辺野古への基地建設を許さない実行委員会
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http://www.jca.apc.org/HHK/NoNewBases/NNBJ.html
連絡先沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック(090-3910-4140)、市民のひろば(03-5275-5989)



防衛庁長官 額賀福志郎殿
防衛施設庁長官 北原巌殿

2006年9月26日

沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック

抗議・要請文

 去る9月25日午前10時過ぎ、辺野古崎基地建設のためのキャンプ・シュワブ内の兵舎移転に伴う埋蔵文化財調査を強行した那覇防衛施設局に対して、抗議した平良夏芽さんが不当逮捕された。

 この事態の責任は、那覇防衛施設局が名護市教育委員会に圧力をかけ調査を強行させたことにある。基地建設反対の住民は去る14日、15日のような基地建設を前提にしたアリバイ的な調査ではなく、公開を原則とした説明責任を果たすような調査を要求している。建設反対の住民の抗議を受けて調査をせずに市教委が引き返したことに対して、那覇防衛施設局は不快感を表明したと報道されている。市教委は文化庁の管轄下にあるにもかかわらず、管轄外の那覇防衛施設局に圧力をかけられて25日の調査を無理に行おうとしたものである。

 防衛施設庁の守屋次官らは早期着工には必要な調査だから、と那覇防衛施設局に指示して市教委の調査強行をさせるべきではない。

 「文化財保護のための調査なのに、なぜ反対するのかわからない」と防衛庁は述べたそうである。しかし貴重な文化財保護のための調査なのに、なぜ住民の反対さえ押し切って強行するのかわれわれにはわからない!

防衛庁・防衛施設庁・那覇防衛施設局は本件調査からは手を引くべきである。


2006年9月26日

内閣総理大臣 様
防衛庁長官 様
防衛施設庁長官 様
名護警察署署長 與儀喜正 様

平良夏芽牧師の不当逮捕に抗議し、即時釈放を要求します。

 平良夏芽牧師は、9月25日、沖縄名護市への新基地建設のための遺跡調査のためキャンプ・シュワブのゲート内に入ろうとした名護市教育委員会の車をとめようとしてはねられた上、「公務執行妨害」で不当に逮捕されました。沖縄住民を巻き込み、異議を唱えるものに怪我を負わせ、逮捕するという行為の責任は、警察のみならず、人々の平和への願いを踏みにじってきた日本政府にあります。

 平良牧師の行動は、沖縄の碁地が他国の人々を殺戮するものであることを深く悲しみ、「命こそ宝」の沖縄の心を踏みにじる基地をなくし、誰もが平和に生きられる社会を求める祈りと信仰に基づいています。

 この遺跡調査の目的が、米軍基地建設の遂行にある限り、それは「文化」のためでなく、「基地暴力」のためとなってしまうのです。私たちキリスト者は牧師の祈りと徹底的な非暴力抵抗に深い共感と連帯を表すとともに、このような牧師を逮捕するという警察の行為に断固抗議し、以下を求めます。

1・平良夏芽牧師を即時釈放すること
1・防衛庁によるキャンプシュワブ内の埋蔵文化財調査を直ちに中止すること

日本キリスト教協議会(NCC)
総幹事 山本俊正


2006年9月26日
内閣総理大臣 安倍晋三 様
防衛庁長官 様
防衛施設庁長官 様
名護市長 島袋吉和 様
名護警察署署長 與儀喜正 様

名護ヘリポート基地に反対する会(代表 茂野光達)

平良夏芽さんの即時釈放と防衛施設庁による遺跡調査の中止を求める要請書

 昨日の朝の悲しむべき出来事に、私たちは心を痛めずにはいられない。警察によって一人の市民が不当逮捕され、今なお拘留され、安らかな眠りを妨害されているこの事態について、煮えたぎる怒りを抱えずにいられない。

 これはまさに、沖縄に軍事基地を押しつけ、民衆の暮らしを破壊し、その人権を踏みにじり続ける沖縄差別政治の一つの結果である。名護市辺野古の新基地建設をめぐって、地域住民は、これまで10年にわたって深い傷を負わされてきた。ついに昨日、警察による不当逮捕を許すところまで住民を追い詰めてしまった政府の罪はあまりにも重い。

 キャンプシュワブ内では、新基地建設に伴って、埋蔵文化財の分布調査が始められている。これは防衛庁の予算で防衛施設庁が行うもので、依頼を受けた名護市教育委員会の職員が、シュワブのゲート前で、警官、機動隊に囲まれつつ、反対する住民と向かい合う事態となっている。地元の住民を二分させ、対峙させ、苦渋を強いていく政府の姿勢を、私たちは決して許すことができない。

 埋蔵文化財の現地調査は極めて重要なものである。しかし本来、文化庁の予算で行われるべき調査が、防衛庁の予算で始められていることを私たちは見逃すことができない。明らかに基地建設を優先させた政府の強権政策であり、このままでは調査が十分に行われないことは火を見るより明らかである。調査を始める前、防衛庁は「14日に必ずシュワブに入って、調査に着手したという実績を作れ」と那覇防衛施設局に指示していたと伝えられている。名護市教育委員会は、調査地点を指定され、「そこ以外は入るな」と規制を受けていることに不満を持っているとも言われる。

 シュワブ内の基地建設予定地には、沖縄貝塚時代後期(約1700〜1000年前)とみられる未調査の遺跡や遺物がある。それらは、沖縄とヤマトの歴史的関わりをひも解く上で、極めて貴重なものである可能性が高く、しっかりした調査は名護市の悲願でもあった。名護市教育委員会では、既に沖縄県や文化庁とも調整の上、予算措置を講じていて、来年度にはそれが計上される見込みと言われている。

 防衛庁が別予算で調査を急ぐ様子からは、文化財をないがしろにしてでも基地建設を優先させようとする政府の身勝手な姿勢が見えてくる。

 シュワブ前での平良夏芽さんの抗議行動が、基地建設のためではない、文化財保護のための調査とその透明性を求めるものであったことを私たちは知っている。辺野古の新基地建設に対する反対の声は、沖縄の民衆の間に根強く広がっている。平良夏芽さんは沖縄の民衆の痛みを肌で感じ取り、それに寄り添いつつ、市民の当然の権利として、シュワブ前で抗議の声を挙げていたのである。

 「警察官は、住民らの手足を抱え、力ずくで排除した」と新聞は伝えている。現場にいた人の話では、平良夏芽さんが車と接触した際、大きな衝突音が響いており、打撲の影響が心配される。一刻も早い病院での手当を私たちは望む。

 彼の逮捕は全く不当であり、市民運動への弾圧以外の何ものでもない。むしろ、住民に暴力で応じた警察こそ、権力の乱用で厳しく問われなければならない。そして、小さな地域で住民同士を向き合わせ、苦しみを強いていく政府のあり方こそ、断罪されなければならない。

 私たちは、激しい怒りをもって次のことを求める。

一 平良夏芽さんを即時釈放すること
一 防衛庁によるキャンプシュワブ内の埋蔵文化財調査を直ちに中止すること