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第114号(2000年7月28日発行)

【特集】
  二○○○年夏 沖縄
 
 昨年四月の電撃的な「沖縄開催決定」以来沖縄を混乱に陥れていた九州・沖縄サミットは終わった。内閣外政審議室によると、経費は、蔵相会合と外相会合も含めて総額約八一五億円。このうち警備を中心とする警察庁関係の約三二七億円、国際メディアセンター建設費など外務省関係の約一九四億円が目立つ。ちなみに、バーミンガム・サミットの費用は約一一億円、ケルン・サミットは約七億円。英・タイムズ紙は、首里城で開かれた政府主催夕食会を「まるで宴会旅行」と評した。インディペンデントは社説で、「高価なお祭り」のために日本まで出掛けた各国首脳が債務削減問題で新たな措置を何も打ち出せなかったのは「世界の貧しい人々に対する侮辱だ」と酷評。さて、歴史はこの壮大な「お祭り」をどう評価するであろうか。 

 今月号はサミット前後の沖縄と各地での動きを報告する。



会長談話


2000年(平成12年)7月5日
沖縄弁護士会 会長 亀川榮一

 7月21日から沖縄県で開催される「サミット首脳会議」に関し、本土を含めて2万人を超える多数の警察官が沖縄に集結し、過剰な警備体制がとられ、とりわけ、名護北部地域、空港周辺地域、首里地区では、交通検問や、多数の警察官の立哨警備がおこなわれ、まさに、町が警察に制圧されたと言わざるを得ない異常な状況となっている。

 本来、個人のプライバシーや表現の自由などの基本的人権は、人が人として生きるための必要不可欠の権利であって、「警備活動の必要性」の名のもとにこれを侵害することは許されないのであって、最大限に尊重しなければならないことは当然である。

 しかし、本サミットにおいて、「サミット警備」の名のもとに、開催1ヶ月も前から、警察官の個別訪問による個人情報の聞き出しや、検問と称する車両の荷物検査が行われている。

 これらの行為は、これを強制する何らの法的根拠はないにもかかわらず、トランクを開けなければ通行が出来ないかの如き威圧を加えて開示の強要がおこなわれ、あるいは、情報開示が義務であるかのように報告を求めており、これらは、個人のプライバシー権に対する重大な侵害行為であると言わざるをえない。

 九州弁護士会連合会は、2000年(平成12年)6月22日付けをもって、警察庁、九州管区警察局、九州管内警察本部に対して過剰警備によって、市民に対する人権侵害行為が行われないようにもとめるとともに、サミット開催にさいして人権擁護に格別の配慮を要請する旨の要望書を発したが、今日の沖縄の状況は右要望が全く考慮だにされていないことを示している。

 「サミット警備」の名の下に、過剰警備、過剰捜査を押しつけることは、市民の基本的人権に対する重大な侵害行為であると言わざるを得ず、以下の述べる如き過剰警備、過剰捜査をもって市民の基本的人権侵害が行われないよう強くもとめるものである。

 我々は、「サミット警備」の名の下に市民の人権が侵害されることを許さず、市民の立場にたって、権力の濫用に対する監視と、侵害された人権の回復のための弁護士としての職責を尽くすものである




  1. 職務質問や所持品検査、車両検問を不当に実施したり、強制処分でしか行えない捜査を令状なしで行う等、任意捜査の名の下に市民生活に不当な干渉をすること。
  2. 本来許可が不要である場合であるにもかかわらず、道路交通法上の許可を得ていない事を理由にビラ配布その他の表現活動を妨害する等、道路交通法の恣意的運用によって道路上での各種権利行使を制限すること。
  3. 条例や捜索差押を濫用し、これを、反対運動に対する事前取締目的に利用すること。
  4. 反対運動が公共施設を使用することに不当な圧力を加え、その使用を妨害すること。