の位置境界の明確化等に関する特別措置法(昭和52年法律第40号。以下「位置境界明確化法」という。)に基づく位置境界明確化手続を完了しており、現地に即して特定できる状態になっている。
  D 平成12年9月6日、局長は、裁決の申請に必要な書類が整ったことから貴収用委員会に使用の裁決の申請を行ったところである。
(4)使用の方法について
  @ 本件土地は、前述のように、現在、日本国に駐留するアメリカ合衆国軍隊が使用する楚辺通信所のアンテナ敷地として使用され、施設全体と有機的に一体として機能しており、その必要性は、平成13年4月1日以降も同施設の移設工事が完了するまでの間、何ら変わるものではない。
  A したがって、本件土地の使用の方法は、日本国に駐留するアメリカ合衆国軍隊が使用する楚辺通信所のアンテナ敷地とした。
(5)使用期間について
   本件土地は、楚辺通信所の施設運営上、施設全体と有機的に一体として機能し、必要欠くべからざるものであり、同通信所のアンテナ施設及び関連支援施設の移設等の工事が完了し、土地所有者への返還が可能となるまでの期間、引き続き駐留軍に提供していく必要があることを考慮し、使用期間については、平成13年4月1日から4年2か月間とした。
(6)使用する土地に対する損失補償金の算出について
  @ 本件土地の損失補償金は、使用しようとする土地の面積236.37平方メートルに、地代単価1,102円を乗じて算出した金額260,480円に複利年金現価率3.6792を乗じて算出した。
  A 地代単価は、不動産鑑定士に平成12年6月27日の使用認定時の土地の正常賃料の鑑定評価を依頼し、その評価額とした。
  B 複利年金現価率は、4年2か月の使用期間に係る年利率を5パーセントとして算出した。
(7)権利取得の時期について
   権利取得の時期は、本件土地の使用期限の翌日である平成13年4月1日とした。

2 牧港補給地区について
(1)牧港補給地区の概要
  @ 本件土地のある牧港補給地区は、昭和47年5月15日、沖縄の施政権が我が国に返還されるに当たり、地位協定第2条第1項の施設及び区域として閣議決定の上、提供され、現在、海兵隊キャンプ・バトラー基地司令部管理の下、海兵隊の各部隊により後方支援施設及び家族住宅施設等として使用されている施設であり、返還の予定はない。
  A なお、牧港補給地区は、平成8年12月2日に取りまとめられた沖縄に関する特別行動委員会(SACO)最終報告において、「国道58号を拡幅するため、返還により影響を受ける施設が牧港補給地区の残余の部分に移設された後に、同国道に隣接する土地(約3ヘクタール)を返還する。」こととされているが、本件土地は、同国道に隣接する土地には含まれていない。
(2)使用の裁決の申請をした土地の概要
  @ 本件土地の所在及び地番は、浦添市字城間西空寿1556番1、地目は墓地、使用しようとする土地の面積は148.05平方メートルであり、所有者は古波蔵豊氏である。A 本件土地は、同施設の北側にあり、道路敷及び倉庫用地として使用され、施設全体と有機的に一体として機能しており、その必要性は、平成13年4月1日以降も何ら変わるものではない。
  B 本件土地は、沖縄の施政権が我が国に返還される際、土地所有者不明のため浦添市管理地となっていたところ、昭和56年4月、位置境界明確化法による手続が完了したことに伴い、土地所有者が判明し、所有権保存登記がなされたことから、当局は、土地所有者稲福静氏と昭和56年4月1日を始期とする賃貸借契約を締結した。その後、昭和63年2月8日付けで売買により所有権移転したことから、新たな土地所有者古波蔵豊氏と昭和63年8月9日付けで賃貸借の改定契約を締結して使用しているが、その使用期間は、平成13年3月31日に満了する。
  C このことから、土地所有者に対し、平成10年1月に賃貸借契約の予約締結依頼書を発出し、平成12年3月まで契約折衝を行ったが、土地所有者との合意を得ることはできなかった。
(3)裁決の申請までの手続の経緯について
  @ 局長は、本件土地の使用期間満了後の使用について、土地所有者との賃貸借契約の合意が得られなかったことから、平成12年4月14日、駐留軍用地特措法第4条の規定に基づき、土地所有者に対し意見照会を行った上、同年5月19日、防衛施設庁長官及び防衛庁長官を通じ、内閣総理大臣に本件土地の使用認定申請書を提出した。
  A 平成12年6月27日、駐留軍用地特措法第5条の規定に基づき、内閣総理大臣の使用の認定が行われ、同法第7条第1項の規定に基づき、その旨の局長への通知及び官報告示が行われた。
  B 局長は、内閣総理大臣の使用の認定があったことから、平成12年6月28日、駐留軍用地特措法第7条第2項の規定に基づき、屋富祖公民館において土地等の調書及び図面の縦覧を開始し、同日付けで、土地所有者に対し、使用の認定があったこと並びに使用しようとする土地の所在、種類及び数量を通知するとともに、土地収用法第28条の2の規定に基づき、補償等についてお知らせした。
    また、局長は、同年7月7日、駐留軍用地特措法第7条第2項の規定に基づき、使用しようとする土地の所在、種類及び数量を官報で公告するとともに、同日、沖縄タイムス及び琉球新報に、官報に掲載されていること及び屋富祖公民館において公告することを掲載した。
  C 局長は、内閣総理大臣の使用の認定後、土地収用法第36条第2項の規定に基づき、土地調書及び物件調書の作成のため、平成12年7月10日、土地所有者に対し、文書により、7月29日(土)及び30日(日)に、屋富祖公民館において立会い及び署名押印することを求めたが、土地所有者は、立会い及び署名押印に応じなかった。このことから、同年8月1日、局長は、土地収用法第36条第4項の規定に基づき、内閣総理大臣に立会い及び署名押印することを求め、同月8日、内閣総理大臣は立会い及び署名押印をする職員を指名し、同月16日、同職員が土地調書及び物件調書に署名押印し、局長は同調書を完成させた。
    なお、土地調書に添付した実測平面図は、平成11年12月、測量専門業者に発注し、いわゆる地籍調査作業により現地において調査測量した成果に基づき、平成12年2月に作成した。
    手続対象土地は、位置境界明確化法に基づく位置境界明確化手続を完了しており、現地に即して特定できる状態になっている。
  D 平成12年9月6日、局長は、裁決の申請に必要な書類が整ったことから貴収用委員会に使用の裁決の申請を行ったところである。
(4)使用の方法について
  @ 本件土地は、前述のように、現在、日本国に駐留するアメリカ合衆国軍隊が使用する牧港補給地区の道路敷及び倉庫用地として使用され、施設全体と有機的に一体として機能しており、その必要性は、平成13年4月1日以降も何ら変わるものではない。
  A したがって、本件土地の使用の方法は、日本国に駐留するアメリカ合衆国軍隊が使用する牧港補給地区の道路敷及び倉庫用地とした。
(5)使用期間について
  @ 本件土地は、牧港補給地区の施設運営上、施設全体と有機的に一体として機能し、必要欠くべからざるものであり、返還の予定はなく、引き続き駐留軍に提供していく必要のある土地であることから、今後とも円滑かつ安定的に使用の確保を図る必要がある。
  A 一方、昭和62年の貴収用委員会の裁決において、使用期間を10年とされたことの事情も考慮し、使用期間は平成13年4月1日から10年間とした。
(6)使用する土地に対する損失補償金の算出について
  @ 本件土地の損失補償金は、使用しようとする土地の面積148.05平方メートルに、地代単価1,760円を乗じて算出した金額260,568円に複利年金現価率7.7217を乗じて算出した。
  A 地代単価は、不動産鑑定士に平成12年6月27日の使用認定時の土地の正常賃料の鑑定評価を依頼し、その評価額とした。
  B 複利年金現価率は、10年の使用期間に係る年利率を5パーセントとして算出した。
(7)権利取得の時期について
   権利取得の時期は、本件土地の使用期限の翌日である平成13年4月1日とした。
3 結び
  以上陳述したとおり、楚辺通信所及び牧港補給地区の一部土地は、現在、施設及び区域として駐留軍の用に供している土地で、引き続き駐留軍の用に供する必要のある土地であるが、使用期間満了後の土地の使用について、土地所有者との賃貸借契約の合意が得られなかったことから、使用期間満了後の使用権原を確保するため、駐留軍用地特措法に基づく手続を進め、本裁決の申請を行なったものである。
  当局としては、期限までに使用権原が得られるよう、貴収用委員会が迅速かつ適正に裁決されることを切にお願いする。
                                         以 上