軍用地を生活と生産の場に!
 
沖縄・一坪反戦地主会 関東ブロック
http://www.jca.apc.org/HHK
東京都千代田区三崎町2-2-13-502
電話:090- 3910-4140
FAX:03-3386-2362
郵便振替:00150-8-120796

『一坪反戦通信』 毎月1回 28日発行 一部200円 定期購読料 年2,000円

第117号(2000年10月28日発行)

【学習会】 

 改悪特措法のもとでどう闘うか

  一○月一四日
     文京シビックセンター会議室

 楚辺通信所(通称・象のオリ、読谷村 知花昌一さん所有)と牧港補給地区(浦添市、古波蔵豊さん所有)の一部について、今年四月に施行された再改悪特措法に基づく強制使用手続きが進んでいる(資料1)。県や市町村の関与が排除されたたため、今年中にも公開審理が開かれる可能性が出てきた。

 関東ブロックでは、公開審理闘争を含む今後の闘いをどう切り開いていくかを学ぶため、沖縄から講師を招いて学習会を行った。出席者は会場がほぼ埋まる約五○人。講師の安里秀雄さん(違憲共闘会議事務局長・反戦地主会事務局次長)には、再改悪された米軍用地特措法の解説、強制使用手続きの進行状況、今後の展望など、多岐にわたる内容でお話いただいた。学習会に参加できなかった会員・読者のために講演内容を掲載する。約一時間の講演を編集部の責任でまとめた。

 質疑応答のあと、一五日の「新・名護サポータ結成集会」出席のために上京された安次富浩さん・新崎盛暉さんは現地沖縄の状況を伝えていただいた。

 安次富さんは、リコール断念で一時的な停滞感のあったヘリ基地反対協が、九月二九日の総会で、「名護市民投票を尊重し、基地の受け入れ表明撤回と新基地建設を目的にした代替施設協議会の解散を要求する決議」を行い、県や名護市に要求したこと、さらに、一年半後に迫った名護市長選でヘリ基地に反対する市長誕生への努力などを含む活動方針を決めて新体制で再出発したことを報告。沖縄の米軍基地撤去には、日米政府を震え上がらせるほどの強烈な闘いを沖縄からもう一度作っていく必要があることを強調した。

 年内にも始まる可能性のある公開審理に対して、関東ブロックとしても最重点項目として取り組みます。日程が決まり次第、ホームページ等で連絡する予定ですが、この件に関してのお問い合わせは、表紙の連絡先にお願いいたします。
 
 
 
新崎さん講演要旨

 嘉手納の共有地に対する申請は地籍不明地として却下されたが、施設庁は建設大臣に審査請求した。我々は直接の関係者として、建設省に我々の意見を聴取させ、現在も審理は続行している。建設大臣が総理大臣の認定を覆すはずはないので、却下裁決は間違いだと差し戻すだろう。

 特措法の再改悪によって、県収用委員会が行う公開審理以外は、地方の関与が全て排除された。しかも、収用委員会が却下しても、総理大臣が代わって裁決する。これは、私有財産制度を軍用地に関しては否定する軍用地最優先政策であり、まさに有事立法だ。

 今回の強制使用手続きにおいては、我々は直接の当事者ではない。これは、一坪反戦地主会が結成される前の状況と同じ。しかも、大衆運動のきっかけにもなりうる県・市町村の関与が一つ一つ潰されてきた。これらのことを念頭に、今後の運動をどう組み立てていくか、反戦地主と相談しながら、現実的に考えていく必要がある。

 サミットに対抗ということで立ち上げた平和市民連絡会は、基地をなくすという本来の運動を追求するため、仕切直し、第二期の出発をした。

 七月の嘉手納基地包囲(人間の鎖)は、これまでの基地包囲の中で、組織的な取り組みは一番弱かったが、一番大規模だった。一人一人の民衆の危機感が基地包囲の成功に導いたというべきで、組織的運動はある意味で低調にみえるが、これまでとは異なる動きの萌芽がある。この動きをどうとらえるかが今後の課題だ。

 安里さんの講演や、安次富さんの話にもあったが、アメリカ内部で沖縄の基地見直し論が出てきた。しかし、朝鮮半島の急激な変化の中で、日米関係を米英関係に相当させるような、相互協力の強化の中で、沖縄の基地を検討しようということである。流動化している状況をつかんで、気を引き締めて運動を進める必要がある。
             (まとめは編集部)