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第103号(1999年5月29日発行)

東京行動に参加した沖縄の人々

 ーー国会で周辺事憲法も可決されそうです。特措法再改悪も……。

 新垣萬徳さん(キャンプ・ズケラン内の反戦地主):
むなしいね。「周辺」も「有事」もどちらもだ。四七五本の法律だということも知られていないのでは……。「本土」の人もそうだが沖縄の人も、周辺事態法と特措法について知らないのではないか? 知らないのに国会で決まってしまって、戦争に協力させられるようになる。また戦前のようになってきつつある。国民がわからないうちに……。それがむなしいよ。
知らないのに国会で決まるのか

ーー那覇軍港の浦添への移転に現実性はあるのですか?

伊計(いけい)政良さん(浦添市民の会):
私自身で神戸・高雄・香港を見てきたが、浦添はとてもハプ港になることはありえない。比べてみて問題にもならないと思った。専門家でもそういう見解だ。だから「ハプ港になるから移転を」というのはウソだ。
ーーガイドライン関連法案が国会で成立させられそうですが?

伊計さん:
沖縄戦の教訓から「どこでも、いつでも戦争してはならない」と思う。これは祖先からの教えだ。私たちの力が弱いために、(戦争の)危機がまともに迫ってきたということだ。それに普天間と那覇軍港の移設はガイドラインを実行するためのものだ。

ーー軍靴の響きが迫ってくるような動き全体に対して、私たちはどうしたらいいのでしょう?

金城睦さん(東京行動団の団長。弁這士):
 今の非民主的国家を民主的・近代的国家に変えることをはっきりさせなければならない。今進んでいるのはまさに「逆コース」、戦争への道だ。日米安保の同盟を、それとは違う道へ進む政府・国家にしていくことでなければならないと思う。

ーー今回,参加を思い立たれたのはどうして?

平安山(へんざん)良尚さん(伊江島二代目反戦地主):
 すでに衆議院を通った新ガイドライン関連法案が、参議院でも可決されるようなことがあればたいへんなことになるので、それを喰い止めなければという思いから来ました。米軍と自衛隊が、戦争のできる体制をつくることは、自分たちの土地もずっと取りあげられることになります。法案の正体を国民に知らせないまま通そうとするのは民主主義に反しており、これを正していかなければいけないと思います。
ーー伊江島には米軍のパラシュート訓練が移転されようとしていますが?

平安山さん:
 子どもの頃、訓練を見に行って米軍のジープに追いかけられました。七、八年前にはパラシュート同士の糸がもつれたまま降りてくるのをとっさに写したものが琉球新報に載ったこともあります。

ーーこれからの課題と思われることは何ですか?

平安山さん:
「本土」の人達にも地主のことをよく知ってもらいたいと思います。米軍への思いやり予算など国民全体の税金で支えているので、やはり全体の問題として考えてもらい、基地を無くしていく力にできれば良いと思います。自分自身としては契約しないことを貫いていくつもりです。
※平安山さんのお仕事は電照菊の栽培


 なお東京行動団が到着した一九日、行動団員のうち浦添市民の会のメンバー一二人は軍港・横須賀港を視察。米軍と自衛隊を受け入れている巨大な港湾施設を実際に見た。当日はあいにくの雨。雨に霞んでいたとはいえ、「わが街・浦添にかくも強力な殺人施設のたぐいが移設してきたのでは、とても振興策と引き換えであってもごめんだ!」と痛感。

 また横須賀市職労との交流会で、労組役員と横須賀市会議員から、港湾汚染は明かになっているものの、厚木などの騒音による基地被害が顕著には出ていない実態について報告があった。旧日本軍以来の軍港という長い歴史が横須賀には染み込まされているーーという苦悩の報告であった。

 市民の会はこの後、日比谷野音の集会に合流。翌日は茨城県の常陸那珂港湾を、翌々日は川崎港湾を視察した。