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第114号(2000年7月28日発行)

日米首脳会談・「平和の礎」演説についての見解


(ヘリ基地反対協)

日米首脳会談について

1.    日米首脳会談における普天間基地移殻にかかわる部分については、従来のやりとりの繰り返しで何の進展もみられない。

2.    森首相の発言で沖縄県民の基地負担を減らす方策としてSACO最終報告の確集な実施を図りたいとする部分は、県内移設では基地の整理縮小にならないとする県民、とりわけ名護市民にとって容認できるものではない。

3.    森首相の15年使用期限問題についての発言、「今後、国際情勢の変化に対応して同飛行場の代替施設を含め在沖縄米軍の兵力構成等の軍事態勢につき(貴国政府と)協議していくことにしたい」の部分は1999年12月28日の閣議決定の文章そのままの読み上げであり、首脳会談で本気でこの問題を取り上げようとする意志さえ感じない。沖縄県知事などに対してアリバイをつくっただけである。

4.    クリントン大統領の「在沖米軍の受け入れに関する沖縄県民の方々の協力に深甚なる感謝を表した」とする発言は、米軍基地の固定化に世論を誘導する意図をもつもので「礎」発言の「沖縄の人々が自ら進んでこの役割(日米同想関係維持のための不可欠な)を果たしてこられたわけではないということを分かっております」との発言と矛盾し、県民を愚弄するものである.

5.    15年期限問題に関するクリントン大銃領の「SACO合意の着実な実施に協力する」との返答は後段で「1996年の日米共同三看にふまえて……協議したい」と述べることによって実質的に拒否したものである。

6.    「兵士の犯罪」については「礎」の前で直接県民に謝罪をすべきであった。それをやらずに首相との会談で行うことによって焦点をぼかし、県民への直接謝罪という形を巧妙にさけた。
 また大多数の兵士は「よき隣人であるjとすることによって、「特珠な事件」との申し開を行っていることは、これまで多くの事件・事故に苦しめられている県民を納得させられるものではない。
 

 「平利の礎」演説について

1.    県民の平和への思いをたくした「平和の礎jを巧みに利用し、県民の米軍基地や諸々の米軍犯罪などへの県民感情を和らげることを目的としてなされた。

2.    それは、「この礎の心を持ってそうした責任を満たすべく」日米同盟関係が維持されなければならないとし、そのためにまた沖縄は不可欠な役割を担っているとしているところにある。

3.    少女へのわいせつ事件への謝罪や、また7月20日の2万7千人の「人間の鎖」に、象徴される基地の整理・縮小・撤去への県民の要求に全く言及しないことは、この「礎」演説の目的をはっきりあらわすもので、沖縄基地の無期限使用に対する米国の意志を表明したものである。

4.    その他の言及、例えば、琉大50周年や東西センターへの留学など米国大銃領がこのような場であえてふれなければならない程のものではないし、また尚泰王の言棄の引用などはとってつけたような不自然さを県民に与えた。
    しかし、このような事柄と又必要以上のお褒めの言棄と大げさな形容詞の羅列は「日米同盟の推持とそのための沖縄基地の不可欠さ」を言うためのカモフラージユである。
 

 反対協としてのコメント

1.    平和の礎におけるクリントン大織領演説と名護市で行なわれた日米首脳会談は沖縄県民と名護市民の期待を裏切るものである。

2.    とりわけ「15年使用期限問題」について森首相は、「これまで数度にわたり取り上げてきた」として「今後国際情勢の変化に対応して協議していく」と述べている。このことは日本政府が日米の話し合いの中で、アメリカ政府に対して15年問題を具体的に検討する事を申し入れたことは一度もなく、今回も例外ではなかったことを証明するものとなった。逆に、自ら国際情勢の変化を持ち出すことによって15年問題を日本政府が真剣に取り上げる意志がないことを示した。
    一方、クリントン大統領は「日米安保共同宜言をふまえ協議したい」と述べることによって15年使用期限を実質的に拒否した。
    この事によって「15年使用期限」問題は日米双方間で暗礁に乗り上げたことを示すものとなった。

3.    このような事態は「15年使用期限」や「軍民共用空港」が稲嶺知事による一時的県民だましの選挙対策に過ぎず、非現実的でかつ軍事的にはナンセンスである事を示す結果となっている。

4.    従って、サミツト以降始まると思われる基本問題に対する協議会は「15年使用期限」をはじめ「場所」「工法」「軍民共用空港」の形態など最難問の課題に直面することになり、矛盾が露呈することは必至である。

5.    サミットを機械に名護市民投票で示したへリ基地反対の市民の声をこ全世界にアピールするために幅広い構成団体でヤンバル・ピース・ウエーブ実行委員会をつくり、シンポジウム、ピース・プラザ、ピース・ウオークなどを行ってきた。また全県的にはカデナ基地包囲など行い様々なNGO団体が、平和を願う県民の意志と、へリ基地に反対する名護市民の意志を発信したと確信するものである。

6.    わたし達名護市民は7.20カデナ包囲行動に示された県内外の運動の盛り上がりを引き継ぎ、ヘリ基地をつくらさないため今後の政府・県等の動きに対応しつつ、県民また内外のNGO団体との連携を求め闘いを継続強化していく。
 
     2000年7月23日
               海上ヘリ基地建設反対・平和と名護市政民主化を求める協議会