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第108号(2000年1月28日発行)

県内移設を許すな

名護市議会が移設促進を決議

市長もついに受け入れ表明

普天間の県内移設に県知事がOKを出し、今度は地元・名護の市議会と市長がOKとなった。移設反対運動は激しい状況に立たされている。

 普天間の県内移設をめぐって去る一二月二三日午前七時、移設候補地とされた名護の市議会が本会議で移設整備促進決議を一七対一〇の賛成多数で可決した。一一月二一日の県知事による県内移設表明に次いで、今回は地元の県内移設受け入れ表明だ。

 名護市議会に提出されたのは「普天間飛行場の名護市辺野古沿岸域への移設整備促進決議案」(六ぺージ参照)。なんでもこの決議案の「提案者」は辺野古の海のすぐ前に住む漁協の人だそうで、「移設されたら辺野古の今の景色はだいなしでは?」と言われてもそれを否定しなかったという。

 本会議を傍聴していたある人によると、「与党からは『よく反対してくれた』という賛辞が野党に贈られたという。与党もウチナンーチュ、名護市民である。経済的要求のために背に腹は替えられず……と言いたかったらしい。沖縄の現実の深層の風景なのではあるまいか」という。

 その四日後の二七日、岸本市長は「私のこれまでの人生で最も困難な選択」として移設容認を表明。政府に対して「安全性の確保」や「使用期限一五年を米側と話し合う」などの七条件を示した。

 その翌二八日、政府は閣議でその七条件すべてを受け入れ、国と名護市で基地の使用協定を締結するなどの政府方針を決定した。

 前号(107号)に政府のシナリオ=内部文書があると掲載したが(5ぺージの中段)、このシナリオどおりだ。シナリオは昨年秋に瓦防衛庁長官が沖縄へ行った時に県の幹部に手渡されたという。「シナリオどおりだ!」という批判を回避するため、市長の受け入れ表明は年明けと言われていたが、さっさと「年内決着」されてしまった。

 名護の反対運動の住民団体であるヘリ基地反対協は二七日、市長リコール(解職要求)運動を宣言した。市議会で移設促進決議の採決には退場した公明党は別にして、反対した一〇人の野党議員もリコール運動に参加する。リコール署名が成立することは確実だ。

 名護では県内移設=事実上の新たな基地建設の自ら受け入れをめぐって市長選挙が二月以降焦点となるに違いない。「本土」の私たちもく名護への移設反対・沖縄への基地集中反対>の声を政府に対して迫る運動を起こしていこうではないか!

 なお、移設賛成派は海上案[沖合三キロ]と埋め立て案と二派に分かれていて調整がつかないでいたが、埋め立てとメガフロートまたは埋め立てによる人口島による複合案で賛成派は結束しそうだという。しかし複合案でも九七年の市民投票で反対多数だった海上施設案と同じだ。名護市民がそんなことでだまされるはずない!

 また普天間の移設問題と直接関連してはいないが、二OOO年度予算編成で米軍の駐留経費の日本側負担を削減したことで、米軍は懸念を表明した。日米地位協定では日本側負担はないはず。しかし八七年以降の特別協定締結で日本側が「思いやり予算」を負担して来た。今回の削減で、「思いやり」しなければ米軍はピンチに陥ることが判明した(八ぺージの「思いやり予算」訴訟の記事を参照)。