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第104号(1999年7月5日発行)

ストップ戦争法! 五・二一全国大集会

 明治公園をうめた五万人

 自自公の賛成によって衆院を通過(四月二十七日)した「周辺事態法案」をなんとしても参院で阻止しようと、五月二十一日、超党派の全国集会が開かれた。沖縄行動団を迎えた日比谷野音での集会(十九日、既報)直後ではあったが、違憲共闘の安里秀雄さんを交えて関東ブロックからも多数が参加した。

 正式名称は、「ガイドラインに反対する人 みんな集まれ!  ストップ戦争法! 五・二一全国大集会   ―憲法をまもって 平和なアジアと世界を―」。呼びかけ団体は宗教者達の「平和を求める」集い実行委員会と陸・海・空・港湾労組二十団体である。立場を越えた多くの人々が日本の針路に対し大きな危機感を抱いていること、加えて共産党と社民党が「周辺事態法」廃案のために久々の共闘を打ち出したこともあり、会場の明治公園は五万人の人々でうまった。

 「憲法を活かす道こそ日本の生きる道。憲法九条を世界に広げよう」とハーグ平和会議で憲法九条が評価されたことをふまえて土井社民党党首が訴え、「主権者の意思を問うことなしに、憲法を踏みにじって戦争法を作る権限はない。強行採決されたとしても、戦争法の発動を許さず、廃棄にするために共同して闘う」と不破共産党委員長が決意表明。

 作家の井上ひさしさんは吉野作造の言葉を引いて、「民主主義とは七面倒なものだが、ゆっくりと、しっかりと、堂々と、二十一世紀にかかる橋を共に歩みたい。平和憲法を二十一世紀の国際法に」と連帯のあいさつ。山内徳信前沖縄県出納長は「鉄の暴風といわれる地上戦を体験し、戦後は米軍支配下で朝鮮戦争・ベトナム戦争の発進攻撃基地となった沖縄は、後方支援基地となった実体を目の当たりにしてきた立場から、この戦争法案を敢然と拒否し、廃案を求める」と沖縄の視点から廃案を訴えた。

 その後、各界から七人が挨拶。新ガイドラインとその立法化に反対する国民連絡会、全労連議長の小林洋二さんは「戦争のために労働力は売らない。」と決意表明。百万人署名運動の中島誠さんは「ガイドラインを踏みつぶし廃案にするまで闘うことを、子や孫に誓わなくてはならない」と訴えた。、戦争協力を許さないつどいからは内田雅敏さんが東洋の哲人の言葉を引いて、「希望とはもともと有る物だともいえないし、無い物だともいえない。地上の道のような物だ。もともと地上に道はない。歩く人が多くなればそれが道になる。今日ここに集まった人々、全国の人々が国内外の人々と手を携えて、憲法の原理を掲げて歩み続けよう」と共闘の重要さと憲法を守る意義を訴えた。日本婦人団体連合会副会長の守谷武子さんは、「私たちは、銃を持たせるために子供たちを育てているのではない。ユーゴの空爆で泣き叫ぶ子供たちを見る時、多くの犠牲者を見る時、アメリカほどひどいならず者はいないと思う。そのためのガイドラインは絶対許せない」と母親の立場から訴えた。関東ブロックと野呂田防衛庁長の辞任要求を突きつけた婦人民主クラブ共同代表の赤石千衣子さんは、「ガイドライン法は、沖縄だけでなく日本全部の人々を戦争に巻き込む法案だ。一人一人の知恵と力をかけて、この法案の成 立をみんなで阻止しよう」と呼びかけた。 日赤医療センター第一労組委員長の笠原紀子さんは看護婦の立場から、「命の守り手である看護婦として、人間の命を奪う戦争法案を絶対許せない。二度と再び白衣を血で汚すまいという決意でこの戦争法案を阻止するま でがんばろう」と連帯の挨拶。

 最後に発言した高校生平和ゼミナールの日巻佳菜恵さんは「戦争の一番の被害者は私たち若者だ。その私たちに詳しいことも知らせず、選挙権も与えないでおいて、どうせ戦争の最先端には行かない国会議員のおじさん達でどんどん事を進めている。不公平だ!一人一人の力は弱くても、みんなで手をつなげば、世界は絶対動く」とわれわれ不甲斐ない大人達への叱咤激励で会場をわかせた。

 戦争協力への拒否を謳った集会宣言を採択したあと、国会・渋谷・代々木公園・新宿の四つのコースに分かれてデモを行った。

 残念ながら三日後の五月二十四日、参院でも自自公の賛成によって戦争法案は成立した。結果的には法案成立を阻止できなかったが、再び戦争の加害者にも被害者にもならないための今後の運動へのわずかな光を見た思いであった。しかし、「憲法九条を世界に」と訴えた土井社民党が、特措法再改悪をはじめ様々な問題点を含む「地方分権一括法案」に衆院で賛成(六月十一日)したことに対して、「どっちが本音?」と素朴な疑問を抱いたのは私一人であろうか。      
(M) 


集会宣言

 私たち市民・労働者・文化人・宗教者らは、陸・海・空・港湾労組二〇団体および宗教者たちの「平和を求める」集い実行委員会のよびかけに応えて、それぞれの立場の違いを越え、新ガイドライン関連法案に共同で反対の意志を表明し、廃案を求めるために、北は北海道から南は沖縄まで全国各地から集まってきました。

 わが国は、過去の侵略戦争の反省から戦後五〇数年間、平和憲法のもとで世界のどの国とも戦火を交えずにきました。いま、日本にとって必要なことは、この平和憲法を遵守し、外交的努力によって戦争の原因となるものを取り除き、アジアや世界の国々と正義と信頼に基づいた平和な関係を築いていくことです。アメリカが引き起こす戦争に地方自治体や民間人を動員したり、自衛隊の海外派兵に道を開くことではありません。

 政府が国会で新ガイドライン関連法案の成立を急ごうとすればするほど、「もっと慎重に審議を行え」「廃案にせよ」という声は、全国津々浦々から日増しに強まっています。私たちは、新ガイドライン関連法案を成立させることは絶対に認められません。戦争に「安全な後方はない」ことは、ユーゴの事態が明瞭に語っています。

 私たちは、本集会の名によって、

 1.私たちは、国民を再び戦争にまきこむ新ガイドライン関連法案の廃案を求めます。
 2.私たちは、新ガイドライン関連法案にもとづく戦争協力を拒否します。
 3.私たちは、憲法を守って信頼と正義に基づいた平和なアジアと日本をつくることを 求めます。

   以上、宣言します。                
                一九九九年五月二十一日